2012年06月12日

道〜白磁の人〜3

木訥の精神
hakuji公式サイト。日韓共同製作、江宮隆之原作、高橋伴明監督。吉沢悠、ペ・スビン、酒井若菜、石垣佑磨、塩谷瞬、黒川智花、近野成美、チョン・ダヌ、チョン・スジ、市川亀治郎、堀部圭亮、田中要次、大杉漣、手塚理美。朝鮮半島で植林事業を行う傍ら、朝鮮半島の陶磁器などを研究紹介した山梨県出身の浅川巧(1891〜1931)の生涯を評伝に基づいて描く。
日本の朝鮮統治が始まったばかりの1914年、木訥を絵に描いたような浅川巧(吉沢悠)は荒れた朝鮮の山を植林するために京城(ソウル)に渡る。朝鮮古陶磁の権威、兄の浅川伯教(石垣佑磨)の伝手で朝鮮総督府の農林試験所に就職したのだ。他に朝鮮民族美術館(現・韓国民俗博物館)を設立した柳宗悦(塩谷瞬)もいる。この3人は現実に協力して美術館を作っている。
兄の影響もあってか、すぐに民芸品の素朴で艶やかな白磁が気に入り、職場の同僚、チョンリム(ペ・スビン)に協力してもらって日常生活で使われている白磁を収集する。その白磁と植林技術とが微妙に絡んでいて、植林も元々半島に生えている種を技巧を凝らさずに植える方法が一番良いことを発見する。
さらにこういう地産地消的メソッドは巧の生き方そのものでもある。早速チョンリムから韓国語を習い、半島の文化に同化しようとする。日本軍の横柄さ、朝鮮民族の独立運動弾圧が起きるが、巧は朝鮮の民族服を着て抵抗する。しかし、巧も、日韓の軋轢で板挟みになるチョンリムも政治的に熱い人間ではないようで、素朴な生活感覚を否定する政治が嫌だっただけだろう。あくまでキャッチコピー通り「明日、世界が滅びるとしても、今日、二人は木を植える」のだ。文字通り木訥なのだ。
一方で、病弱の初婚の妻(黒川智花)は娘一人産んだ後、早々に他界。だが二番目の妻(酒井若菜)は職業婦人で近代的な女性像の持ち主のようで、木訥な巧を良く理解し、良妻ぶりを発揮する。酒井若菜の妻ぶりが何とも良い。
ストーリーは最初の妻の死、三・一運動、関東大震災と朝鮮人暴動デマ、再婚、巧自身の死、終戦とちょっと駆け足気味で描かれ、話も分散気味ではある。しかし、主役はやはり植林。オープニングは山梨県の一本の大木、エンディングは現在のソウルに立つ一本の大木で終わる。二本とも巧の性格を表すように高く真っ直ぐ延びている。
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Posted by y0780121 at 20:35│Comments(2)TrackBack(6)clip!邦画ミ-モ | ★3

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製作年度 2012年 製作国・地域 日本 上映時間 119分 原作 江宮隆之 脚本 林民夫 監督 高橋伴明 音楽 安川午朗 出演 吉沢悠/ペ・スビン/酒井若菜/石垣佑磨/手塚理美/堀部圭亮/田中要次/大杉漣 日本に併合された約100年前の朝鮮半島で、荒廃した野山をよみがえらせる...
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この記事へのコメント
全く浅川巧みなる人物を知らなかったんで、その意味では
勉強にもなった作品でした。
ところであのソウルの大木って本当にあるんでしょうか?
見ながらちょっと気になったんですよね。
Posted by KLY at 2012年06月14日 00:54
>ソウルの大木

大木自体は山梨もソウルも合成なんでしょうね。まあ、ソウルだって探せばあるかもしれないけれど、孤木で大木というのはそうないんでしょうね。
Posted by 佐藤秀 at 2012年06月14日 10:00