2014年07月05日

マレフィセント〜レイプ被害女性の復讐譚?3

maleficent公式サイト。原題:Maleficent。ロバート・ストロンバーグ監督、アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、シャールト・コプリー、サム・ライリー、イメルダ・スタウントン、ジュノー・テンプル、レスリー・マンヴィル、ブレントン・スウェイツ。童話「眠れる森の美女」をベースにしている。マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)が本来憎むべきオーロラ姫(エル・ファニング)と、実は同じ体験を共有することになる。そもそも若い時のマレフィセントはオーロラ姫そっくりだ。
本作は人間の国とムーア国という妖精の国との対立。ムーア(Moor)というのは、8世紀にイベリア半島から侵入した北アフリカ人、イスラム教徒と同じ。言わばヨーロッパ人から見た異教徒のようなものだろう。また湿地、泥炭という意味もあり、実際、本作でも湿地が出て来る。そして、湿った場所自体が深読みすれば、以下のニュースにつながらないこともない。
幼い時に愛し合ったマレフィセントとステファン(シャールト・コプリー)は成長して再会するが、国王の地位と引き換えにマレフィセント殺害を現国王に命じられたステファンは久し振りに約束の逢い引き場所の湿地で再会するも殺せず、代わりにマレフィセントの翼を眠り薬で眠らせた間にもぎ取って殺した証拠として持ち帰る。この翼もぎ取りについてアンジェリーナ・ジョリー自身が「レイプのメタファーです」と説明している。
Vanity Fair:Angelina Jolie Confirms a Key Maleficent Scene Was About Rape
He drugs her and cuts off her massive wings. Now Jolie has confirmed that the scene deliberately echoes the too-familiar beats of the date-rape narrative. “We were very conscious, the writer [Linda Woolverton] and I, that it was a metaphor for rape,” Jolie said during an interview with BBC Woman’s Hour.
本来、児童向けのディズニー映画の筈が何とも恐ろしい物語が隠されていたものだ。
そうなると、マレフィセントがステファンの娘のオーロラ姫に魔法をかけたのは復讐なのだと了解できる。というか、オーロラ姫の母親は隠喩的にはマレフィセントになってしまう。道理でマレフィセントが母親のようにオーロラ姫を育てるワケだ。ステファンの妻の存在感はかき消されている。
本来、マレフィセントはオーロラ姫に魔法をかけて眠らせようとするので「眠れる森の美女」になるのだけれど、そもそも元祖眠れる森の美女は眠っている間にレイプされたマレフィセント自身。成長したオーロラ姫が糸車の針に刺されるのが実質のレイプのメタファーなのだろう。
性的暴力反対運動をしているジョリーだから、そういう解釈をしているという向きもあるかもしれないが、そもそもあの翼もぎ取りシーン、ちょっと不自然なくらい唐突だ。最初からメタファー目的としか思えないフシもある。
オーロラ姫が成長してフィリップ王子(ブレントン・スウェイツ)と仲良くなった時、マレフィセントはオーロラ姫に自分と同じ体験させないためにフィリップ王子を追い払おうとする筈だが、逆にくっつけようとする。確かにオーロラ姫にかかったままの魔法を解くために「真実の愛」のキスをさせねばならないのだが、そのまんま行けば「真実の愛」がレイプにもなりかねない。その意味でクライマックスは少しあやふや。結局、「真実の愛」は“母親”マレフィセントによって行われる。実際、マレフィセントはオーロラ姫に魔法をかけていたことを後悔し、ずっと優しく見守っていた。
結論は「男はオオカミなのよ」で信用できない(実際、本作に出て来るのはひどい男ばっか)から女同士で平和な世界を築きましたとさ、ということらしい。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

