2014年02月18日

大統領の執事の涙2

結局、全てはバラク・オバマのために
butler公式サイト。原題:The Butler。リー・ダニエルズ監督、フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー、デヴィッド・オイェロウォ、マライア・キャリー、デヴィッド・バナー、ロビン・ウィリアムズ、ジェームズ・マースデン、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ、キューバ・グッディング・Jr、テレンス・ハワード、レニー・クラヴィッツ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、アラン・リックマン、リーヴ・シュレイバー、クラレンス・ウィリアムズ三世、ヤヤ・アラフィア、ミンカ・ケリー、ネルサン・エリス、アレックス・ペティファー。実話ベースというより実在の人物ユージン・アレンをモデルにして脚色、アメリカ黒人解放史に仕立てられた。ケネディ駐日大使までキャロラインちゃんとして登場し、色々な意味でオールスター。
1920年代の主人公セシル(フォレスト・ウィテカー)の少年時代、母(マライア・キャリー)が不遜な農園主(アレックス・ペティファー)にレイプされ、抗議した父(デヴィッド・バナー)はその場で射殺される。ちょっと絵に描いたような無惨さ。実は絵に描いたような展開はラストまで続く。
セシルがホワイトハウスの給仕に行く前のケーキ屋のおやじ、メイナード役のクラレンス・ウィリアムズ三世が実に渋い演技をしてくれる。「空気になれ」とか「二種類の顔を作れ」とか白人社会サバイバル術を教える。実際、その後のセシルは本当に空気のような存在になってしまう。
1950年代に入って最初に仕えるアイゼンハワー(ロビン・ウィリアムズ)には声を掛けられるまで話さない。「君の息子も統合学校に行っているのか」と聞かれて「はい」と答え、アイクは黒人登校を拒否する学校に軍隊を仕向ける。もちろん、セシルの意見に従ったわけではないのだけれど。
次のジョン・F・ケネディ(ジェームズ・マースデン)はちょっと軽すぎないか。あれじゃ大統領と言うよりもケネディ課長だ。そもそもその時点でセシルの長男ルイス(デヴィッド・オイェロウォ)は既に公民権運動で何度も逮捕されていて、ホワイトハウスはセシルに何も言わなかったのか、と思える。今でいえばテロリストの父がホワイトハウスで働いている感じ。いくら架空の設定といえ、不自然だ。二男はベトナム出兵で戦死というのも絵に描いたような設定。
いつの間にかセシルは主人公としても空気のような存在になり、ルイスは今度は南アフリカのマンデラ解放運動に携わり、南ア政府に何もしようとしないレーガン(アラン・リックマン)を非難し、総花的がさらに総花的に。
計7人の大統領のうち、存命のカーターは流石に出てこない。そして、全体的にみんな余り似ていないし、意図的なのかどうか威厳を感じさせない。それは最後の大トリ、バラク・オバマをより輝かしくさせるための演出なのかどうか。実は本作の原作もオバマが2008年の大統領当選直後にワシントンポストに掲載された記事による。
実際にはオバマは白人とのハーフで黒人の親はケニア出身で、アメリカで差別され続けていた黒人の子孫でもなんでもない。その点、先の都知事選で原発即ゼロのシンボルとして祭り上げられた細川護煕と同様、オバマもまたシンボルなのだ。
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Posted by y0780121 at 21:03│Comments(3)TrackBack(20)clip!洋画ダ | ★2

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【概略】 ホワイトハウスで7人の大統領に仕えた黒人執事の視点から、揺れ動くアメリカとその時代に翻弄される家族の物語を、実話をベースに描く。 ドラマ 非暴力による誇りと戦い。 早足で中途半端な感じは否めない。黒人の虐げられてきた歴史や、歴代大統領の事な
大統領の執事の涙【いやいやえん】at 2014年11月11日 08:15
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映画評「大統領の執事の涙」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2015年03月23日 10:40
大統領の執事の涙 [DVD](2014/08/15)フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー 他商品詳細を見る 【THE BUTLER】 制作国:アメリカ  制作年:2013年 綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィ テカー)。ホテルのボーイとなっ
大統領の執事の涙【miaのmovie★DIARY】at 2015年04月22日 15:37
原題 THE BUTLER2013年 アメリカ アメリカ・ホワイトハウスでアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガンの7人の大統領に仕えた黒人執事・セシル(フォレスト・ウィテカー)の物語 実話に基づいているそうです 1926年、...
映画・大統領の執事の涙【読書と映画とガーデニング】at 2016年02月20日 15:15
この記事へのコメント
お早うございます。

貴エントリの本旨とは無関係のごくごくつまらない点で恐縮ながら、「ケーキ屋のおやじ、メイナード役のクラレンス・ウィリアムズ三世」とありますが、公式サイトのcast profileでは、クラレンス・ウィリアムズ三世が扮するメイナードは「若きセシルに仕事を与えた、ホテルの執事」と記載されています。
また、「計7人の大統領のうち、存命のカーターは流石に出てこない」とありますが、亡くなっているフォード大統領も本人の画像でしか出てきません。
(「あれじゃ大統領と言うよりもケンディ課長だ」は「ケネディ課長」のインプットミスでしょう)

なお、当方のブログ記事にいただきました貴コメントに対し、「的外れ」な反論かもしれませんが、拙コメントをアップいたしましたので、再度ご批判を賜れば幸いです。

Posted by クマネズミ at 2014年02月23日 07:41
> 貴エントリの本旨とは無関係のごくごくつまらない点で恐縮ながら、「ケーキ屋のおやじ、メイナード役のクラレンス・ウィリアムズ三世」とありますが、公式サイトのcast profileでは、クラレンス・ウィリアムズ三世が扮するメイナードは「若きセシルに仕事を与えた、ホテルの執事」と記載されています。

いや、「ケーキ屋のおやじ」の方が分かりやすいと思いました。映画観た人はその方が分かりやすいですし。

> また、「計7人の大統領のうち、存命のカーターは流石に出てこない」とありますが、亡くなっているフォード大統領も本人の画像でしか出てきません。

あれれ、そうでしたっけ。いや、そうだった。けれど、カーターは時系列的に出てきましたっけ?

> (「あれじゃ大統領と言うよりもケンディ課長だ」は「ケネディ課長」のインプットミスでしょう)

ご指摘どうも。修正しました。
Posted by 佐藤秀 at 2014年02月23日 10:23
つまらないコメントにご回答いただき、誠にありがとうございます。
悪乗りして今一度こだわらせていただくと、確かに、セシルが窓ガラスを破るのは「ケーキ屋」の方がわかりやすいかもしれないものの、ワシントンD.C.のホテルでの仕事の口について、メイナードが「自分はもう歳だから、代わりにお前を推薦したよ」とセシルに言うのも、彼がホテルの執事だから理解できるのではと思いました。
また、フォード大統領とカーター大統領については、同一画面の上下に写真入で映し出されたように思います(いわば時系列的に)。
Posted by クマネズミ at 2014年02月23日 15:39