2012年10月12日

推理作家ポー 最期の5日間3

犯人は鏡の中のポー?
TheRaven公式サイト。原題:The Raven。ジェームズ・マクティーグ監督、ジョン・キューザック、ルーク・エヴァンス、アリス・イヴ、ブレンダン・グリーソン、ケヴィン・マクナリー、オリヴァー・ジャクソン=コーエン、ジミー・ユイル、パム・フェリス、ブレンダン・コイル、サム・ヘイゼルダイン。原題はエドガー・アラン・ポーの詩「大鴉」(おおがらす、The Raven)から。ポー(ジョン・キューザック)が酒場で飲んだくれている時にこの詩が話題になり、客から“Nevermore”(大鴉が喋れる唯一の言葉)と冷やかされている。
オープニングとラスト付近で大鴉の舞う公園で呆けた顔のポーがおり、その間に見せられるこのポーの作品を真似た連続殺人事件が起きる本作自体がポーの未完の畢生の大作だったという見方もできなくもない。
そもそも現実の事件と見れば、穴だらけで、なぜ犯罪を予告されているのに仮装舞踏会を中止しなかったのか訳が分からない。開いたとしても警官が警戒する中、なぜ安々と犯人とおぼしき仮装の男の闖入を許したのか。混乱の中でポーの恋人エミリー(アリス・イヴ)がさらわれるのだが、いくら何でも無理があり過ぎ。
そればかりか仮面の闖入者、銃撃されても平気で取り調べに応じている。銃撃しても平気というシーン、こればかりか真犯人が教会の屋根からジャンプした時、警官は確かに発砲しているのに犯人は平気で警官の喉を掻き切って逃げる。挙句の果てはポーと真犯人が直接対決した時もポーは撃っているのだが、真犯人にけがなし。状況からして別に威嚇のためだけの発砲とは思えない。挙句にポーはお人好しにも真犯人に拳銃を渡してしまうとは。
この効果のない銃撃、ひょっとしてエミリーの父ハミルトン大尉(ブレンダン・グリーソン)に「娘に近づくな」とポーが拳銃を向けられた体験が物語内物語の中に投影されているかに見える。そうとでも解釈しないと、あの銃の外れっぷりは尋常じゃない。つまるところ、銃はポーに対する世間の敵意のメタファーと考えるしかない。実際、拳銃で負傷らしい負傷をするのはポーの協力者のフィールズ刑事(ルーク・エヴァンス)ぐらいのものだ。
ということは、真犯人はポーを投影した第2のポーなのかと思えて来る。実は真犯人はポーが寄稿している新聞社の植字工。言わば身内。被害者であるポーも加害者である真犯人も同じ活字の世界の人であり、しかもエミリーが監禁されていたのは編集室の床下だった。と言うことは、この物語そのものも活字の中だけの世界であることを暗示している。
最後に拳銃を使うのはフィールズが真犯人を撃つ時だが、その時、真犯人は鏡が割れるように消えてしまう。真犯人そのものが鏡の中の人のようだ。ポーが本当に死ぬのはこの瞬間で、第1、第2のポーが死に本当の“Nevermore”(二度とない)、一度きりの夢のまた夢のような人生が終わる。
このポーと第2のポーを暗示しているものとして、詩の朗読会で夫人が詠む「蝶々と蜜を取るために働く働き蜂が一緒に歌う」という詩があった。創作する芸術家のポーが蝶々で、「機械のように部品として働く働き蜂」は真犯人の植字工ということになる。ただ、いかんせん、なんでこんな回りくどい解釈しなきゃいかんのだろう、とは思う。
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 あれ?公式サイトがなくなってる!いくら何でも早くない?と言うわけで推理作家ポー 最期の5日間を見てきました。
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