2013年05月29日

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命3

世代をまたぐ不正の清算
Schenectady公式サイト。原題:The Place Beyond the Pines。デレク・シアンフランス監督、ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、エヴァ・メンデス、レイ・リオッタ、ローズ・バーン、マハーシャラ・アリ、ベン・メンデルソーン、デイン・デハーン、エモリー・コーエン。原題は先住民モホーク族の言葉スケネクタディ(Schenectady)の地名の意味、「松の木々の向こう側」の英訳から採られているが、“pine”には「後悔」、「悲嘆」という意味もあり、掛けられているようだ。
ちなみに「脳内ニューヨーク」の原題、“SYNECDOCHE,NEW YORK”はそのSchenectadyの洒落で提喩という意味だった。
主演だと思っていたゴズリングのルークが死んでからの方がどちらかと言えば盛り上がる。問題はルークを殺したアヴェリー(ブラッドリー・クーパー)が最初から警察のワル仲間に言われるまま殺したのかどうか。連続銀行強盗のルークを殺してヒーロー扱いされるアヴェリーに検事が執拗に尋問するが、あやふやなまま正当防衛が成立する。日本風に言えば「発砲は適切だった」ことになるのだけれど、かなり微妙。
アヴェリーは既に仲間うちで行動していたようだが、後でアヴェリーが赤ちゃん用ベッドに隠していたカネ500ドルを恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)に返しに行っている。本来なら、これだって銀行強盗による盗んだカネと推定されるので警察官としてはあるまじき行動。この時点でアヴェリーの「正義」は相当歪んでいる。だから仲間の麻薬横流し告発プラス出世要求も自然に歪んだ正義になっている。
そして、この不正は親子にも受け継がれる。既に2人とも同じ年齢の赤ちゃんがいたのでネタバレなのだが、15年後、どちらかと言えば州検事に当選したアヴェリーの息子AJ(エモリー・コーエン)よりもルークの息子ジェイソン(デイン・デハーン)の正義の方が歪んでいない。それは育ての父親がルークではなく実直なコフィ(マハーシャラ・アリ)だったからだろうとは推測できる。何か親子二代に渡る「上からの不正」と「下からの不正」の戦いがあるようだ。
父の過去を知ったジェイソンは父が行ったようにAJの右脚を銃で打ち、アヴェリーに「松林」の中で「後悔」させて500ドルを奪う。アヴェリーは後悔してまだ500ドルを持ったままだったのだ。マウンテンバイクで松林を抜け、父親の「下からの不正」仲間、ロビン(ベン・メンデルソーン)から修理した父のバイクを500ドルで買い取る。ここで真の清算が成立する。
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Posted by y0780121 at 21:04│Comments(0)TrackBack(9)clip!洋画ピ-ポ | ★3

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