2014年04月09日

ウォルト・ディズニーの約束3

アイルランドとカリフォルニアの相性の問題
SMB公式サイト。原題:Saving Mr. Banks。ジョン・リー・ハンコック監督、エマ・トンプソン、トム・ハンクス、コリン・ファレル、アニー・ローズ・バックリー、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットフォード、ルース・ウィルソン、メラニー・パクソン、ルース・ウィルソン、B・J・ノヴァク、レイチェル・グリフィス、キャシー・ベイカー、メラニー・パクソン 。ミュージカル「メリー・ポピンズ」(1964)の作者パメラ・トラヴァース(エマ・トンプソン)の自伝的要素と映画化のオファーをめぐるウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)とのすったもんだ。
原題は「銀行にお金を預ける」と「バンクスさんを助ける」とが掛けられている。バンクスとは、家政婦メリー・ポピンズが働く銀行員のバンクス家のことだが、同時にオーストラリアの地方で銀行員を勤め、アルコール依存症で死亡したパメラの父、トラヴァース・ゴフ(コリン・ファレル)のこと。彼女の「トラヴァース」は父の名から採ったペンネームなので、ある意味ネタバレ。叔母のエリー(レイチェル・グリフィス)がポピンズのモデルであることも分かる。
パメラの書斎に置いてあった神秘思想家ゲオルギイ・グルジエフの本。これはアイルランド出身の父(ファレルもアイルランド人)が言っていたケルト人の「世界は幻想だ」という宗教観に通じているようだ。幼いパメラ(アニー・ローズ・バックリー)が作った詩も「イェイツ(アイルランドの詩人)に比べればまだまだ」と突き返すほど。イェイツも神秘思想の影響を受けている。その意味で父こそパメラの文学の師匠だ。
父がオーストラリアで引っ越した先も寂しいアイルランドぽい田舎に見える。厭世的で、お金のことなんて本当は嫌いなのに仕方なく銀行で働いている風情だ。
パメラは父の影響で人生の悲しさを童話のメリー・ポピンズに託したのだが、ディズニーと相性が合わない。最大の謎はなぜパメラがアニメを嫌うのか。アニメと父の「世界は幻想だ」と紙一重で相性が合う筈なのだが。彼女が梨を嫌がり、赤い色は映画で御法度なのは見ていて分かるが、なぜアニメのペンギンは駄目なのか。ただ軽薄なだけなのか。確かにアニメはアイルランド風「悲しみの深さ」は表わしにくいのかもしれない。パメラは映画化承諾後も、その点については快く思っていない節がある。ディズニーランドに初めて強引に連れて行かれても楽しんでいるようにも見えない。ミュージカルも拒否していたが、何となく妥協した感じだ。本当は最後まで嫌だったのだろうか。
オープニングに出てくるが、パメラはカネに困っていた。父の嫌っていたカネの世界から逆襲を受けていたのだ。ディズニーはある意味一番の弱点をついていた。ディズニーもまた若いころ、カネに困っていたのでそこらあたりはよく分かるのだ。
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Posted by y0780121 at 22:56│Comments(1)TrackBack(17)clip!洋画ウ | ★3

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この記事へのコメント
アニメは、現実のものではないことをあからさまに表すものであるからではないでしょうか。
Posted by ジュヤ at 2014年08月13日 11:13