2013年10月02日

クロニクル〜プラトンの洞窟=映画館!?5

chronicle公式サイト。原題:Chronicle。ジョシュ・トランク監督、デイン・デハーン、アレックス・ラッセル、マイケル・B・ジョーダン、マイケル・ケリー、アシュリー・ヒンショウ、アンナ・ウッド、ボー・ピーターソン。SF、エスパー、アメコミヒーローの原点のような青春の鬱屈が爆発する。しかし、中身は映画哲学を表現しているようで、どこか発想が「リセット」に似ている。
シアトルの3人の高校生アンドリュー(デイン・デハーン)、従兄弟のマット(アレックス・ラッセル)、政治家志望のスティーヴ(マイケル・B・ジョーダン)が空き地に開いていた穴を探索する。アンドリューはハンディカメラを持って撮影しながら入る。そこは洞窟で、奥に巨大な石英のような物質があり、どうも放射線が出ているらしい。カメラの映像も乱れ始め、消えてしまう。
その後、3人は何事もなかったように地上に戻り、自分たちにテレキネシス能力があることに気付く。テレキネシスもある意味、映画(キネマ)の比喩だろう。
実は、3人が洞窟から生還したのかどうか明らかではない。その後、謎の洞窟は不安定な地盤で崩れて埋まっている。
その前に、哲学好きのマットがプラトンの洞窟の比喩を語っていた。
地下の洞窟に住んでいる人々を想像してみよう。明かりに向かって洞窟の幅いっぱいの通路が入口まで達している。人々は、子どもの頃から手足も首も縛られていて動くことができず、ずっと洞窟の奥を見ながら、振り返ることもできない。入口のはるか上方に火が燃えていて、人々をうしろから照らしている。火と人々のあいだに道があり、道に沿って低い壁が作られている。……壁に沿って、いろんな種類の道具、木や石などで作られた人間や動物の像が、壁の上に差し上げられながら運ばれていく。運んでいく人々のなかには、声を出すものもいれば、黙っているものもいる。……

洞窟に住む縛められた人々が見ているのは「実体」の「影」であるが、それを実体だと思い込んでいる。「実体」を運んで行く人々の声が洞窟の奥に反響して、この思い込みは確信に変わる。同じように、われわれが現実に見ているものは、イデアの「影」に過ぎないとプラトンは考える。
この洞窟の比喩って、そのまんま映画館じゃない? 「地下の洞窟に住んでいる人々」は映画館の観客、「入口のはるか上方に火が燃えていて、人々をうしろから照らしている」は映写機の光、「壁」はスクリーン。
chronicle2ということは、3人は永遠に映画館の中に閉じ込められたのではないか。「カメラを置き忘れた」という台詞があった。つまり、あのハンディカメラはずっと映像を記録し続け、その記録映画は洞窟の「壁」で上映されている、といった具合か。すると、アンドリューの持ったハンディカメラの記録装置は「イデア」ということになりやしないか。「イデア」という言葉はギリシャ語で「見られるもの」の意味で、正に映画と関係して来る。そもそもideaとvideoは語源的に同じらしい。
それにしても、この前見た「マン・オブ・スティール」のように派手に建物をぶっ壊してくれる。空中を飛んだり、ある意味、これが本当のスーパーマン・ビギンズの「イデア」なのか。我々が見ている映画のスーパーマンは「影」に過ぎないとか。
さらにプラトンの「イデア」のお勉強。
我々の魂は、かつて天上の世界にいてイデアだけを見て暮らしていたのだが、その汚れのために地上の世界に追放され、肉体(ソーマ)という牢獄(セーマ)に押し込められてしまった。
本作でも、天空を飛ぶシーン(天上)があり、高校生活、荒んだ家庭(地上の世界)があり、「肉体(ソーマ)という牢獄(セーマ)」という洞窟があり、3人は洞窟という牢獄に押し込められている。
ラストでマットが辿り着くのはプラトンも信じた輪廻転生の地、チベットだ。実際には3人とも、それぞれ夢を見ながら洞窟に埋まって死んだのだろうが。
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Posted by y0780121 at 21:26│Comments(0)TrackBack(16)clip!洋画クーコ | ★5

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