2014年05月15日

ブルージャスミン3

モテ過ぎて自立できなかった女性の悲劇
bluejasmine公式サイト。原題:Blue Jasmine。ウディ・アレン監督。ケイト・ブランシェット、アレック・ボールドウィン、ルイス・C・K、ボビー・カナヴェイル、アンドリュー・ダイス・クレイ、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード、マイケル・スタールバーグ。「ワタシこれでオスカー取りました」のケイト・ブランシェット、本作で初めて米アカデミー主演女優賞受賞って、とっくの昔に取っていると思い込んでいた。「バンディッツ(2001)」以来、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」などなど、この人が出ていれば確実に★ひとつグレードアップする当代最強女優と思っていたので。
本作は実話をベース(この手の実話、アメリカでは掃いて捨てるほどありそう)にしていて、一見、零落したジャスミン(ケイト・ブランシェット)がセレブ生活を忘れられない痛い女のように見えるけれど、自立し損なってキャリアを積み損ねた女性に見える。大学で人類学を専攻しようとした時に卒業1年前に金融ビジネスマンのハル(アレック・ボールドウィン)に“引き抜かれ”た。
bluejasmine2ハルが詐欺容疑で逮捕され、ニューヨークから義妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の住むサンフランシスコに航空機で帰るシーンから始まるのだけれど、口ではファーストクラスと言っているけれど、見たところ(写真←)、席と席の間に余裕がなくどう考えてもエコノミークラスの感じ。全部ヴィトンと言っても、今も贅沢していることにはならない。他になかったから昔のお古をそのまま使っているだけだろう。今更安物を買うこともしないだろう。思いのほか、今現在の自分の現実を弁えている。
そもそも本当に身の程知らずのバカ女なら鈍感過ぎて多弁、独り言、過呼吸などのような精神的不安定にならないだろう。彼女の本名はジャネットで「平凡だからジャスミンに変えた」と言っているけれど、これも嘘ぽい。同じ香料の種類の妹の名、ジンジャーと合わせるためだったのではないか。意外と妹思いの気がする。2人とも里親に育てられ、若い時は苦労を分かち合ったのだろう。ついでに彼女の好きな曲、「ブルームーン」もその名のバラから採った香料の名だ。

ブルームーンはカクテルにすると、これまた微妙な意味で「完璧な愛」、裏返して男を振るサインとして使われるらしい。
そもそもジンジャーの元旦那オーギー(アンドリュー・ダイス・クレイ)に「セレブの時は知らんぷりなのに文無しになったら居候か」と毒づかれるが、実際には妹夫婦のためによかれと20万ドルを倍返ししてあげようと努めていた。ただ間が悪過ぎただけなんだが。
若いころの女性の自立、キャリア志向は忘れておらず、早速、ネットでインテリアコーディネーターの講習を受けるためにパソコン教室に通う。そのためには嫌がっていた歯科医院の受付仕事も始める。歯科医から迫られても断固拒否する。歯科医なら今の彼女の境遇考えればOKの筈なんだが、彼のセクハラに我慢できない。
女性の扱いも良く、エリート官僚のドワイト(ピーター・サースガード)とはうまく行きそうになるのだが、見栄でついた嘘が暴露され、息子に御縁切りされ、ホームレスへの道を邁進することに。「欲望という名の電車」と比較されているそうだが、むしろ「結婚しない女(1977)」に近いかも。そもそも夫の破滅の直接の引き金を引いたのは夫の浮気が許せなかったジャスミンで、彼女の精神的不安定も破産したからではなく、それ以前に夫の浮気を知ってから始まっていた。元々セレブ万歳ではなく自立志向だったのだ。
それにしても、こんな複雑な女性を演じるブランシェット、落ちてからもやはり顔に気品がある。もし彼女が主演でなかったら説得力に欠き、かなり退屈な映画に終わっていたろう。
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Posted by y0780121 at 16:03│Comments(0)TrackBack(17)clip!洋画ブーボ | ★3

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