2012年02月19日

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い1

オスカーを授かったサンドラ・ブロック
ELAIC公式サイト。原題:Extremely Loud & Incredibly Close。ジョナサン・サフラン・フォア原作、スティーヴン・ダルドリー監督、トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、ジェームス・ガンドルフィーニ、ゾーイ・コールドウェル、マックス・フォン・シドー、ヴィオラ・デイヴィス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト。元々アスペルガー症候群らしい9歳の少年オスカー(トーマス・ホーン)が父トーマス(トム・ハンクス)を9.11同時多発テロで失い、PTSDやパニック障害まで併発したらしく、母リンダ(サンドラ・ブロック)は気が気でない。
オスカーが電話に出たがらないのは、対人恐怖症の一種、電話恐怖症によるものらしく、電話をかけている父の絶体絶命の状況を察してのものだけではないらしい。父はその時、崩落寸前のツインタワーにいて、最後の別れをしようと必死だったのだが。しかし、いくら恐怖症でも、他ならぬ愛する父なのだからやっぱり必死で電話に出るだろう。
電話恐怖症は言葉が喋れない老人(マックス・フォン・シドー)と仲良くなることや、文字をヒントに行動することと結びついているようだ。ただ、ドイツ生まれの老人の若い日の記憶、第二次大戦中のドレスデン空爆で両親が死亡、というのはあまりにも「泣いてくれ」本位のご都合主義だ。しかも実は祖父だとは。
オスカーにはアスペルガー症候群らしい異常なまでの数字へのこだわりがあって、起きたことの何分何秒まで記憶している。まるで彼自身が留守番電話のメッセンジャーであるかのようだ。そして、タイトルの通り、「ものすごくうるさくて」、その上、無礼だ。こんな坊主がいたらうざくてしょうがないだろうなあ、と思わせる。実は、このうるささも恐怖心の表れで、まるで泣き叫ぶようにしか喋れないことからきているようだ。パニック障害は橋を渡れない、公共交通機関を利用できないことで表現されており、父親の形見のタンバリンを気を紛らすために鳴らしてやっとしのげるほど。けれど、こんな少年が人探しの冒険に出かけられるのかという不自然さはやっぱり付き纏う。
たまたま父親の遺品探しで上から箱を落としてしまうシーンはツインタワーの崩落と重なっており、オスカーにとって壊れた青い壺は父親の遺体と重なっている。その壺の中にあった袋の中の鍵を父の秘密を解くカギと思い込むのは自然だろう。
ただ、鍵屋に封筒に書かれていた“BLACK”という文字を指摘され、速攻で名字と思いこむのは分からない。普通なら、黒色の金庫用の鍵だと思い、家の中に黒塗りの金庫がないか探すだろう。それに筆跡から見て、父親のものでないとなぜ思わないのか。父と一緒に本や文章を読んでいたオスカーならすぐに父の筆跡であるかないかすぐに分かりそうなものだ。利発そうで鈍いというのがこの種の少年の特徴だとか、都合の悪い事実から目をそらしているだけ、という説明もできるかもしれないが、やはりありえないほど都合が良過ぎる。
ましてや、“BLACK”が結局、黒人夫婦に辿り着くというのは、どう受け止めろ、というのか。ましてやその黒人の父が余命2カ月の病に罹り、その父の遺品を遺品展示会でトーマスが買うとは。結局、“BLACK”と書いたのは死んだ黒人の父ということになり、じゃあ、彼は何のために“BLACK”と記したのか、よく分からなかった。
母はずっとしかとされたまんまで一番気の毒なのだけれど、実はありえないほどオスカーのことを見守っていたことが分かる。まるで突然、「ママは何でも知っている」に変身したかのよう。駄洒落で申し訳ないが、しかとされっ放しのサンドラ・ブロックにこそ助演女優賞のオスカーをあげたいくらい。主演女優賞もらったから、今更それもいいか。
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Posted by y0780121 at 19:25│Comments(2)TrackBack(33)clip!洋画ミ-モ | ★1

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映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」【FREE TIME】at 2012年02月29日 00:14
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 ネットでは感動したという書込が多く、評判上々の作品、ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのレビュー記事です。。
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現在、自家用車を修理に出していて、代車ではどこにも行く気がしないピロEKです どうも最近は車の運転と相性が悪く困っています 前回「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」の前に書いてある近況報告で、福岡に行った話の続きを次回に…と書きましたが、そちら..
【映画】ものすごくうるさくて、ありえないほど近い…タイトルの意味未理解?【ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画】at 2013年02月17日 17:10
この記事へのコメント
初めまして。 時折お名前は各所で拝見しております。
今回、Cartoucheさん訃報記事にてお名前を拝見し、Yahooブロガーさん以外でも彼女のことをご存知の方がいらしたのが非常にうれしく、コメント残させていただきますね。

実は私もこの映画、そんなによかったかなー? という感じです。 普通でした(^_^;)
Posted by rose_chocolat at 2012年02月25日 03:27
Cartoucheさんは1月から嫌な予感してました。本当に風邪は怖いです。油断大敵。残念です。
Posted by 佐藤秀 at 2012年02月25日 15:55