Posted by y0780121 at 20:18│Comments(2)TrackBack(30)clip!洋画マ | ★3

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/y0780121/50791631
この記事へのトラックバック
「マレフィセント」を鑑賞してきました2D字幕版を。主演にアンジェリーナ・ジョリーを迎え、ディズニー・アニメの名作「眠れる森の美女」をモチーフに、同作で悪役だった魔女マレ...
劇場鑑賞「マレフィセント」【日々“是”精進!】at 2014年07月05日 20:33
評価:★★★☆【3、5点】(11) マレフィセントが黒マントを外したその瞬間!
マレフィセント【映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜】at 2014年07月05日 21:35
なぜオーロラ姫に眠りに落ちる呪文をかけたのか、その謎を魔女マレフィセントの過去を丁寧に描くことで明らかにしている。妖精も人間も普通に感情を持っていて、悲しくなったり楽しくなったり愛したり裏切られたりするのだ。実に深い物語になっていた。
マレフィセント【とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver】at 2014年07月06日 00:26
ある王国、ロイヤル・ベビー、オーロラ姫が誕生し、盛大なお祝いのパーティが開かれる。 招待客が見守る中、妖精たちがオーロラ姫に幸運の魔法をかけていくが、3人目が魔法を授けようとしたその時、“魔女”と恐れられる邪悪な妖精マレフィセント(アンジェリーナ・ジョ
マレフィセント【心のままに映画の風景】at 2014年07月06日 15:38
【MALEFICENT】 2014/07/05公開 アメリカ 97分監督:ロバート・ストロンバーグ出演:アンジェリーナ・ジョリー、シャールト・コプリー、エル・ファニング、サム・ライリー、イメルダ・スタウントン、ジュノー・テンプル、レスリー・マンヴィル 邪悪な妖精マレフィセント―..
マレフィセント【★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★】at 2014年07月06日 18:03
宝石よりも大切なものを盗んで行きました・・・ってルパンかいなって思わずツッコミ。(爆) 邪悪な妖精として登場するシーンはもろに絵本や映画でみたまんまの マレフィセントなんですが 王様にどうかって懇願しろって迫るシーンはなんだか半沢で(爆) 今回けっこう笑...
オトコは、いらない。(爆)〜「マレフィセント」〜【ペパーミントの魔術師】at 2014年07月06日 23:24
誕生祝いの宴で、邪悪な妖精マレフィセントから「16歳の誕生日の日没までに、姫は永遠の眠りにつくだろう。そして、真実の愛のキスだけが姫の眠りを覚ます。」と、恐ろしい呪いをかけられたオーロラ姫。 父王ステファンは呪いを避けるため、姫を密かに3人の妖精たちに預け、
マレフィセント【象のロケット】at 2014年07月07日 15:58
 野々村竜太郎県議会議員、辞任をされるようで残念です。我が広島県で無免許運転をやらかした正木県議会議員は、リコールされるまで居座り続けていました。野々村氏には、彼くら
マレフィセント : 完成度の高さにびっくり!【こんな映画観たよ!-あらすじと感想-】at 2014年07月08日 14:41
「眠れる森の美女」をもとに邪悪な妖精マレフィセントの視点で描いたファンタジーです。 アンジーの強烈な存在感が印象的な予告編を観て、これは観たい!と楽しみにしていました。 クルクルと変わるアンジーの表情に魅せられながら、美しく不思議な世界へと引き込まれていき
マレフィセント【とりあえず、コメントです】at 2014年07月10日 12:58
_子様はハンサム悪者の魔女はやっつけられる2子様の愛のキスで目覚める の3大お約束をことごとく崩した今年のディズニー映画。 この革新的な進歩に先ずは喝采を贈ろう
「マレフィセント」☆韓流なみのドロドロ愛憎劇【ノルウェー暮らし・イン・原宿】at 2014年07月11日 11:11
2014年・アメリカ /ロス・フィルム配給:ディズニー 原題:Maleficent監督:ロバート・ストロンバーグ脚本:リンダ・ウールバートン撮影:ディーン・セムラー音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワー
「マレフィセント」【お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法】at 2014年07月12日 02:29
慈愛のドラマでした。
マレフィセント【Akira's VOICE】at 2014年07月12日 11:23
【出演】  アンジェリーナ・ジョリー  エル・ファニング  シャールト・コプリー  サム・ライリー 【ストーリー】 とある王国のプリンセス、オーロラ姫の誕生祝賀パーティー。幸せな雰囲気があふれるその会場に、招かれざる邪悪な妖精マレフィセントが出現する。オー...
マレフィセント  監督/ロバート・ストロンバーグ【西京極 紫の館】at 2014年07月12日 21:01
 久しぶりに映画を観てきましたよ。ディズニーの『眠れる森の美女』のセルフリメイク『マレフィセント』でございます。 とにかく主役マレフィセントを演じるアンジェリーナ・ジ ...
『マレフィセント』(映画)(2014)ー何から何まで、顔の輪郭まで、ハマり過ぎのアンジー活劇!【マンガデシネ】at 2014年07月17日 02:51
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10) 7月5日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター8にて 16:30の回を鑑賞。
『マレフィセント』('14初鑑賞52・劇場)【みはいる・BのB】at 2014年07月19日 12:11
