2012年05月14日

貞子3D3

橋下、おまえじゃない!
sadako3D公式サイト。鈴木光司原作、英勉監督。石原さとみ、瀬戸康史、橋本愛、高橋努、染谷将太、高良光莉、山本裕典、田山涼成。「リング(1998)」「らせん(1998)」「リング2(1999)」「リング0 バースデイ(2000)」に続く山村貞子シリーズを3D化。メディアホラー正統派リング系の本作が3D化されるのは必然、その原点は画像から飛び出て来るのだから。やっと現実が貞子に追い付いた。
メディア・ホラーと言えば、スペイン映画ホラーの「REC/レック」シリーズだって「リング」シリーズに影響を受けていると思う。本家が休んでいる間にスペインで蔓延していた。
「リング(1998)」で、
どうせなら放送局のビデオアーカイブに念写ビデオが潜伏していて、それがたまたま深夜に放映されて同時多発的に急死者が大量発生した、という筋書きの方がもっと怖くてスケールの大きいパニックムービーになっていたかも。
と書いていた。本作は放送局と言っても、ネットのニコ生放送だけれど、基本的に私の提案に沿っている(笑)。
しかも死に方も3D化している。最初の犠牲者のバス停でノートパソコン開いていたサラリーマン氏は前に歩き出し、車にはねられる。本人は恐らく急に3D化したパソコン画面に引き込まれた感覚になっているうちに現実空間での遠近感が狂ったかのようだ。学校の生徒も窓を突き破って転落死するが、現実の窓ガラスと画面のガラスが同期しているのは明らか。他にも死者が出るが、現実空間では、唐突な自殺にしか見えないのがミソ。3D妄想空間と現実空間のギャップから生じる事故なのだ。ちなみに原作タイトル「エス」は貞子のイニシャルSのほか、精神分析で無意識的欲望を意味するエスと掛けているようだ。
また貞子シリーズの根源的怨念のテーマがマスコミ報道被害なのだけれど、本作では従来型マスコミは時代のせいか全く現れない。その代わりに現れたのがネットの炎上。その被害者がネットでアートを発表している柏田(山本裕典)。彼がニコ生で自殺シーンを自ら実況中継して視聴者を呪い殺すのだが、放送は削除され、サーバーにも保存されていない。なのに、時々スマホからも街頭画面からも“呪いの動画”がゲリラ的に現れる。また柏田の遺体も発見されていない。
警察は自殺中継現場の家を発見するが、そこの古風で上品な女主人は明らかにリングシリーズから登場していた貞子の母、超能力者志津子だろう。ネットには鈍感でも現場感覚では勘の良い刑事の小磯(田山涼成)は部屋が作り物ぽいことを直観する。つまり、炎上自体が仕掛けということになる。近頃流行りの炎上ビジネスなんちゃって。
で、貞子もそもそも2人に分離されていることが「リング0 バースデイ(2000)」で描かれていた。
貞子、実は人を念じ殺すどころか、人の傷を念じて癒すという真逆の能力があった。しかも、念じ殺す貞子と念じ癒す貞子が途中で分離して2人になったという奇想天外な展開と相成る。
「人の傷を念じて癒す」貞子とは、小学生の時に学校に侵入したきた変質男を悲鳴念力で倒した鮎川茜(成人後の石原さとみ)。茜=貞子も超能力で逆にいじめられ、自殺未遂を図っている。ここでもし既遂だったら、そのままもう一人の貞子と合体することになったのだろう。
もう一人はいまだ井戸に封じ込められている念じ殺す貞子(橋本愛)。井戸はもはやメディアという媒体の化身と理解した方がいいのかもしれない。
橋本愛は「HOME 愛しの座敷わらし」でも、学校で座敷わらしに変身する瞬間芸を披露している。思えば、あの座敷わらしも貞子の長髪顔隠し芸だろう。本作ではなかなかその正体を見せないのだが、その不気味可愛さは既に証明済み。はたして合体するとどうなるのか。
なくてよかったのは、およそゾンビのような貞子コピー怪物がゾロゾロ出て来ること。妄想空間とはいえ、醜さとの対照から貞子の美しさが余計に際立つ効果があっても、美意識を重んじる志津子と貞子の親子にはふさわしくない。
次回作は、「貞子3D2」。フェイスブック絡みだろうか、じゃなかった。スマ4Dだった。
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Posted by y0780121 at 20:55│Comments(1)TrackBack(17)clip!邦画サ | ★3

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もともとテレビから飛び出してくる貞子が3Dになれば、スクリーンから観客に向かってくる。特殊な能力のために生きたまま井戸に捨てられた貞子の怨念は、ニコニコ動画を発端にしてテレビ、スマホ、パソコン、街頭ビジョンと広がっていく。期待通りのホラーになっている。
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単に貞子を3Dで登場させたかっただけでしょとすぐわかる方向性。これ、凄く面白くないですよ。 一週間待ちすることもなく、情報化社会を意識してかネットやスマホから動画閲覧直後に画面から飛び出してくる貞子。普通に怨霊ものとすればまだ良かったのに、貞子である
貞子3D 2Dバージョン【いやいやえん】at 2012年10月05日 09:05
この記事へのコメント
鈴木さんの作品達も劣ってきたか。

まぁ、もしかしたら、↓のサイトの記事も
あながち間違っちゃあいないかも。
http://www.birthday-energy.co.jp

リングは怖かったけどなぁ。
映像が鮮明になりすぎたり、3Dとか使ったりで、
別の意味で興ざめしてしまうかな。
エスは、いままでの本を読んでないと、ツライと
感じる人もいるかも。
Posted by 大蔵 at 2012年05月25日 23:17