2012年08月07日

遊星からの物体X ファーストコンタクト3

thething公式サイト。ジョン・W・キャンベルの1938年原作の古典的SFのリメイクのリメイク。原題:The Thing。マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr.監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、アドヴェール・アキノエ=アグバエ、ウルリク・トムセン。1982年作品「遊星からの物体X」(原題は同じ)の前日譚。エンドロールになって1982年作品とぴったり連結される仕様になっている。
南極の氷床の中に約10万年前に墜落していたUFOがノルウェー基地で発見される。原作では2000万年前という設定だそうだが、南極大陸がすっかり氷に覆われたのは500万年前程度なので科学的知見の展開から修正されたようだ。
そう言えば、非科学的な設定もまだ残っている。氷漬けになった宇宙生物(以下、生物)の細胞サンプル採集の後、倉庫で保管されるが、氷が溶ける。暖房でも付けてない限り、南極の夜中に氷が溶けるなんてこと有り得ないだろう。暖房付けていたとしたら、科学者にあるまじき杜撰さだ。サンプル検査がきっかけで生物が蘇生して体温を発し始めたという方がまだ説得力があり、発見した隊員は、生物が氷から飛び出す前に氷が溶け始めていることを発見した時点で驚くべきだった。
基地に派遣された古生物学者のケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は逃げ出した生物が人間の細胞を複製してコピーを作っていることを見抜き、隊員たちに血液検査、並びに人工物は複製できないことから金属製の歯の詰め物の検査をする。これも原典を踏襲しているようだ。「俺はセラミック製だ」と言って口を開けない人もいるが、レントゲン検査すれば分かると思うのだけれど。
とにかく生物の成長が異常に早い。いくら生命力があっても栄養がなければ成長できない筈で、人間一人食って人間のコピーを作るには人間という栄養物以上の栄養を摂取しなければならない筈。基地内の食料庫が荒らされた形跡がない。
まあ、SFホラーと言っても、全体のテーマは閉鎖空間における人間同士の信用、信頼に関わる心理ゲームで、人間社会のメタファーの色彩が強いのだからあまりツッコミ入れてもしょうがない。以下、目に付いた点。
・この宇宙生物は生物自身であのUFOを操作できるのかどうか。わざわざ博士(ウルリク・トムセン)をUFO内に拉致したところを見ると、生物自身は操縦できず、博士の頭脳をコピーして起動させた可能性がある。そうなると、UFO自体生物が作ったものでない可能性がある。彼らは他の星の知的宇宙人に取り付き、このUFOを地球まで操縦させていたのかもしれない。とすると、他の星の知的宇宙人のコピーの痕跡もこのUFO内に隠されている可能性がある。本作は前日譚だが、後日譚を作るとしたらこの線がいいかも。
・では、博士を追ってUFOに侵入したケイトとアメリカ人ヘリコプター操縦士のサム(ジョエル・エドガートン)はどうか。ケイトは危なく生物から逃れ、サムと雪上車に戻る。そして、ふいにケイトはサムを火炎放射機で焼き殺す。サムはヘリ事故の生き残りで、誰もからコピーと疑われていたが、イヤリングを付けていたので本物と認められていた。しかし、位置が違うと言って焼き殺す。しかし、焼いてもサムは生物にもどらなかった。ケイトの勘違いか、ケイト自身がコピーのどちらか。ケイトがコピーなら火炎放射機を使わずサムを感染させる筈だが。
・ケイトは別の雪上車に移動するのだが、その後どうしたかは不明。UFOに戻ったかロシア基地に移動したかどちらかだろう。
・翌朝、ノルウェイの基地にノルウェイのヘリが到着。生物に襲われ、行方不明だったラースがパイロットの歯の検査をしてヘリでコピーだと言う犬を拳銃で追いながら別の基地に向かう。どうも犬は撃たれずアメリカの基地に向かわせるために追い立てられているようでもある。
生物は肉体のコピーばかりでなく、人の知恵のコピーをしていることも明らか。ラースはコピーの筈でいずれパイロットも用事が済めば、コピー化される予感がする
かくして生物は次の基地を攻撃する体勢を整えたことになる。
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Posted by y0780121 at 00:12│Comments(0)TrackBack(5)clip!洋画ヤ行 | ★3

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