2016年03月08日

星ガ丘ワンダーランド〜赤の秘密3

杏ちゃん前髪パッツンの意味
hoshigaoka公式サイト。柳沢翔監督。中村倫也、新井浩文、佐々木希、菅田将暉、杏、木村佳乃、松重豊、市原隼人、嶋田久作。希、杏、佳乃の美人女優三役揃い踏みのほか豪華すぎるほどのキャスト。舞台になる駅は千葉県を走るいすみ鉄道ロケだが、一方の大観覧車はかつて北海道夕張市にあって市の財政破綻で取り壊されたものがモデルのようだ。
一応現実なのだけれど、最初からファンタジーがない混ざっている風情。あんな過疎ぽい駅にあんなたくさんの落とし物があるワケないだろとか。けれど、そもそも本作自体が“落とし物”がテーマになっている。
20年前の少年時代、駅員の温人(中村倫也)自身が一家の落とし物になってしまった。雪道で車から落ちて不倫した母(木村佳乃)を追いかけるが母の落とし物にされる。途中で母の落とし物の赤い手袋。実際、落とし物預かり所には赤い軍手がある。落とし主の少年は20年前の温人を彷彿させる。
hoshigaoka3オープニングで小さな女の子が持って来る片方のタップダンス用の靴。この小さな女の子自身、母の再婚相手との娘、七海(佐々木希)の20年前の姿と重なる。タップダンス靴は観覧車から下で待っている母の近くにいたピエロか何かの靴なのかも。その化身のような駅員もいる。
さらに駅構内の既に廃園になっている星ガ丘ワンダーランドの模型を壊す悪戯っ子2人組って、20年前の温人と兄の哲人(新井浩文)の兄弟ではないか。なぜ模型を壊したかと言えば、星ガ丘ワンダーランドに拭い難い嫌な思い出があったからだろう。この2人組、ラストでも登場するから母飛び降り自殺のミステリーそのものをファンタジー化する効果がある。
廃園になったワンダーランドのメタファーのようにごみ処理場も登場する。そこでビニール傘を温人と作業員の仁吾(市原隼人)が一緒に探す姿はともに過去になくした落とし物を探している。ビニール傘の落とし主の女性もどこか母の今の姿ぽい風情だ。
hoshigaoka2さらに今の七海も母と同じ赤色の上着を身に着けている。そもそも七海の現れ方はほとんど幽霊のようで真夜中の寂しい道を歩いているのだ。20年前の雪道の母と重なるではないか。
そして、赤色は最終的に大観覧車の赤色点灯につながる。廃園して久しく取り壊しのニュースが流れているのに本当に動いて光り輝くとは思えないところも現実とファンタジーの境界効果がある。
こうなると、ほとんどの登場人物たちはこの境界の人たち。唯一違うのは赤色と縁のない服装の大林刑事(杏)。杏の前髪パッツン姿は前がよく見えて幻に惑わされず、しっかり現実を見ています、ということの象徴なのかも。上司の刑事(嶋田久作)には「惑わされるな」と叱られているのだけれど。
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Posted by y0780121 at 21:04│Comments(0)TrackBack(2)clip!邦画ヒーホ | ★3

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雪の降る日に母は家を出て、父と幼い温人、兄・哲人が残された。 …20年後、成人した温人は「星ガ丘駅」の駅員となり、様々な落し物の持ち主を想像して似顔絵を描くことを日課にしていた。 ある日、星ガ丘にある遊園地・星ガ丘ワンダーランドが閉園になるというニュースが
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