2014年01月28日

オンリー・ゴッド〜正義の逆転3

onlygod公式サイト。英題:Only God Forgives。デンマーク=フランス。ニコラス・ウィンディング・レフン監督、ライアン・ゴズリング、クリスティン・スコット・トーマス、ヴィタヤ・パンスリンガム、ラター・ポーガーム、ゴードン・ブラウン、トム・バーク。「ドライヴ」以来のレフン&ゴズリングのコンビ。タイ・バンコクの裏社会でムエタイのジムを経営しながら麻薬取引をしているアメリカ白人兄弟に地元の超人警察官が立ち向かう。
このような新興国でのストーリーは普通、アメリカ人、白人が正義、地元の「堕落した」警察官が敵役、もしくは雑魚役というのが欧米映画の通例だったが、本作はそんなお約束を徹底否定する。
正義のヒーロー刑事・チャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)はムエタイの上級者らしく、東南アジアの伝統の剣、ダーの名手でもあるらしい。どうも、ヒンズー教の悪魔カリっぽい。タイは仏教国だが、ヒンズー教の影響が色濃く反映されている。正義の拳と正義の剣。タイ地元の映画にありそうな展開を白人側がコピーしているかのようだ。
堕落しているのは麻薬密売一家の白人。これが事実で変えようがない。未成年売春少女を殺害した兄ビリー(トム・バーク)を警察が逮捕し、少女の父親に復讐を許したうえ、娘に売春させた罰として父親の片手をダーで切るチャンは“復讐の天使”と呼ばれているからチャンそのものが“神”ではなさそうだが、法律よりも上の正義な人だ。
ところが、弟のジュリアン(ライアン・ゴズリング)も“正義”の人で、兄には殺される理由があったとして犯人を殺さない。
やがて兄の死体を確かめにきた密売ファミリーの首領でもある母クリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)は大金で殺し屋を雇うのだが、殺し屋はチャンに返り討ちされる。ジュリアンも一対一の武器を使わない決闘でチャンにコテンパにやられる。
クリスタルはジュリアンの恋人と紹介した娼婦マイ(ラター・ポーガーム)も侮蔑し、出来の悪いと感じたジュリアンを堕胎しようかとさえ考えていたとジュリアンも侮蔑する。こっちはまるでカーリー神のよう。兄弟的には何かカインの兄弟の変奏みたいで、クリスタルは兄弟にとっての神。何かマハーバーラタと聖書がコラボしたような雰囲気がないでもない。
しかし、その神も悪魔のような正義の様なチャンに容赦なく斬り殺される。ジュリアンは復讐するかのように殺された母の腹を切り裂いて自分の手首を入れる。しかし、その手首もチャンによって手首切断の刑に。ラストは幻想なのかどうか定かでないが。結局、神って、壁に飾ってある虎なのか。
裏社会は徹底的に血のような赤に染まる映像。ジュリアンの動作はタイの舞踊のようにスロウな動きだ。反面、カラオケで正義の凱歌を唱えるチャンは、日本的には脱力な凱歌なのだけれど、これはこれで美しき神話なのかもしれない。
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Posted by y0780121 at 18:55│Comments(0)TrackBack(15)clip!洋画オ | ★3

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Only God Forgives なのである。いや、確かにこのニコラス・ウィンディング・レフン監督の「ドライヴ」は秀作だった。ライアン・コズリングがカッコいいのもよく判った。しかし、なんなのでしょうか。「賛否両論な作品」らしいが、大きく息を吸い込んでから言いたい事がある
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