2011年11月19日

アントキノイノチ〜反則すれば何でもできる1

antoki公式サイト。さだまさし原作、瀬々敬久監督。岡田将生、榮倉奈々、松坂桃李、原田泰造、染谷将太、檀れい、鶴見辰吾、柄本明、堀部圭亮、吹越満、津田寛治、宮崎美子。アントニオ猪木→アントキの猪木→2人とも出演していない反則技タイトル。遺品整理業という業者が存在するのは数年前にテレビのニュース特集で見て知った。確か孤独死、無縁社会が社会問題化し始めた頃のこと。
反則技タイトルが影響してか、こんなに人を簡単に殺していいですか? いいです!ってノリになっとらんか。
染谷将太は呆気なく死んでしまい過ぎ。普通、あんな嫌がらせにあれだけ反撃するガッツがあれば死なんだろう。あんな利己的な人間松井(松坂桃李)が協力命の山岳部を続けられるとも思えない。また殺そうと思った主人公杏平(岡田将生)と松井の間にはもっと深いわだかまりが残る筈。顧問の教師(津田寛治)に至っては完全にイカレている。それらを説得するだけのキャラクター描写が皆無。ここら辺りは「未来を生きる君たちへ」とリアリティの度合いが月とスッポンだ。とにかく杏平のトラウマ作りのために高校時代のエピソードが必殺技速攻フルコース過ぎるのだ。
ゆき(榮倉奈々)も最後は唖然とするくらい唐突に死んでしまう。あの死に方は完全な反則技だ。
死体現場クリーニング業を扱った「サンシャイン・クリーニング」は生々しい死体発見現場の現場検証終了直後の仕事だが、本作の遺品整理業は、さらにその後の痕跡をなくし、遺品を処理するのが生業。
なぜ心を閉ざした杏平に父(吹越満)がこんな仕事を紹介するのかもいまいちよく分からない。死に過敏な青年には最も不向きとも思えるのだけれど。死に対する感受性が強いから死者と関われる職業に関わりたくなるというのは、もっともらしいが、プロの世界はどこの業界だって厳しい。いちいち遺品を見てはセンチメンタルに浸っていたのでは仕事にならないだろう。先輩社員佐相(原田泰造)の指南役はいいとして、さらにその指南役のゆきが実はまだプロになりきっていない。定番のリストカット、レイプ体験、はい了解、と観客を納得させようというのはあまりに安易な反則技ではないか。
そもそも転勤したゆきの介護所で入所していた人が死んでなぜ遺品整理業の出番になるのか意味不明だ。介護所内の所持品なんて高がしれているのに介護所に来た夫(柄本明)はなんで自分で処理しようとしないのか訳分からない。反則だ。
ラストのゆきの遺品整理も反則ぽい。ゆきは一応実家と連絡を取れる関係を持っていたから親族が冷たく放置するとは思えない。遺品整理業は引き取り手のいない孤独死や無縁仏が対象だ。いくら元職場仲間だからと言って全てを親族が委託するとは思えない。
海に向かって「元気ですかあ!」の猪木パフォーマンスと遺品整理業というワイドショーネタの合わせ技でちょいとフォークソング一曲作るノリで映画を作って欲しくない。大体、この監督、あの悪名高い「感染列島」の監督なのだ。性懲りもなく安易だ。
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Posted by y0780121 at 16:57│Comments(0)TrackBack(15)clip!邦画アタ行~ | ★1

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