2013年12月15日

武士の献立〜和食とオ・モ・テ・ナ・シ3

bushimenu公式サイト。朝原雄三監督、上戸彩、高良健吾、余貴美子、西田敏行、夏川結衣、成海璃子、柄本佑、緒形直人、鹿賀丈史、ふせえり、宮川一朗太、猪野学、海老瀬はな、浜野謙太、笹野高史。「武士の家計簿」に続く加賀藩の刀を使わない武士列伝。舟木伝内(西田敏行)と息子の安信(高良健吾)は実在の人物。
18世紀の加賀藩。と言っても、撮影でロケに使われたのは京都・嵯峨野の天竜寺や大覚寺らしく遠景に愛宕山も見える。ここんとこ何とかならなかったのか。石川県にだって探せば名刹あるだろうに。
まず目に付いたのは石川県輪島市の丸柚餅子(ゆべし)。これが美味しそう。丸柚餅子でなくても柚餅子は多分どこかで食べている筈。本作であちこちに出て来る。
次男の安信は長男の死でいきなり包丁侍にさせられ不満たらたら。しかも思い人の佐代(成海璃子)は剣友の定之進(柄本佑)に譲らざるを得なくなった。代わりに江戸から着た新妻の春(上戸彩)は料理だけが取り柄の糠味噌臭い女房と思い込んでいる。
それにしても女中の身とはいえ、春は加賀藩5代藩主前田吉徳側室の真如院(夏川結衣)の覚えめでたき女性。ちょっとぞんざいに扱い過ぎじゃないか。ましてや吉徳の死後の加賀騒動で定之進も、大槻伝蔵(緒形直人)も、伝蔵と密通していた真如院と累が及ぶとなっては、安信が春を気遣わなければならないのだが、気遣いするのはもっぱら春の方。
春が料理で安信の指南になるのも単に若い頃から両親に料理の手ほどきを受けていたばかりじゃなく、気遣いというオ・モ・テ・ナ・シの基本が出来ていたからだろう。たまに煙たがられても。おまけに世界文化遺産になった和食のツボを心得ていてタイミング良過ぎな感じがする。安信が血気にはやるのを防いだのも春の気遣い。そもそも鶏さえ殺められない夫が本当に決起に参加しても役立たないと見抜いていたのかも。
安信には不満だったろうが、最終的に和食のオ・モ・テ・ナ・シで丸く収まるのは出来過ぎと言えば出来過ぎ。
能登への料理探しの旅は美しい海岸巡り。春が足に血豆を作ってくたびれるシーンがあるが、春自身、この海岸が気に入っていることが後で分かる。思えば、気遣いばかりしていた春が二人きりで何気遣うことなく憩うのはこの旅のみで、この海岸を懐かしがるのは故なきことではない。
真如院も大槻伝蔵も実在の人物。歴史的事実と料理に纏わるフィクションがいい塩梅で味付けになっている。
それにしても、真如院を演じた夏川結衣がいい味を出していた。
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Posted by y0780121 at 20:18│Comments(0)TrackBack(11)clip!邦画バ行 | ★3

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