2015年10月31日

エール!〜生きる喜びを叫ぶ3

belier公式サイト。フランス映画。原題:La famille Belier。エリック・ラルティゴ監督。ルアンヌ・エメラ 、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ。フランス期待の18歳の新星ルアンヌ・エメラが主演、ベリエ一家全員聴覚障害者の中で一人だけ健常者という逆ハンディな中で健気に生きる少女ポーラを演じる。
ルアンヌは本物の歌手で出身地も本作同様、北フランスの一地方で、ある意味、ルアンヌ・エメラ立志伝のような趣。
オープニング早々、ベリエ家は逆にかまびすしい。食器がぶつかりあう音、扉を閉める音、すべてボリュームアップされている。家族は音が聞こえない分、騒音に鈍感で、音をたてることを気にしてないのだ。母親のジジ(カリン・ヴィアール)がタップダンスのように床を思い切り叩いて来訪者を知らせるシーンは何か微笑ましい。皮肉にも家そのものが楽器状態になっている。
家族は大声だと少し聞こえるらしく、ポーラはそのかまびすしさに慣れているばかりか、自然に大声で発声する訓練をしていたのじゃあるまいか。そのために、音楽のトマソン先生(エリック・エルモスニーノ)がポーラの発声力にびっくりして才能を認識してしまうが、本人にとっては通常の声のつもりなのか、いきなり言われても実感が湧かなかったのかと思える。
才能の発見、覚醒と同期するように生理、男友達の声変わり、さらに父親ロドルフ(フランソワ・ダミアン)がいけすかん村長を負かそうと周囲の困惑も気にせず次期村長選に立候補したり。はたまた一家の生業である畜産業の牛が子牛を産んで、黒かったのでオバマ(⇒Yes, We Can!)と名付けられたり。
何か村そのものが障害者、健常者の垣根が取り払われて“発情”している感じ。工場を誘致して故郷を壊そうとしている村長ですら、明るく“発情”している感じだ。村そのものが生きる喜びを叫んでいるようだ。それが「愛の叫び」(Je Vais T'aimer)となる。

思えば、どのシーンでも障害者家族という暗いイメージはなく、その中でポーラはずっとストレートに前向きですくすくと育っていく。その明るさを素直に取れるかまびすしさが本作の強味なのかも。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

Posted by y0780121 at 19:33│Comments(0)TrackBack(11)clip!洋画エ | ★3

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/y0780121/50828673
この記事へのトラックバック
ネタバレあり。 フランス映画祭2015(日本)観客賞<最高賞>、2015年セザール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)、2015年リュミエール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)・最優秀主演女優賞(カリン・ビアール)をそれぞれ受賞。 父も母も弟も耳が聞こえない...
エール! / La famille Bélier【勝手に映画評】at 2015年11月03日 17:31
フランスの田舎町で酪農を営むベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外全員が聴覚障害者。 ポーラが通訳をすることで、特段の不便も感じることなく、明るく楽しい家庭を築いていた。 そんな中、音楽教師トマソン(エリック・エルモスニーノ)に歌の才能
エール!【心のままに映画の風景】at 2015年11月07日 18:05
2014年・フランス/Jerico, Mars Films配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム 原題:La famille Belier 監督:エリック・ラルティゴ原作:ビクトリア・ベドス脚
「エール!」【お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法】at 2015年11月09日 00:24
実は予告編以上のお話は無い。 というよりも、予告編のほうが上手に言葉をつなげて、お話を分かりやすくしているくらいだ。 必要以上に盛った部分がないのに、なぜにこんなに泣けるのだろう?
「エール!」☆察することの大切さ【ノルウェー暮らし・イン・原宿】at 2015年11月19日 09:53
□作品オフィシャルサイト 「エール!」□監督 エリック・ラルティゴ□脚本・原作 ビクトリア・ベドス□キャスト ルアンヌ・エメラ、カリン・ビアール、フランソワ・ダミアン、        エリック・エルモスニーノ、ロクサーヌ・デュラン■鑑賞日 11月3日(
『エール!』【京の昼寝〜♪】at 2015年11月25日 13:04
映画「エール!」を鑑賞しました。
映画「エール!」【FREE TIME】at 2015年11月26日 23:28
あまり上映している映画館がなかったので錦糸町で見ました。 ストリーは・・・ フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、 全員が聴覚障害者。コーラス部に入ったポーラは音楽教師トマソン(エリック・エルモスニーノ)に 歌...
『エール!』【sweetmagicのブログ】at 2015年11月27日 12:04
 LA FAMILLE BELIER  フランスの小さな村で酪農を営むベリエ家は、娘のポーラ(ルアンヌ・エメラ) 以外、両親と弟は耳が聞こえない。家族に手話通訳をするポーラは、音楽教 師に歌の才能を見い出され、国営ラジオのオーディションを受けることになる
歌が聴こえる/ベリエ家の人々〜『エール!』【真紅のthinkingdays】at 2015年12月09日 10:05
エール! '14:フランス ◆原題:LA FAMILLE BELIER ◆監督:エリック・ラルティゴー ◆主演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ ◆STORY◆フランスの田舎町に住むベリエ一家は、仲睦まじく暮らしている。両親と弟...
エール!【C’est joli ここちいい毎日を♪】at 2016年02月28日 22:11
JUGEMテーマ:洋画 「エール!」 原題:La famile Belier 監督:エリック・ラルティゴ 2014年 フランス映画 105分 キャスト:ルアンヌ・エメラ カリン・ヴィアール フランソワ・ダミアン エリック・エルモスニーノ ロクサーヌ・デュラン フランス
エール!【マープルのつぶやき】at 2016年04月08日 16:32
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2014年フランス映画 監督エリック・ラルティゴー ネタバレあり
映画評「エール!」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2016年11月05日 09:15