2011年12月19日

サラの鍵3

sarah公式サイト。タチアナ・ド・ロネ原作、原題:ELLE S'APPELAIT SARAH(彼女の名はサラ)、英題:Sarah’s Key。ジル・パケ=ブランネール監督。クリスティン・スコット・トーマス、メリュシーヌ・マヤンス、シャーロット・プートレル、ニエル・アレストラップ、エイダン・クイン。1942年のナチス・ドイツ占領中のフランスで起きたフランス警察によるユダヤ人拉致収容所送り事件のベルディヴ事件を題材に運命に翻弄されたサラ(少女時、メリュジーヌ・マヤンス、成人後シャーロット・プートレル)をジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)が辿る旅が始まる。
そのため、主演は一応ジュリアだが、語り部に過ぎず、実質的にはタイトル通りサラが主役。ストーリーは置いておいてサラ役の女優が両方とも見とれるほど。10歳の少女時代役のメリュジーヌ・マヤンスの美しい眼差しは「ラブリーボーン」の頃、というかさらに遡って、「つぐない」のシアーシャ・ローナンに匹敵するか、それ以上。とにかく目の前に起きる異常事態をじっと凝視する視線が凄い。
sarah続いて成人したシャーロット・プートレル。出演時間はわずかで、台詞すらないのだが、サラの夫の回想にあるように「美しさの裏に秘密を隠した」眼差しを海に向けている。むしろ何もしゃべらないことで忘れがたい印象を与える。
サラは1942年時点で10歳だったのだから現在(2009年)では生きていれば77歳。十分に存命の可能性があるのだからジュリアが燃える筈だ。収容後のサラが住んでいた元ユダヤ人街の古いアパートの部屋を譲り受けたジュリアの義父家族はサラの数多い中で最も悲劇的な瞬間を目の当たりにしていたのだから。
ジュリアはパリ、アメリカ、さらにはイタリアのフィレンツェまで飛ぶのだが、実は家族もユダヤ系であることを隠すためにサラのことをサラの息子にまで秘密にしていた。それはサラ自身が望んでいたことでもあった。そもそも、サラ自身が「隠す」ことで癒しがたいトラウマを受け、さらに隠すことの上塗りを人生で強いられたのだ。そして最後は自ら隠すことも。
それに引き換え、ジュリアが中年になってやっと産めた子供を「サラ」と名付けるのはちょっとやり過ぎな感じがする。ジュリアの持っていた悩みなどサラとは比較にならないのだから。白けるだけだろう。
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Posted by y0780121 at 22:34│Comments(1)TrackBack(21)clip!洋画サ | ★3

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【ELLE S'APPELAIT SARAH】 2011/12/17公開 アメリカ 111分監督:ジル・パケ=ブランネール出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストリュプ、エイダン・クイン、フレデリック・ピエロ ただ、伝えたい。決してあなたを忘...
サラの鍵【新・映画鑑賞★日記・・・】at 2012年07月17日 12:58
「黄色い星の子供たち」 「サラの鍵」 
ヴェル・ディヴ事件の映画2本【Akira's VOICE】at 2013年01月14日 12:13
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2010年フランス映画 監督ジル=パケ・ブランネール ネタバレあり
映画評「サラの鍵」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2013年03月19日 09:57
この記事へのコメント
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今晩は☆彡

メリュジーヌ・マヤンスちゃん、素晴らしい女優さん
ですよね。おっしゃるようにあの瞳、美しいですし、、。
もう言う事なしの名演技だと思います!
Posted by mezzotint at 2012年01月29日 21:15