2014年10月12日

ニンフォマニアック Vol.1〜森を感じる時4

フィボナッチ列車(笑)
nymphomaniac11公式サイト。英題:Nymphomaniac: Vol. I。デンマーク=ドイツ=フランス=ベルギー=イギリス。ラース・フォン・トリアー監督。シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレイター、ジェイミー・ベル、ユマ・サーマン、ウィレム・デフォー、ミア・ゴス、ソフィ・ケネディ・クラーク、コニー・ニールセン、ジャン=マルク・バール、ウド・キア。「メランコリア」(鬱病)に続いてトリアー監督のタイトルは「色情狂」という病名。
オープニングは1分間ほどの暗闇。かすかな音。何故か「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」と似た展開。
中身的には「アンチクライスト」に類似している。「アンチ」では森の中のカシの木、ドングリの実が出てきたが、本作では森の中の最も美しく「嫉妬される」トネリコ(ash)の木。実際には北欧神話に登場する世界樹ユグドラシルという架空の木を暗示しているのだろう。タイトルの接頭辞nymphには木と森の精という意味もある。
nymphomaniac12ジョー(シャルロット・ゲンズブール)の少女時代、医師の父(クリスチャン・スレイター)に連れられて森の中でトネリコの美しさを聞かされ、15歳になったジョー(ステイシー・マーティン)はニンフォマニアックに目覚める。一般の色情狂と言うより、世界を支配する秩序、宇宙の神秘と一体化したいという本源的衝動のようなものに目覚めたというか。日本が「海を感じる時」なら北欧では「森を感じる時」になってしまうのだ。もっとも、わが日本でも「2つ目の窓」のようにガジュマルのような木や海、両方が性の象徴として登場する作品もある。
ここでまた数学のフィボナッチ数列が出て来る。
フィボナッチ数は自然界の現象に数多く出現する。 花びらの数はフィボナッチ数であることが多い。植物の花や実に現れる螺旋の数もフィボナッチ数であることが多い。 ヒマワリの螺旋の数はフィボナッチ数とされることもあるが、螺旋の数が多い場合、中心から離れると螺旋の隙間にも種ができてしまうため、途中から枝分かれしてフィボナッチ数にならないこともある。パイナップルの螺旋の数は時計回りは13、反時計回りは8になっている。葉序(植物の葉の付き方)はフィボナッチ数と関連している。
などなど、まさに世界の秩序を形成する魔術的な数列。その花びらひとつひとつがセックスだと言わんばかり。列車(数列)の中で何人の男とやれるかという競争の結果がフィボナッチ数列とはいやはや。
さらにバッハの音楽理論。和声(ハーモニー)、旋律(メロディ)、律動(リズム)の三要素。最終的にノーベル物理学賞のLEDみたく、三元色を混ぜると白色LEDができるような話になって来る。すなわち不感症(笑)。その調和の崩壊としての譫妄。そして死。確かに世界秩序を形成する要素の中にニンフォマニアックはあるのだろうけれど。
後編⇒「ニンフォマニアック Vol.2」。
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Posted by y0780121 at 18:47│Comments(2)TrackBack(2)clip!洋画ナ行 | ★4

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この記事へのコメント
5
素晴らしい考察だと思います。
色々とレビューを読みましたが1番映画の根幹に触れる部分を抽出していると思います。

ユグドラシルの話からこの映画の着想は北欧神話なんですかね?色々と想像するのが楽しいですね!
Posted by ぴろ at 2014年10月30日 14:49
> 1番映画の根幹に触れる部分を抽出していると思います。

根幹に触れ過ぎると色気も何にもなくなるので要注意です(笑)
Posted by 佐藤秀 at 2014年10月30日 18:53