2011年05月29日

プリンセス トヨトミ3

大阪国八百長説
princesstoyo公式サイト。万城目学原作、鈴木雅之監督、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、和久井映見、中井貴一、笹野高史、江守徹、菊池桃子、平田満、玉木宏。万城目原作物は「鴨川ホルモー」以来。表には出て来ない地方公共団体の所謂裏金が実は文字通り地下に潜っていた、というお話と歴史ロマンがコラボした感じ。しかし、この大阪国自体が壮大な八百長ではという疑念が湧いてくる。
大阪にやって来る会計検査院松平元(堤真一)と鳥居忠子(綾瀬はるか)は名前からして徳川側だ。徳川家康の若い頃の名前は松平元康、鳥居とは代々徳川に仕えた鳥居忠吉ら家臣の家名だ。故にこれは現代の大阪夏の陣。旭(岡田将生)も恐らく豊臣秀吉の異父妹とされる朝日姫から採られているようだ。朝日姫は秀吉が家康を懐柔するために強制的に夫と離縁させられ、家康の正室として嫁がされたのだから、まあ、そういう立場だ。元々豊臣家と徳川家は政略的血縁作りをしていたのだ。それを踏まえると――。
補助金が年間5億円というのは「大阪国」としては結構お安いなあ、という感じがする。思わずそれぐらいなら目をつぶれよ、と思ったのだけれど、案の定というか。恐らく大阪城下まで続く高級ホテルの廊下のような豪奢なトンネルと、あの意味不明な国会議事堂(なぜ首相官邸じゃないのだろう?)。単に「無駄な公共投資」を戯画化しただけのことなのだろうけれど、それを結局見なかったことにした会計検査院も現実のパロディなのかとか。
なぜ新幹線から富士山麓に十字架が林立する幻影を鳥居、さらに松平までもと、徳川系の人間だけが十字架を見てしまうのか。禁止されたキリシタンの呪いなのだろうか。徳川家ゆかりの駿府城を通過する辺りから幻影バージョンになったとしたら、確かに富士山麓には高圧電線の鉄塔が並んでいるから、それが十字架に見えるというのはアリなんだろう。
恐らく、この幻影自体は時空をつなぐもので、あろうことかラストで豊臣秀頼の子供、国松を洞穴まで追い詰めるのはどうも松平のご先祖様のようだ。あの甲冑男は堤真一の一人二役なのは丸わかり。要するに現代の松平も同じことしているのだ。大阪国は明治になって承認されたとされるが、このラストを見るとどうもあやしくなる。本当は大坂夏の陣以降も徳川幕府によって保護されていた疑いがそこはかとなくする。
そうなると、OJOは本当に茶子(沢木ルカ)なのかとの疑いも出て来る。OJOは本人には自覚がないという設定で、周りが守るということになっているが、茶子は逆に守る側になっている人。女性になりたい大阪国総理大臣首相真田幸一(中井貴一)の息子大輔(森永悠希)がいるが、この子は国松と同じように追手に追いかけられている。ちょっといじめられ過ぎていて、大阪全部が大阪国民だとすると、有り得ないかもしれない。第一、真田家では・・・。
実は国松という幼名は徳川側にもいて、徳川秀忠と大河ドラマ江を両親に持つ徳川忠長がその人。三代将軍になる家光よりも容姿端麗・才気煥発だったそうだが、この人も政争に敗れて自害するという非業の運命を辿っている。何となく、やっていることが茶子ぽいのが気になる。
ひょっとして忠子こそがOJOなのかと思えて来ることがある。自覚がなくノーテンキでミラクルな才能があり、一番お嬢さんらしい振る舞いをしている。豊臣家と徳川家の政略結婚を思い出すべきだ。大体、忠子は大阪で何をしていたかと言えば、お好み焼きとたこ焼きを食べてばっかで旭からは「なぜ連れて来たんです?」と訊ねられる始末。松平が意味ありげな無言を貫いているのは却って怪しい。そもそも松平が知らんぷりの名手なのはラストでも伺える。
OJOは今も徳川側の人質として大阪安定のために使われており、徳川側を偽装した忠子こそその人なのでは。彼女が本当は生粋の大阪人なのではということは食べっぷりで推測がつく。原作では忠子は男性だそうだが別にかまわない。
そもそも新幹線で往復というのも地下道同様、ある種の儀式だったのではないかと思われ、どうも現実の風景と逆様にされている感じがする。富士山を見ている席は3列になっていた筈だが、現実の3列席は太平洋側なので、何か違和感があった。
さらにさらに総理夫婦役の中井と和久井映見、2003年のNHK大河ドラマ「武蔵」でも、徳川家康の側近、柳生宗矩夫婦を演じていた。しかも、柳生宗矩と言えば、大坂の陣で武勲を立てた人物。そんな豊臣家の不倶戴天の敵がなぜ大阪国総理におさまっているのか怪し過ぎる。
ここまで妄想を膨らますと、なんだ全て八百長だあ、国と地方の二重行政のパロディだあ、ということになる。この映画はそもそも妄想自由のようなので、そういうことにしよう。
そして、1年後、妄想自由は想像を絶する事態に発展する。
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   ・・・・・そうだ、                       大 阪 行 こ う 。    
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↑この画像がね、原作の表紙とそっくりで、原作が好きなんだな〜と、愛情感じます(^^) ちなみに原作本はこちら↓そして記事も書いてます。 プリンセス・トヨトミ (文春文庫)(2011/04/08)万城目 学商品詳細...
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監督鈴木雅之 出演堤真一(松平元) 綾瀬はるか(鳥居忠子) 岡田将生(旭ゲーンズブール) 沢木ルカ(橋場茶子) 森永悠希(真田大輔) 映画は「大阪夏の陣」から始まる。 豊臣の一族は次々と殺され、最後の一人である国松は、母に秘密の地下道へと導かれる
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 『プリンセス トヨトミ』をTOHOシネマズ六本木ヒルズで見てきました。 (1)映画を見る前には万城目学氏の原作(文春文庫)を読まずにいて、予告編の感じだけから、実際の映画では大阪が東京支配に反旗をひるがえして反乱を起こすような、とても壮大な物語を見せてくるも...
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万城目学の同名小説を映画化。 会計検査院による調査で大阪人が400年もの間守ってきた秘密が明らかになり、 大阪中を巻き込んだ大騒動が巻き起こるという歴史SF物語。 予告観ただけで楽しみにしてい...
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映画評「プリンセス トヨトミ」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2012年04月21日 09:20
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プリンセス トヨトミ【のほほん便り】at 2012年04月23日 14:00
あらすじ会計検査院の調査官である松平元、鳥居忠子旭ゲーンズブールの3人は、府庁な
『プリンセス トヨトミ』'11・日【虎団Jr. 虎ックバック専用機】at 2012年05月18日 22:39
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この記事へのコメント
確かに妄想炸裂映画でしたねぇ。あの十字架、私も良くわからなかったんですが、何となく最後は徳川=松平が負けたからなのか?なんて思ったりも。でも十字架じゃまずいですしね。
Posted by KLY at 2011年05月30日 22:30
十字架って、忠子が最初言い出すんだから、忠子のミラクルの一部と思いましたけど。実はこの物語自体がミラクル忠子が操っているのだったりして。その意味、一番知らんぷりしてるのは実は忠子?
Posted by 佐藤秀 at 2011年05月30日 23:38