2012年12月22日

もうひとりのシェイクスピア4

シェイクスピア=ロンドン塔をゆすれ?
anonymous公式サイト。原題:ANONYMOUS。イギリス=ドイツ。ローランド・エメリッヒ監督、リス・エヴァンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジョエリー・リチャードソン、デヴィッド・シューリス、ゼイヴィア・サミュエル、セバスチャン・アルメストロ、レイフ・スポール、エドワード・ホッグ、ジェイミー・キャンベル・バウアー、デレク・ジャコビ。 古くから論議のあったシェイクスピア別人説の中の第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアー(リス・エヴァンス)説に基づいている。
オープニングから凝っていて、ロンドンの劇場で原題の“ANONYMOUS”という題目の劇が始まりますよ、デレク・ジャコビに告げられて始まり、その劇のオープニングが17世紀初頭のロンドンの劇場。
さらにややこしいことに時代はさらに5年前、さらにさらに40年前に遡り、それらのシーンがあっち行ったりこっち行ったり。その上、リアルなシーンと劇の上のシーンとが混ざり合って、油断するとワケワカメになってしまう。このため年老いたエリザベス1世はヴァネッサ・レッドグレイヴ、若い時はヴァネッサの実娘ジョエリー・リチャードソンなのでそっくりなのはいいとしても。その若いエリザベス1世と情事をする若いオックスフォード役のジェイミー・キャンベル・バウアーに髭を蓄えさせたらオックスフォードに劇の上演を依頼される実在のベン・ジョンソン役のセバスチャン・アルメストロにそっくりな気がしてますます混乱に拍車をかける。ベン・ジョンソンって偽の100メートル陸上世界記録打ち立てた人間で、さらに余計なことまで考えてしまう。
anonymous2途中でオックスフォードが「ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)」というペンネームを作るのだけれど、ひょっとすると怨敵親子の40年前の宰相ウィリアム・セシル(デヴィッド・シューリス)とその息子の宰相ロバート・セシル=ソールズベリー伯(エドワード・ホッグ)とを足したのではないかとも思えて来る。“William”はそのまま父親のファーストネーム。“Shakespeare”は一般的には、“Shake-speare”とハイフンの入った記録もあるのだけれど、“Shake-spire”とすれば、「塔をゆすれ=女王陛下の宮殿、ロンドン塔をゆすれ」になってしまう。
ハイフンの場所を移動すれば“Shakes-peer”=「同等の貴族を揺さぶる」なんて意味じゃないだろうかとも思える。オックスフォードもロバート・セシルもともに伯爵なので同等だ。「劇で憎きロバートを追い落とせ」という意味にならないか。
この言葉遊びを暗示するようにベン・ジョンソンは“ウィリアム・シェイクスピア”に仕立てられた役者(レイフ・スポール)に「EとIの字を書けるか?」とバカにしている。“ウィリアム・シェイクスピア”は台本は読めてもアルファベットを書けない無教養な人間なのだ。原題の“ANONYMOUS”は「匿名」だが、匿名による誹謗中傷は現代のネットの世界でも変わらない。
そもそもオックスフォードの告白では、若い頃、貴族の中で一番の資産家だったが、今や没落貴族で一番貧しい貴族に成り下がっている。対照的にセシル家は、親父のウィリアムは商人か下級貴族の成り上がり。しかもオックスフォードの妻アン(ヘレン・バクセンデール)はウィリアム・セシルの娘で、事実上セシル家が後見人という屈辱なのだ。
そうなると、オックスフォードの作劇、詩への情熱は現実にはうだつの上がらないオックスフォードの心理学で言う代償行動と言えなくもない。芸術は現実の代償とするなら、「ウィリアム・シェイクスピア」はオックスフォードの代理人ということになり、どっちにしても「代用」なのだ。
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