2013年11月08日

キャリー(2013)〜報復の連鎖3

いじめと良心の呵責と性と超能力
carrie公式サイト。原題:Carrie。スティーヴン・キング原作、キンバリー・ピアース監督。クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ガブリエラ・ワイルド、ジュディ・グリア、ポーシャ・ダブルデイ、アレックス・ラッセル、アンセル・エルゴート。「キャリー(1976)」のリメイク。原作者のスティーヴン・キングの出世作でもある。
出産→初潮→妊娠。このプロセスがそれぞれ別々の女性によってなされ、まるで超能力は隔世遺伝するかのようだ。キャリー(クロエ・グレース・モレッツ)自身が超能力を隔世遺伝だと母親マーガレット(ジュリアン・ムーア)に言っている。
それにしても、「ビザンチウム」と言い、「ぼくのエリ 200歳の少女」と言い、ヴァンパイアが女性の生殖機能と微妙に絡み合っているが、超能力(テレキネシス)も同じように絡み合っている。そもそもキャリーがいじめに遭うのは象徴的に初潮の遅れによる性的無知になっている。テレキネシスと言えば、「クロニクル」もいじめられた鬱屈が超能力に変化するというお話もあったが、約1名に留まっていた。そもそもいじめられのパワーは孤立が絶対条件の筈で、キャリーは最終的な絶対の孤立感を味わってこそ大爆発させる。
母自身には超能力はない。ただ敬虔過ぎるクリスチャンでセックスに絶対の禁忌の感情を持っている。オープニングでマーガレットが一人で出産するのは、そもそも中絶も禁忌だからだろう。実はマーガレットだって神にいじめまくられている筈なのだが、いじめられていると自覚すらさせないぐらい神のイジメは苛烈。禁忌はほとんどいじめに等しい。
マーガレットは、産み落としたキャリーを、本来なら臍の緒を切るための鋏で殺そうとするが、目を開いたキャリーに阻まれる。マーガレットの良心の呵責とも取れるし、キャリーが生まれながらに超能力を有していたのかとも取れる。けれど、本格的に超能力に目覚めるのは初潮からだろうから、ここは素直に良心の呵責で思いとどまったことにしておく。
思えば「良心の呵責」(キリスト教の懺悔)も本作の重要な要素で、「良心の呵責」が負のエネルギーに逆転すれば、超能力に変換される気配がある。そもそもいじめられる第一歩は「良心の呵責」を持ってしまうことで、いじめに遭わないためには「良心の呵責」をおくびにも出さないことだ。
そして、「良心の呵責」を持ってしまったもう一人の女性、キャリーのクラスメートでとびっきり美人のスー(ガブリエラ・ワイルド)。ちなみにワイルドは英国貴族の子孫だそうだ。しかも、途中で妊娠が発覚し、超能力への「条件」が整う。そもそも、スーがプロム(高校内のダンスパーティ)を恋人の人気ナンバー1男トミー(アンセル・エルゴート)と行く筈だったのをキャリーに譲ったのも「良心の呵責+つわりによる体調不良」からだろう。どこまでも性絡みで動いている。
プロムの惨劇で気になるのは、豚の血バシャーッよりも、みんなぶっ飛びよりも、トミーの頭にバケツが落下したのは偶然かキャリーの超能力が働いたのか微妙なところ。トミーも内心キャリーに同情を寄せていい感じだったのだが、一気に「やっぱりそうだったか」の裏切られパワーに変換したのか。
ラストでキャリーは全てを清算した後、スーに「女の子よ、知らなかった?」と腹をさする。この台詞、「初潮よ、知らなかった?」と皆に言われた屈辱の倍返し的な台詞でもある。スーは唯一生き残った理由にも気付かず、自分の生まれて来る筈の子供にテレキネシスという隔世遺伝の呪いが掛けられたことにも気付いてはいない。続編への布石となるのかどうか。
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Posted by y0780121 at 17:49│Comments(0)TrackBack(21)clip!洋画キ | ★3

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