2015年01月23日

ビッグ・アイズ〜はBig Liesを知っている3

bigeyes公式サイト。原題:Big Eyes。ティム・バートン監督。エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、デラニー・レイ、マデレーン・アーサー、ダニー・ヒューストン、ジェイソン・シュワルツマン、テレンス・スタンプ、クリステン・リッター、ジェームズ・サイトウ。わが国でもつい昨年あった「現代のベートーベン」とか言う人の騒動が記憶に新しい。画家マーガレット・キーンの実話に基づく。
1958年、ポップアートがはやり始めたアメリカのサンフランシスコ。暴力的な夫から逃げて娘のジェーン(デラニー・レイ)とシングル・マザーの生活になったマーガレット(エイミー・アダムス)は手に職がなくイラスト画を趣味で描けるだけ。就職したのは家具会社なのだけれど、家具に子供向けの絵を描いてもらうというナイスな計らいもあって就職できた。
家具に描いた絵はごく普通の子供向けの絵なのだけれど、ジェーンの自画像を街のフェアで描くのは大きな目をしたちょっと不気味な女の子の絵(↑写真)。娘を演じるデラニー・レイは薄倖感が漂いながらとても可愛い。このビッグアイズ娘はずっとBig Lies(大嘘)を見つめているような気配。マーガレット役のアダムスは一瞬、マリリン・モンローなのかと思えるほど。当時はモンローがロールモデルだったのだろう。
bigeyes2他の家族連れの人々の女の子にも2ドルを1ドルに値切られて文句の一言も言わずにビッグアイズを描く。ここにもマーガレットの素朴な人の良さが現れているようである意味その後のなし崩し的“ゴーストぺインター”の布石にもなっているような。このシーン、直後に知り合うことになるサ○ラ○ウ○的なウォルター(クリストフ・ヴァルツ)と出逢う前だから後々“証拠物件”として再登場するのかと思ったら、そうじゃなかった。
ウォルターは流行り物大好きで、画廊の兄ちゃんからクズ呼ばわりされたのにマーガレットの描くビッグアイズを気に入ったのは一応評価に値するというか。最初からマネージャーに徹すればいいものをやはり男社会。
しかも、ウォルターも画家を自称していたが、実は・・・。所謂「平気でうそをつく人たち」の一人だったようだ。なぜあんな哀しそうな顔をした少女ばかり描くのかと問われて第二次大戦のベルリンの体験って、まるで“HIROSHIMA”みたい。シングル・マザーという弱い立場からなし崩し的に妻を黙らせるすべも心得ていたらしい。
50年以上前のアメリカ社会。しかも、コピーがポップアート化する社会でウォルターにはある意味生き易い社会だったのかも。今から思えばマーガレットなぜここまで我慢したの、と思いたくもなるが、当時は要領のいい人間には生き易い、要領を知らないマーガレットのような世間知らずの女性は損しやすい社会だったのだろう。まあ、今だってそうだろうが。
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Posted by y0780121 at 18:15│Comments(0)TrackBack(18)clip!洋画バ、ビ | ★3

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