2013年11月15日

悪の法則〜カーセックスの本当の意味4

counselor公式サイト。原題:The Counselor。コーマック・マッカーシー原作、リドリー・スコット監督、マイケル・ファスベンダー、キャメロン・ディアス、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピット、ルーベン・ブラデス、ロージー・ペレス、サム・スプルエル、ゴラン・ヴィシュニック、ブルーノ・ガンツ。同じマッカーシー原作の「ノーカントリー」は家畜殺し用のキャトルガンでプシュ、プシュの無機的殺人がウリだったが、本作では、窒息プレイの発展型というか、テキサスではお馴染みのウエスタン・ラリアット(西部式投げ縄打ち)の応用編のようなワイアプレイが登場。
殺し方への拘りでは、「アウトレイジ」を想起させるが、まるで殺しをグルメ料理を楽しむ様にマルキナ(キャメロン・ディアス)は「お腹ペコペコ」と言ってのける女シガーのようなサイコパスな役回り。チータを二頭飼うマルキナは動物が行うハンティングの美しさを語り、臆病者はむしろ残酷とも言う。殺人は単に邪魔者を消す手段ではなく、空腹を満たすための御馳走。ここら辺り、“Greed is right.”の「ウォール・ストリート」に通ずるところがあるかな、と思っていたら、案の定、マルキナは投資銀行と絡んでいた。おカネは手段ではなく、おカネをごっそり奪うことがハンティングのように楽しい。
マルキナの弾けっぷりはマルキナ流“カーセックス”で最高潮になる。両脚180度全開、フロントガラスにファックするのを目のあたりにしたマルキナの愛人ライナー(ハビエル・バルデム)曰く、「ナマズ(キャットフィッシュ)みたいだった」と。空腹になれば車も人も分け隔てなくセックス=ハンティングの対象だ。つまりは、相手に対するシンパシーの完全無欠の欠如を気取っている。一応、見る相手がいるから見せつけ行為なのだけれど。ナマズというよりエイリアンのような強欲を感じる。
counselor2メキシコの麻薬カルテルに不用意に絡んでしまった弁護士(マイケル・ファスベンダー)。彼の名前は示されず、ひたすらカウンセラー(顧問弁護士)としか出て来ない。その弁護士も高価なエンゲージリングをローラ(ペネロペ・クルス)に手渡すためにヤバいビジネスに手を染めたのが運の尽き。
本作の壮大さは、殺人の芸術性だけでなく、殺され役の大物俳優の壮観さもウリ。バルデムが呆気なく殺され、ペネロペも粗大ゴミ扱い。抜け目なく逃亡したつもりのブラピはボリトーという一番芸術的な殺され方をする。それにしても、いくら女好きといえ、必死の逃亡の筈なのにあれだけ脇甘くするもんだろうか。
救いを求める弁護士に麻薬カルテルの大物幹部ヘフェ(ルーベン・ブラデス)は生と死を巡るニヒリズムと人生の選択の不可逆性の哲学を語り、要するに救済を拒否される。まるで大物幹部が教会の牧師様のような人格者に見えてしまう。実際、本作では本物の神父も登場するが、実質の“神父”は彼なのだろう。
カルテルには黒幕と呼べる人間はおらず、アルカーイダのようなバクテリア的システムのようで“黒幕”を殺しても崩壊しない。真の“黒幕”は「悪」そのもので、彼らはこの世にない「原理主義的悪」という神の信徒と言うしかない。その“教理”は真相とか真実とか事実のようなものは、ある解釈がなされた時点で別世界のもので我関せず、世界の解釈権は常にこちら側にあるというものか。
ほうほうの体で逃げる弁護士は、治安の悪いメキシコのバーの店主に「ここでは、人の命なんて意味がないと思われている」と言われ、絶望するが、街で自分が弁護した殺人容疑者ルース(ロージー・ペレス)が集会で演説しているのを見る。彼女だけが“まとも”な殺人者に見えてしまう。
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ランキングクリックしてね ←please click これだけの豪華キャストだけど、話は地味で斬新さもなし。 ペネロペ、キャメロン、ハビエルにブラピ、そしてマイケル・ファスベンダー共演、 リドリー・スコット監督作のクライムサスペンスってことで今...
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悪の法則【銀幕大帝α】at 2014年04月06日 15:24
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【映画】悪の法則…内容もキャメロン・ディアスの顔も怖い名作【ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画】at 2014年07月07日 00:01
「黒幕は誰だ」という煽り広告が全然違う内容の話(黒幕が誰かなんてメインの話ではない)。小難しいと聞いていたが、そうでもなかった。しかも台詞回しがやたらと思わせぶりなのがなんだか嫌な感じだ。一瞬の隙で文言に翻弄されストーリーに追いつけなくなる。 婚約し
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