2016年02月14日

ライチ☆光クラブ〜三島由紀夫臭さぷんぷん2

litchi公式サイト。古屋兎丸原作、内藤瑛亮監督。野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音(声)杉田智和。タイトルから戦後間もない光クラブ事件を連想するが、この事件をモデルにした三島由紀夫「青の時代」を連想、ついでに本作がかなり三島チックだなあと思う。
まるで1950年代か1960年代の川崎市の工業地帯を思わせる架空の町、蛍光町。実際に川崎市の臨海部にはモデルにしたと思われる夜光町という名の町名がある。元祖光クラブの山崎晃嗣は対岸の千葉県木更津市。「青の時代」の山崎をモデルにした主人公の名は川崎(笑)。本作のクラブ員は中学生だがメンバーの制服はどっちかと言えば、戦後間もない大学生の制服に見えるし、果ては三島由紀夫の盾の会の制服にまでイメージが膨らむ。
クラブの実権を握るゼラ(古川雄輝)がメンバーを数字で呼ぶのは、醜い大人になることに嫌悪を感じる少年たちを描いた三島由紀夫「午後の曳航」の少年グループの首領が部下を番号で呼んでいたのと同じ。
そもそも本作で描かれる「光クラブ十箇条
一つ 美は願望ではない 美とは真理である
一つ 我が世界において不幸は存在しない 誤りや欠落があるだけだ
一つ 光クラブで争いが生じた時は メカニズムの解消につとめよ
一つ どんな知恵もすべて冷たい だから知恵を信じよ
一つ 感覚に働きかけないもの 「数字」はもっとも純粋なものである
一つ 体の成長は罪ではない 大人になるまで生きることが罪なのだ
一つ 永遠は存在しない 光クラブも例外ではない しかし唯一の光である
一つ 愛という言葉を使用すべきではない 友情もこれに同じである
一つ 己をチェスの駒に見立てよ それに反して動くことはルールに反する
一つ 我は光クラブの一員である この福音を毎日唱えよ 言葉は行為である
というのも光クラブ的だ。山崎は世の中(=大人の世界)には懐疑的だったが、真理や権威を疑っていなかったとされる。本作の十箇条もそうだし、何より「数字」が純粋だというのも闇金融業の山崎とそっくり。
そもそも彼らが作ったロボット「ライチ」は十箇条を体現したものと思えるし、アイザック・アシモフのロボット工学三原則と連なるものがある。そう言えば、ライチは「青の時代」でも文具店の店先に吊り下がっている大きな鉛筆の模型に相当しそうな気もする。工業地帯なので必然いかにも機械工業的なロボットになっただけだろうか。ラストでロボットの首が取れるのも三島由紀夫自決事件を思わせる。屈強なロボットもボディビルで鍛えた三島の肉体と考えれば平仄が合う。
夭折願望、美少年愛、あるいは「バラの処刑」というのも三島の「薔薇刑」の借用か。人間の内臓が醜いかどうかという話も「憂国」を思わせる。
こう考えると、タイトルから始まって、何から何まで三島のイメージの寄せ集めな感じがする。
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Posted by y0780121 at 19:20│Comments(0)TrackBack(2)clip!邦画ラ,リ | ★2

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