2013年02月28日

草原の椅子1

sougen公式サイト。宮本輝原作、成島出監督。佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子、小池栄子、AKIRA、黒木華、貞光奏風、中村靖日、若村麻由美、井川比佐志。一応、「世界にひとつのプレイブック」に負けないくらい逝っちゃっている人が揃い踏みしている。家庭内不和のてんこ盛りという感じもする。
5歳の息子圭輔(貞光奏風)を縛ってパチンコ三昧の喜多川祐未(小池栄子)、祐未の躁鬱症的な挙動が3.11の「つながり」ネタで、躁状態の時は肯定的に、鬱状態の時は「つながりなんて洗脳ですわね」となる。いや、これ逆なのかもしれないけれど。
灯油ぶっかけられて一瞬「これから焼身自殺します」と電話してきたのかと思ってしまいそうな量販店社長富樫(西村雅彦)。実は別れ話を切り出して愛人にぶっかけられたのだけれど。いや、本当は仕事で付き合いのあるカメラ会社局次長遠間憲太郎(佐藤浩市)にどうしても会いたくて一発芝居をうったのかもしれないけれど。50歳になって俺お前の学生時代風お友達になって欲しいと告白するくらいだから祐未に負けず劣らず逝っちゃっている。
妻とも息子ともおさらばしてトラック運転手になって若い時の自由を回復したい亭主の喜多川秋春(中村靖日)。憲太郎は同居する一人娘の弥生(黒木華)に「お父さん勘が悪い」と言われるけれど、弥生が街で秋春に車で連れて行かれ、アパートで洗濯物干していたら、勘が悪かろうが良かろうが、そう思うだろう。やっぱり娘は視野が狭くて独り善がりということになっちゃう。
シングルファザーの憲太郎は仕事でも家庭でも受身なところが強調されているみたいで、受身のまんま故にかこうした問題大人や問題坊やを含め短期間に一切合財面倒見まくり。こんなことして本当に体がもつのかなあ、と。そもそも、そんな人が離婚前、本当にブイブイ浮気しまくっていたのかなあ、とか。
一方で、東山魁夷 「道」によく似た遠近法を強調したリトグラフらしきものを居間の壁に飾っている憲太郎。あの絵は何度も出て来るが、何か遠い場所に行きたい(逝きたい)という憲太郎の願望が反映されているみたいだ。その延長線上に一人で焼き物店を経営する篠原(吉瀬美智子)がある。この人もバツイチで、もう何でもかんでもバツイチ、離婚のオンパレードでお腹一杯になりそう。焼き物の線で行くと思ったら同じく憲太郎が世話したフリーカメラマンの鍵山(AKIRA)のフンザの自費出版写真集が出て来る。
タイトルの「草原の椅子」はフンザにもあることはあるのだけれど、本物は富樫の実家にある瀬戸内海にある。椅子は瀬戸内海で終わっている話だ。なら、わざわざパキスタンのフンザに出かける必然性あるのかと思う。そもそも“桃源郷”フンザってバブル時代あたりから海外旅行マニアに注目された場所なのだけれど、ビン・ラディン討伐でアフガニスタンをアメリカが攻撃してから今はあまり行かれなくなったようだ。桃源郷というより逃避郷ぽいところもある。ブームなら今はブータンだろう。
フンザの子供たちの目が皆輝いていて圭輔とすぐ仲良くなる、って都合が良過ぎる展開。あそこら辺の子供たちって日本人観光客見れば物乞いしないのだろうか。それから人の目に星を見て運命を予言するという老人、どうも日本人バックパッカーの間ではフンザの名物おじさんとしてかなり有名らしいハイダーおじさんだろうか。ネットで写真見たらそっくりだった。
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Posted by y0780121 at 21:02│Comments(0)TrackBack(10)clip!邦画ス-ソ | ★1

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