2011年04月25日

まほろ駅前多田便利軒2

tadabenri公式サイト。三浦しをん原作、大森立嗣監督、瑛太、松田龍平、片岡礼子、鈴木杏、本上まなみ、横山幸汰、柄本佑、梅沢昌代、大森南朋、松尾スズキ、麿赤兒、高良健吾、岸部一徳。「ただの便利屋」。名前からして投げ遣り感が横溢している。「便利屋」という言葉は世間的には「使い勝手のいい人」「利用しやすい人」というネガティブなニュアンスを持つ記号だ。彼らは何と「ただ弁」から赤ちゃんのタネ、麻薬仲買まで便利屋をしてしまうことになる。
まほろ駅前(東京都の町田駅がモデル)で便利屋を営業する多田啓介(瑛太)は2009年の大晦日、夜逃げの女性からチワワを預かり、ひょんなことから中学時代の同級生行天春彦(松田龍平)と再会し、春彦の仕事場も住み家も便利屋的に斡旋する。すなわち便利屋で働かせる。
2人のバックグラウンドはありがちなようにあるのだけれど、子供、あるいは犬が便利屋の周旋になる。「フランダースの犬」のDVDが背景に使われ、チワワのためなら遠く離れた海辺の町まで行く。そして、いつの間にやら自称コロンビア人の娼婦や塾通いの子供を通して麻薬取引の便利屋さんになってしまい、裏組織のボス星(高良健吾)とお友達になってしまう。お友達と言えば、春彦だって中学校当時、多田が原因で小指を切断仕掛けていて半分ヤクザのような記号を背負っている。故にこの便利屋多田には堅気とヤクザの境界線もない。
そして、春彦と言えば、人工授精の便利屋になっていて、多田の所に来る前から便利屋の先端を逝っていたのだ。
刑事の早坂(岸部一徳)と対決するのは産業廃棄物の山。社会の廃棄物のような状態になった多田にとって早坂の「俺だって40年この仕事しているが人なんて救えない」という台詞も通じない。彼の信条は人生のやり直しなんてできやしない、なので元より人を救えるなんて思ってない。やり直しできない人生だから人生の補修作業のために便利屋をする。「煙草の煙で肺を汚すのが人生」の男だ。変なおっさん岡(麿赤兒)に「もっと笑え」と言われても作り笑いするだけだ。
そしてまた大晦日がやって来て、一度消えた春彦と再会して、きっと彼らの人生は以下ループになることを暗示する。この大晦日またぎというのは「海炭市叙景」とよく似ていて、場所は違えど陰鬱さにおいて甲乙つけがたい。ただ、あまりに現代の不幸の類型を便利屋的に寄せ集めているきらいがある。
続編:「まほろ駅前狂騒曲
大森立嗣監督の他作品:「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」、「ぼっちゃん
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Posted by y0780121 at 22:59│Comments(0)TrackBack(18)clip!邦画マ | ★2

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