認知症と幽玄の世界
公式サイト。岡野雄一原作、森崎東監督。岩松了、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、竹中直人、大和田健介、松本若菜、原田知世、宇崎竜童、温水洋一、穂積隆信、澁谷天外、春風ひとみ、原田おさむ、根岸季衣、長澤奈央、大門正明、佐々木すみ江、正司照枝、島かおり、白川和子、サヘル・ローズ、直江喜一、今井ゆうぞう、長内美那子、志茂田景樹。ペコロスはプチオニオンのこと。要は禿げ頭の比喩らしいのだけれど。2020年07月17日
ペコロスの母に会いに行く
「喜劇・女は度胸」「時代屋の女房」など庶民の反骨精神を明るく描いてきた映画監督の森崎東（もりさき・あずま）さんが16日死去した。92歳だった。森崎監督を悼み再アップ。
認知症と幽玄の世界
公式サイト。岡野雄一原作、森崎東監督。岩松了、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、竹中直人、大和田健介、松本若菜、原田知世、宇崎竜童、温水洋一、穂積隆信、澁谷天外、春風ひとみ、原田おさむ、根岸季衣、長澤奈央、大門正明、佐々木すみ江、正司照枝、島かおり、白川和子、サヘル・ローズ、直江喜一、今井ゆうぞう、長内美那子、志茂田景樹。ペコロスはプチオニオンのこと。要は禿げ頭の比喩らしいのだけれど。
認知症と幽玄の世界
公式サイト。岡野雄一原作、森崎東監督。岩松了、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、竹中直人、大和田健介、松本若菜、原田知世、宇崎竜童、温水洋一、穂積隆信、澁谷天外、春風ひとみ、原田おさむ、根岸季衣、長澤奈央、大門正明、佐々木すみ江、正司照枝、島かおり、白川和子、サヘル・ローズ、直江喜一、今井ゆうぞう、長内美那子、志茂田景樹。ペコロスはプチオニオンのこと。要は禿げ頭の比喩らしいのだけれど。89歳のみつえ(赤木春恵)は夫(加瀬亮)と死に別れ、認知症が進行する。現在の記憶と過去の記憶の境目がなくなり、思いは過去へ遡る。
けれど雄一(岩松了)の禿げに反応するのは矛盾していないか。みつえや、あるいは同じ介護施設に預けているこれ見よがしのヅラの本田(竹中直人)の母も禿げ頭を見た途端、記憶が鮮明に蘇るというのはどうだろうか。彼らは認知症患者の記憶が確かな過去にはそんなに禿げてなかった筈で「気付き」のきっかけにはなりえないと思うのだけれど。ヅラを被って気付くとかの方が説得力ありそう。それにしても竹中直人の演技は無用にくどい。誰が見ても分かるのに気にし過ぎ。悪乗りなのか加瀬亮も禿げ、温水洋一も禿げ。「励ます会」(禿げ増す?会)なんて自虐ネタ過ぎるだろう。
若い頃のみつえ演じる原田貴和子と友達のちえこを演じる原田知世は姉妹共演。2人とも長崎市出身だ。原爆投下の日、長崎市内にいたちえこは被曝したようなのだが、みつえがちえこを見つけても逃げるように去っていく。ちえこは事情があって花街にいたらしいのだけれど、負い目を感じたのか。みつえは心配して手紙を書くが、なかなか返事が来ない。
女将(サヘル・ローズ)が残された手紙に気付いて届けるのだけれど、その場所は突堤の先で幽玄の雰囲気が漂う。実は手紙が届いたのも嘘で心中しようとしかけていたみつえを今は亡きちえこが「来るな」と思い留まらせたのではないかと。基本的に長崎ご当地映画なので、原爆に纏わる悲劇は外せない要素なのかも。あるいは原爆病で余命幾許もない「夢千代日記」の物語を少しオマージュしているのかも。
しかし、この雄一の話を聞いていた筈の本田は寝息を立てていた。まるで夢のような話であることがいや増す。祭りの夜にみつえは夫にもちえこにも再会して記念撮影するが、ここら辺りからさらに幽玄色が強まる。
ラストで雄一に押されたみつえ(赤木春恵)の車椅子と若い婦人が押すベビーチェアがすれ違う。若い婦人は若いみつえ(原田貴和子)だった。2人はそろって昔の2人を幻視し、いつの間にか“認知症”を共有している。
Clickで救えるblogがある⇒
けれど雄一(岩松了)の禿げに反応するのは矛盾していないか。みつえや、あるいは同じ介護施設に預けているこれ見よがしのヅラの本田(竹中直人)の母も禿げ頭を見た途端、記憶が鮮明に蘇るというのはどうだろうか。彼らは認知症患者の記憶が確かな過去にはそんなに禿げてなかった筈で「気付き」のきっかけにはなりえないと思うのだけれど。ヅラを被って気付くとかの方が説得力ありそう。それにしても竹中直人の演技は無用にくどい。誰が見ても分かるのに気にし過ぎ。悪乗りなのか加瀬亮も禿げ、温水洋一も禿げ。「励ます会」(禿げ増す?会)なんて自虐ネタ過ぎるだろう。
若い頃のみつえ演じる原田貴和子と友達のちえこを演じる原田知世は姉妹共演。2人とも長崎市出身だ。原爆投下の日、長崎市内にいたちえこは被曝したようなのだが、みつえがちえこを見つけても逃げるように去っていく。ちえこは事情があって花街にいたらしいのだけれど、負い目を感じたのか。みつえは心配して手紙を書くが、なかなか返事が来ない。女将(サヘル・ローズ)が残された手紙に気付いて届けるのだけれど、その場所は突堤の先で幽玄の雰囲気が漂う。実は手紙が届いたのも嘘で心中しようとしかけていたみつえを今は亡きちえこが「来るな」と思い留まらせたのではないかと。基本的に長崎ご当地映画なので、原爆に纏わる悲劇は外せない要素なのかも。あるいは原爆病で余命幾許もない「夢千代日記」の物語を少しオマージュしているのかも。
しかし、この雄一の話を聞いていた筈の本田は寝息を立てていた。まるで夢のような話であることがいや増す。祭りの夜にみつえは夫にもちえこにも再会して記念撮影するが、ここら辺りからさらに幽玄色が強まる。
ラストで雄一に押されたみつえ(赤木春恵)の車椅子と若い婦人が押すベビーチェアがすれ違う。若い婦人は若いみつえ(原田貴和子)だった。2人はそろって昔の2人を幻視し、いつの間にか“認知症”を共有している。
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離婚後、長崎で息子まさき、認知症の母ちゃん・みつえと三人で暮らしている岡野ゆういちは、趣味の漫画や音楽にうつつを抜かすダメサラリーマン。 みつえを一人で家に置いておくことが危なくなってきたため、悩みながらもゆういちはグループホームに預けることを決心する。
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□作品オフィシャルサイト 「ペコロスの母に会いに行く」□監督 森崎 東□原作 岡野雄一□キャスト 岩松 了、赤木春恵、原田貴和子、大和田健介、竹中直人、加瀬 亮、 温水洋一、原田知世、根岸季衣、佐々木すみ江、正司照枝、島かおり、長内美那子■鑑賞
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