2014年02月12日

メイジーの瞳〜新解釈・この親にしてこの子3

Maisie公式サイト。原題:What Maisie Knew。ヘンリー・ジェームズ原作、スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル監督。ジュリアン・ムーア、アレクサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール、ジョアンナ・ヴァンダーハム、スティーヴ・クーガン。パパ、アートディーラーのビール(スティーヴ・クーガン)とママのロック歌手スザンナ(ジュリアン・ムーア)は離婚してしまい、ニューヨークに住む6歳のメイジー(オナタ・アプリール)は“盥回し”されることに。
10日ごとの回され方が凄い。離婚したビールはメイジーのベビーシッターのマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)と同棲するようになり、マーゴが“ママ”としてメイジーの“ベビーシッター”をする。スザンナはスザンナでバーテンダーのリンカーン(アレクサンダー・スカルスガルド)と同棲し、ロックツアーで家を開ける時はリンカーンにベビーシッターを頼む。
本作ではメイジーを巡って“職業格差”が浮き彫りにされる。離婚した夫婦は一応社会の上層で活躍している。一方でマーゴもリンカーンも下層グループだ。スザンナはバーテンダーのリンカーンを仕事時間が逆だからメイジーを世話してもらうのに都合が良かったと言って悪びれない。ビールはリンカーンを見るや上から目線丸出し。要は2人ともそれぞれの新パートナーを召使い扱いしている。
スザンナはメイジーの世話をするマーゴをストーカー呼ばわりし、リンカーンに対しても「娘に取り入れる気?」などと、もはや誰も信じない風情。メイジー自身が感化されて「おカネ稼げない仕事、学校の先生、消防士・・・それからバーテンダーも」なんて学習してしまう。
結果、メイジーはマーゴとリンカーンが協力し合って世話するのだが、マーゴはリンカーンに対しても「私が暇だからと思って」と愚痴り、メイジーに安息の地はない。
メイジーはメイジーで4人の情報の中継点になっている。4人ともメイジーは大人の痴話喧嘩を理解している筈がないと思い込んでいるから、メイジーがいる前で情報はダダ漏れ。メイジーはこれは言っちゃまずいとか思わないのか、それとも計算ずくで言っているのかベラベラ喋る。いや、メイジーはマーゴに「妻の振りしているの?」とか結構キツイこと言ってマーゴを傷つけたり、かなり分かっている。
保育園でも「私のパパとママも」とか他の園児ともしっかり情報交換していて、自分の置かれた立場をそれなりに社会的文脈の中で考えているようだ。このために、メイジーは4人に悪感情を持たない。世の中、そんなものだと理解して、無理矢理ではなく4人とも好きでいていいのだ、とメイジーなりに世間というものを咀嚼しているようだ。
だからと言って、ビールが「ロンドンの方が仕事し易い、一緒に来ないか」と言われても無言で拒否する。スザンナに「誰がママだか分からなくなったの?」と連れて行かれそうになっても妥協しない。明日、マーゴやリンカーンと約束したボート乗りを反故にしてはいけないと自らの意志で判断する。
メイジーはこのままマーゴとリンカーンの娘になってしまいそうな気配で終わるが、そうではないだろう。メイジーは4人とも愛しているのだから。長所も欠点も含めて。
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Posted by y0780121 at 19:55│Comments(0)TrackBack(10)clip!洋画ミ-モ | ★3

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