2011年04月29日

八日目の蝉2

yokasemi公式サイト。角田光代原作、成島出監督、井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、市川実和子、平田満、劇団ひとり、余貴美子、田中泯、風吹ジュン。生まれたばかりの子供が誘拐した女性に何年も育てられ、解放されても実の両親に馴染めないというのはよくある話で米映画「ディープエンド・オブ・オーシャン」(1999)もそうだった。
両作品に共通しているのは親が不注意だったこと。「ディープ」の場合、母親が同窓会の雑踏でつい目を離した隙に子供が消えていたというものだが、本作の両親ときたら生まれたばかりの赤ん坊を一人自宅に放ったらかして2人で車で出かけてしまう。とんでもない夫婦だ。オマケに縁側の戸の施錠すら忘れている。
希和子(永作博美)は誘拐する意図があったというより、たまたま室内に入れたから薫(本名・恵理菜)を奪ったのだろう。普通、こんなシチュエーション想定して狙わないだろう。想定外の僥倖が希和子を衝動的に誘拐に走らせたに相違ない。裏返せば、こんな不自然な設定が最初にあること自体が本作の弱さでもある。
yokasem2どうも全体的に息切れしている感じが否めない。カルト養護施設の教祖エンゼル(余貴美子)も世間的には怪演と評されるのだろうけれど、この程度のゲスト出演的な演技で褒められても余には却って失礼かもしれない。同じ施設で育てられたという自称?ルポライターの千草(小池栄子)もキャラとして弱く、今頃なんで現れたのかよく分からない。結局、恵理菜(井上真央)の過去の案内役だけの役回りだった。劇団ひとりもただ男の無責任を強調する駒として使われているだけでそれ以上のものはない。
結局、一番印象に残ってしまうのは美しい小豆島の風景。特に日没後の暗闇に輝く中山千枚田の虫送りの火が美しい。一応主演は井上真央ということらしいけれど、どう見ても存在感が圧倒的な永作博美が主演。“親子”の小豆島巡りがハイライトで、ややこしげな人間関係などどうでもよくしてしまっている。永作が途中で髪を短くするのは教団に入会することと逃亡のためだが、それまでの彼女の髪型は今の井上の髪型とそっくり。ある意味、剃髪=俗界を捨てるという意味があるが、二度とまともな母になれないのだという覚悟も伺える。出所後、2人が再会することはない。
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Posted by y0780121 at 18:49│Comments(2)TrackBack(33)clip!邦画ヤ行 | ★2

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映画レビュー 「八日目の蝉」【No Movie, No Life (映画・DVDレビュー)】at 2011年05月24日 02:16
さて、映画とドラマ両方見たので感想を書きたいと思います ちなみに映画を見てドラマ版が凄く気になっていたタイミングでNHKが2夜連続集中再放送をしてくれて凄く助かりました ちなみに原作は読んだことな...
八日目の蝉【にきログ】at 2011年06月03日 00:18
不倫相手の赤ちゃんと誘拐した母と、16年後に母と同じように妻子ある男と不倫して妊娠した娘の人生をうまく交差させた物語になっている。ごく普通の家庭で育つことができなかっただけで、こんな悲しい経験をするのを涙をボロボロ流しながら見た。永作博美がうまいのは当然な
八日目の蝉【とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver】at 2011年06月04日 22:20
 『八日目の蝉』を渋谷東急で見てきました。 (1)この映画は、TVなどで幾度となく予告編が流され、また書店では随分と以前から原作の文庫版が山積みとなっていましたから、制作側もかなり力を入れているのでしょう。  おそらく、『告白』とか『悪人』の線を狙っているの...
八日目の蝉【映画的・絵画的・音楽的】at 2011年06月05日 07:16
 久々の映画記事。見たけど記事にしていない作品が溜まってきた。今週末はブログに専念したい。と言うわけでその1弾は八日目の蝉です。
映画:八日目の蝉【よしなしごと】at 2011年06月17日 03:40
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八日の目の蝉(2011-027)【単館系】at 2011年07月03日 20:58
誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス。監督は、『孤高のメス』など社会派エンターテインメント作品で定評のある成島出。誘拐された少女の大学生時代を井上真央が演じ...
mini review 11545「八日目の蝉」★★★★★★★☆☆☆【サーカスな日々】at 2011年11月09日 00:15
テレビシリーズは良かったけれど、 キャストを変えて映画化すると聞いても 何度も観たいという話ではなかったので 観る気はありませんでした。 丁度公開している時に、 テレビで数人の映画評論家が この映画の感想を言っていて、 男性は、けちょんけちょんでした。
八日目の蝉【映画、言いたい放題!】at 2012年01月17日 10:25
恵理菜は、過去の呪縛をとかなくては前にすすめない。
八日目の蝉【取手物語〜取手より愛をこめて】at 2012年03月14日 22:08
直木賞作家・角田光代の原作小説を、井上真央、永作博美の主演で映画化したヒューマンサスペンス。第35回日本アカデミー賞、10冠獲得!だから、快挙ですよね。 物語は、過去と現在。いろいろな時間を行きつ戻りつつ、親子に二代に渡る、心と身体の旅物語を浮き彫りにしま
八日目の蝉【のほほん便り】at 2012年06月25日 09:43
7月5日 八日目の蝉(感想232作目) アメブロが5月15日よりTB廃止する事が発表されましたので 5月15日以降に更新した記事では当ブログでTBを受付ます 当ブログにTB ...
八日目の蝉(感想232作目)【スポーツ瓦版】at 2012年07月05日 21:09
あらすじ希和子は不実な男を愛し、子を宿すが、母となることが叶わない絶望の中で、男
『八日目の蝉』'11・日【虎団Jr. 虎ックバック専用機】at 2012年07月06日 19:55
現状では採点不可・・・ 2011年日本映画 監督・成島出 ネタバレあり
映画評「八日目の蝉」(地上波大幅カット版)【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2012年07月15日 10:44
 昨日は、2本紹介すると張り切っておりましたが、マッサージチェアの気持ちよさについうとうとしてしまいました。申し訳ありませんでした ...... ( 〃..)ノ ハンセイ 。では、本
八日目の蝉 : ジーン(´・ω・`*)感動・・・【こんな映画観たよ!-あらすじと感想-】at 2013年01月14日 17:00
この記事へのコメント
こんばんは〜。(たぶんはじめまして)
映画レビューTBセンターからきました。
なんだか、自分のブログにアップした後、いろいろ読んでまだまだ書き足りないみたいな・・。
おっしゃるように、基本が弱いし、とにかく、このキワコの身勝手さが許せないのが一番で、映画観たあと、ひきづっています。
最初、出来心で赤ちゃんを盗む、でも、ああやって、愛情が芽生えてきたら、もっと早く、親元に帰さなくてはならなかったはず。
エリナとチグサを思って、泣きました。
Posted by mariyon at 2011年05月06日 21:46
>キワコの身勝手さが許せない

私は許せちゃうんですよ。あんな夫婦に育てられるくらいなら、希和子に育てられた方がヨカッタ。
Posted by 佐藤秀 at 2011年05月07日 22:48