2015年08月14日

奇跡の2000マイル〜ミア・ワシコウスカ最高4

tracks公式サイト。オーストラリア映画。原題:Tracks。ロビン・デヴィッドソン原作、ジョン・カラン監督。ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー、ライナー・ボック。1977年、オーストラリア中央部のアリススプリングスから2700キロの砂漠地帯を愛犬とラクダ4頭とで9か月かけて単独横断歩行して大陸西部のインド洋海岸まで到着したロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)の実話に基づく。徐々に徐々に野生の女に変身するワシコウスカの佇まいが美しい。
クイーンズランド州で牧場を営んでいた一家は干ばつで立ちいかなくなり、母親は自殺、家族が崩壊してしまった24歳のロビンは人間よりも動物を信頼し、人のいない砂漠を横断しようとアリススプリングスにやって来る。ワシコウスカはこういうアウトサイダー的メンタリティを持った女性を演じる名手だろう。
実はアリススプリングスも最終ゴールになるインド洋の海岸も行った(飛行機でだが)ことがあるので、何よりも懐かしさがこみ上げる。映像は記憶とほぼ同じ感じ。ほんのちょっと出て来るイモムシを集めた盥、あれは食用で私も焚火で炙ったイモムシ食べたことがある。とろけるチーズみたいで美味しかった(笑)。
ただ、ラクダの牧場があんなにあるとは知らなかったし、遠くアフガニスタンからの移住者がいることも知らなかった。
牛には慣れていたロビンも最初は戸惑うのだけれど、すぐに慣れる。まさか慣れるとは思っていなかったろう牧場主はラクダをあげるという約束を反故にしてロビンを首にしてしまう。普通ならここでめげそうなのだけれど、ロビンにはもはや帰る家もないから他の牧場回って働いているうちに元の牧場が倒産し、晴れて出発。
tracks2しかも、キャメルレディの噂が広まり、世界的なナショナルジオグラフィック誌がスポンサーになってサポートすることに。お金だけでなく定期的にロジスティクス、補給もしてくれるみたいで単純な単独行ではなくなる。まあ、いくらラクダと一緒でも本当に単独行だとやっぱりきついだろう。全く人が住んでないわけではなく、ところどころアボリジニなどの居住地もあるし、水場もある。そういう補給点を線で結ぶ旅。元々ロビンはアボリジニの権利を守る運動にも参画していたようだ。
ロビンの服装もパンツ姿から暑いのか水着姿、さらにロングスカート姿と変遷する。水場の湧水ではロングショットで分かりにくいが水着も脱ぎ捨て全裸で泳いでいるみたい。まあ、真っ裸で泳ぎたくなる気持ちは痛いほどわかる。ミアはそれほど脚が長いとは言えないが、それだけに何か親しみのもてるボディではある。
圧巻は事前に注意されていたように野生のラクダに遭遇したら即射殺の言いつけ通り、ライフルで射殺する時。その時はすっかり日焼けで赤くなっていて、日焼けした顔が野生の女になっている。多分、動物を射殺するのは生まれて初めてなのだろうけれど、表情を見ると逞しく美しい戦う女性戦士の顔だ。旅する前の少し頼りなげな、シニカルな表情はもはや痕跡すらない。愛犬との思わぬ死別、大蛇と寝てしまったことも彼女をめげさせなかった。
足元の土が見覚えのある白い砂に変わる。あ、インド洋に着いたな、と思いつつ、その前に道路横断している筈だろうと心持ツッコミも入れてしまう。
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Posted by y0780121 at 15:33│Comments(0)TrackBack(2)clip!洋画キ | ★4

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