2014年02月15日

17歳〜社会性を免れた性を目指して3

young&beautiful公式サイト。フランス映画。原題:Jeune & Jolie。英題:Young & Beautiful。フランソワ・オゾン監督、マリーヌ・ヴァクト、ジェラルディン・ペラス、フレデリック・ピエロ、ファンタン・ラヴァ、ヨハン・レイセン、シャーロット・ランプリング、リュカ・プリゾール。海岸の浜辺で寝そべる17歳の高校生イザベル(マリーヌ・ヴァクト)は鋭利な刃物のような美しい目をしている。あまりに鋭利過ぎて「まとも」な男性では満たされないのか。
夏休みの浜辺でのバカンス。絵に描いたようなドイツ系の好青年フェリックス(リュカ・プリゾール)といい関係になり、実際、夜の浜辺で抱き合うシーンがあるのだけれど、もう一人のイザベルがそばから2人が抱き合うのをじっと見つめている。これは妄想シーンなのか、処女を平凡な好青年に捧げてしまったことへの嫌悪なのか。
なぜかまともな恋人同士にふさわしい青年というありきたりな、敷かれたレイルに乗っかるのが嫌そうなイザベル。この「ふさわしい」というのは、社会的承認が可能な「ふさわしい」であって、イザベルにはこうした社会性溢れた善男善女的な男女関係に抵抗を感じているようだ。退屈な大人から逃れる術はないのだろうか。
パリにもどり、日本風に言えば援助交際のようなことを始めるのだけれど、初期の援交と同様、金銭目的というよりも、「ここではないどこか」に行きたいという退屈な現実社会からの逃避、というよりも跳躍を感じさせる。いずれも年上の男性で、思えば、イザベルの相手をする男性も、イザベルとベッドをともにしている間は社会性を削ぎ落している。
特に昵懇になったのはもうお爺さんと言っていいくらいのジョルジュ(ヨハン・レイセン)。この老人は既に存在そのものから「社会性」が剥ぎ落とされているからこそ気が合うのかも。もうジョルジュは既に「ここではないどこか」にいる人間。ところが、剥ぎ落とされ過ぎていたのが仇になってジョルジュは最中に昇天してしまう。本当に「ここではないどこか」へ逝ってしまった。
この結果、イザベルの秘密は両親の知るところとなり、警察が取り調べて精神科医の監察まで受けることになるのだが。動機の奥にはフランクな母シルビー(ジェラルディン・ペラス)、何事にも波風を立てたくなさそうな継父のパトリック(フレデリック・ピエロ)の一見仲の良い夫婦が仮面夫婦ぽく見えること、遠くにいる実父はきっちりプレゼントを送ってくれるがその割に顔を出さずに儀礼的なことなどなど色々と考えられないワケでもない。けれど、根本原因は既にバッチリ成熟したイザベルのボディだろう。持て余した美しさをどこかへぶつけて壁のあちら側に行きたかったのだろう。
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Posted by y0780121 at 20:39│Comments(0)TrackBack(7)clip!映画数字 | ★3

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