2010年11月12日

100歳の少年と12通の手紙2

damerose公式サイト。フランス映画の原題:OSCAR ET DAME ROSE、英題:OSCAR AND THE LADY IN PINK。エリック=エマニュエル・シュミット監督、ミシェル・ラロック、アミール、マックス・フォン・シドー、アミラ・カサール、ミレーヌ・ドモンジョ。一言で言えば、ピンク色の制服をしたピザ屋のおばさんローズ(ミシェル・ラロック)がサンタクロース代わりになって余命いくばくもない白血病の10歳の少年オスカー(アミール)と友情を深めるお話。
冒頭、授業シーンがあるが、時系列がよく分からない。オスカーは先生に手の込んだ悪戯を仕掛けるのだが、「犯人は誰だ」と訊かれてすぐにオスカーは名乗り出る。しかし、先生はお仕置きをするでもなく、しかることすらしない。最初、普通の小学校と思ったら小児病院付属の学校らしい。
その後、オスカーは医師(マックス・フォン・シドー)が両親にオスカーの命がもう長くないと伝えていることを立ち聞きしてしまう。
この二つのシーン、時系列的が曖昧な感じがする。時系列が逆でオスカーが立ち聞きして自分が腫れ物に触るような扱いされ始めたことを肌で感じ、寂しさから何とか普通に接してもらおうとわざと悪戯を繰り返しているのかと思えて来る。もう一つの可能性は時系列は合っており、オスカーが立ち聞きする以前からオスカーの病状は周知されていて、それを子供の勘で気付き、かまってもらいたくて悪戯を重ね、立ち聞きして真相を知るというもの。どちらなのか微妙だ。
いずれにしても、そんな訳で両親を含め周囲と自分に見えない壁を感じ、しゃべらなくなったオスカーは全く事情を知らない外部の人間ローズとたまたま廊下でぶつかり、ピザが台無しになって人並みに怒ってくれたローズに逆に親しみを感じ、心を開く。
それを知った医師がローズに毎日ピザを配達し、ついでにオスカーをかまってほしいと頼むのが12月20日。年内あと12日。この12日は別に意味はなく、多分、あいまいな表現である英語の「1ダース」“a dozen of”(10日ぐらい)程度のニュアンスと思われ、医師からすればとりあえず年内まで、というアバウトな感じで頼んだはずなのだが、ローズは1日を1カ月をにして勘定する話を思い出し、さらに悪乗り(少なくと最初はそうだったのだろう)して1日を10年に数えるようにオスカーに教える。
もちろん、そんなお呪いのようなことをしても現実には奇跡が起きるわけでもない。むしろ元女子プロレスラーだったらしいローズのようなタイプのような人間に人生の最後で出会ったことが奇跡と言えば奇跡なのだ。
しかし、本当の奇跡はローズが障害者のファンからもらったスノーグローブにありそうだ。そのファンはどうやら死んでしまっているのだと仄めかされて、それがローズとオスカーの仲を結ばせるきっかけとなる。水晶球のようなスノーグローブは未来占いではなく、ローズの一般人とは違う数々の夢のような非日常的な思い出を映し、現実のオスカーと合体する。水晶球はローズの過去の栄光をオスカーに“輸血”する媒体なのだ。夢は時間が長く感じられるとよく言われるが、毎日毎日が一炊の夢状態になり、夢の中でオスカーは長生きするのだ。そして、水晶球を道に落とす時“魔法”は失われる。
邦題の「12通の手紙」とはオスカーが毎日神様に送る手紙のこと。オスカーはサンタクロースも神も信じないませた子だが、病院内で違和感のあるローズのピンクの制服はどう見てもサンタクロースの代用にしか見えない。サンタと仲良くなった以上、神も信じるしかなくなるだろう。神はピザ屋に宿っていたのだ。
しかし、一番のサプライズはオスカーが本当に12日目に死んでしまうこと。こんなに平仄が合い過ぎていいんだろうか。まあ、そうでもしなければ収まりがつかないのだが。
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Posted by y0780121 at 21:05│Comments(0)TrackBack(9)clip!洋画数字 | ★2

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