赤ちゃんの笑顔が超素敵。
マレフィセント【だらだら無気力ブログ!】at 2014年07月19日 22:27
 『マレフィセント』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。 (1)待ち合わせまで時間があったということもあって映画館に入ってみました。  本作は、1959年のディズニー・アニメ『眠れる森の美女』を改作したもの。  まず、「人間の国」と「ムーア国」(注1)とが隣り合って...
マレフィセント【映画的・絵画的・音楽的】at 2014年07月22日 21:09
子供の頃見たディズニーアニメの「眠れる森の美女」の絵が好きでした。 オーロラ姫の美しさと3人の妖精の可愛らしさ。 そして両手を広げ緑の炎をバックに黒のマントを翻し呪いをかけるマレフィセントの禍々しさ。           ディズニーランドの「ファンティリュ...
マレフィセント Maleficent【映画の話でコーヒーブレイク】at 2014年07月23日 00:26
映画「マレフィセント」★★★★ アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、 シャールト・コプリー出演 ロバート・ストロンバーグ監督、 87分 2014年7月5日公開 2014,アメリカ,ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (原題/原作:MALEFICENT) <リンク:<a href
映画「マレフィセント」上質な出来あがり、でもオーロラ姫は睡眠不足【soramove】at 2014年07月27日 16:59
真実の愛などない。 「眠れる森の美女」とは違う話。上手にアレンジしていて、マレフィセントがなぜ「呪い」をかけたのかとか、真実の愛のキスとはなにかを描いたファンタジー。 アンジェリーナ・ジョリー、マレフィセントのあの独特の頭(角だった!)違和感ありませ
マレフィセント【いやいやえん】at 2014年08月05日 06:33
アンジェリーナ・ジョリーのアンジェリーナ・ジョリーによるアンジェリーナ・ジョリーのための作品。そしてそれについては全く問題ない、と言うより素晴らしかった!羽根をもがれた時の痛みと悲しみの演技ときたら!大女優の貫禄充分である。今回に関しては脱帽である。全て
「マレフィセント」【ここなつ映画レビュー】at 2014年08月08日 12:40
映画『マレフィセント』は、『アナと雪の女王』の変奏曲みたいに、新時代のディズニー
「マレフィセント」:進化する老舗【大江戸時夫の東京温度】at 2014年08月13日 23:14
 「トゥームレイダー」シリーズのアンジェリーナ・ジョリー×「SUPER8/スーパーエイト」のエル・ファニング主演。1959年公開のディズニーアニメ映画「眠れる森の美女」を、悪役の魔女マレフィセントに視点から描いたアナザー・ストーリー。 勧善懲悪の物語を、悪役と
[映画][☆☆☆★★]「マレフィセント」感想【流浪の狂人ブログ〜旅路より〜】at 2014年08月16日 19:34
□作品オフィシャルサイト 「マレフィセント」□監督 ロバート・ストロンバーグ □脚本 リンダ・ウールバートン□キャスト アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、サム・ライリー、       シャルト・コプリー、ビビアン・ジョリー ジュノー・テンプル
『マレフィセント』【京の昼寝〜♪】at 2014年08月18日 08:27
映画「マレフィセント」を鑑賞しました。
映画「マレフィセント」【FREE TIME】at 2014年08月19日 01:03
【白銀の意思 アルジェヴォルン 第8〜10話】敵に急襲されたり、逆に急襲したり、撤退戦をしたりするお話。第8話は前回第7話から続きでしたが、敵エースさんは撤退命令を無視した挙 ...
若さ、若さって何だ?(アオイホノとか少年ハリウッドとか)【アニヲタ、ゲーヲタの徒然草(仮)】at 2014年09月09日 04:59
MALEFICENT 2014年 アメリカ 97分 ファンタジー/ドラマ 劇場公開(2014/07/05) 監督: ロバート・ストロンバーグ 製作総指揮: アンジェリーナ・ジョリー 出演: アンジェリーナ・ジョリー:マレフィセント シャールト・コプリー:ステファン エル・ファニング...
マレフィセント【銀幕大帝α】at 2014年12月08日 19:41
監督:ロバート・ストロンバーグ 出演:アンジェリーナ・ジョリー、シャールト・コプリー、エル・ファニング、サム・ライリー、イメルダ・スタウントン、ジュノー・テンプル、レスリー・マンヴィル、ブレントン・スウェイツ、ケネス・クラナム 【解説】 ディズニーアニ...
マレフィセント【タケヤと愉快な仲間達】at 2014年12月20日 19:27
☆☆★(5点/10点満点中) 2014年アメリカ映画 監督ロバート・ストロンバーグ ネタバレあり
映画評「マレフィセント」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2015年08月01日 10:41
マレフィセントに、アンジェリーナ・ジョリーのオトナの女性の美しさがハマり役!Wヒロインのオーロラを演じた、エル・ファニングもチャーミング。名作「眠れる森の美女」の、もうひとつの物語。大胆解釈が新鮮でした。「みなさんもよく知っている物語を、私が改めてお話し
マレフィセント【のほほん便り】at 2015年08月26日 09:45
この記事へのコメント
こんにちは。
いつもお世話になります。

やっぱりそうなんですね。
あそこだけアンジーのトーンがディズニーって感じじゃなかったので、もしかしたらと思いました。
ホント、「男はオオカミなのよ」ですね(苦笑)
Posted by オリーブリー at 2014年07月06日 15:40
監督とアンジーの力関係から見ればアンジーの方が強そうだから、アンジー色になったんでしょうなあ。
Posted by 佐藤秀 at 2014年07月06日 23:59