2016年04月22日

レヴェナント:蘇えりし者3

トム・ハーディの悪にはワケがある
revenant公式サイト。原題:The Revenant。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督(本年度米アカデミー監督賞受賞)、音楽:坂本龍一。レオナルド・ディカプリオ(本年度米アカデミー主演男優賞受賞)。トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラック、デュアン・ハワード、ポール・アンダーソン、クリストッフェル・ヨーネル、ジョシュア・バージ、ルーカス・ハース、ブレンダン・フレッチャー、アーサー・レッドクラウド、グレイス・ドーヴ。1820年代に実在したアメリカ開拓民の猟師ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)を基にした森林デスマッチ。ホント、プロレスみたいだ。
はっきり言って、蘇り過ぎ。ヒグマのグリズリーに襲われて瀕死の重傷を負うのは実話だけれど、本当は夏の8月だったらしい。その結果、河に流されてというのも、本作の雪の降る極寒では低体温症で死亡するのは必至。
ましてや瀕死の身であんな川床の岩の段差の激しい激流に身を任せたら気絶して死ぬだろうに。さらに馬ごと崖から落ちて馬が即死なのにグラスはマット雪原にうつぶせに倒れただけで何事もなかったかのように立ち上がる。フィッツジェラルド=実話ではフィッツパトリック(トム・ハーディ)との肉弾戦も瀕死なのに有り得ない。もうプロレスのノリ。ベアハッグで悶絶、場外に叩き落とされて悶絶、脳天逆落とし喰らって悶絶、それでもなお立ち上がるグラスって。グラスを治療した友好的な先住民が首吊り刑に遭っても、傍で寝込んでいたグラスはなぜ無視されたのかも意味不明。
そもそもグリズリーに襲われた時に脚を骨折している筈だが、最初は匍匐前進、次に杖を突いて歩行、最後には走っている。実話ではもっと時間の経過が長いのだけれど、本作ではほとんど数日ぐらいしか経っていない筈。いくら何でもないだろう。
そもそも、この話自体、実話かどうかも怪しいと思う。狩猟隊のメンバーの若手ジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)はホラッチョとしても有名だったらしいし。
自分を見捨てたうえ、唯一の息子ホーク(フォレスト・グッドラック)を殺したフィッツジェラルドを追うのだけれど、そもそもグラスがヘラジカ撃つために発砲してアリカラ族に見つかり、40人のうち30人が犠牲になったきっかけを作った。フィッツジェラルドがグラスを恨んで放置するのも無理からぬところがある。勘繰れば、グラスが先住民を守るためにわざと発砲したと考えられなくもない。
ホークはポウニー族の妻(グレイス・ドーヴ)とのハーフで差別的扱いするが、当時、フロンティアの男どもが先住民の女性と結婚するのは珍しくなかったそうで、ブリッジャーもフラットヘッド族と結婚している。妻は既に白人に襲われた時に死亡しており、亡霊(レヴェナントと同じ意味で夫婦ともどもレヴェナントだ)として出て来るだけ。もちろん、先住民虐殺への贖罪意識とも取れるが、多少クサい。
アンドリュー・ヘンリー将軍(ドーナル・グリーソン)が殺された後、グラスが遺体を収容するため馬2頭で行く時にフィッツジェラルドに狙われるシーンは、もう見え見えで予測可能。なんでもっと大勢で追わなかったのやら。
印象に残ったのは雄大な自然もさながら、月を敢えてアップで取らず、倍率なしで撮っているところか。アップで撮ると月に物語性を帯びさせるけれど、これだとそのまんまの自然だ。人工照明を使わない代わりに焚火を多用しているのも特徴。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

Posted by y0780121 at 17:40│Comments(1)TrackBack(34)clip!洋画ル-ロ | ★3

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/y0780121/50840034
この記事へのトラックバック
「レヴェナント蘇えりし者」を鑑賞してきましたアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がレオナルド・ディカプリオを主演に迎え、過酷な大自然の中で繰り広げられるひとりの男の壮絶な...
劇場鑑賞「レヴェナント蘇えりし者」【日々“是”精進!】at 2016年04月22日 19:57
[レヴェナント:蘇えりし者] ブログ村キーワード  “アカデミー賞最多12部門ノミネート、監督賞・主演男優賞・撮影賞 受賞!”「レヴェナント:蘇えりし者」(20世紀フォックス)。実在した伝説のハンター、ヒュー・グラスの実話を基にした“サバイバル・ドラマ”。とにかく圧倒
「レヴェナント:蘇えりし者」絶対不死身、ディカプリオ!【シネマ親父の“日々是妄言”】at 2016年04月22日 22:47
1823年、西部開拓時代のアメリカ。 ミズーリ川沿いを進むヘンリー隊長率いるハンターの一団は、狩りの途中でアリカラ族の襲撃に遭い、船を放棄し山沿いを歩いてカイオワ砦まで戻ることに。 ポーニー族の血を引く息子ホークと共にガイド役を務めるヒュー・グラスは、途中ハ
レヴェナント 蘇えりし者【象のロケット】at 2016年04月23日 02:03
レヴェナント:蘇えりし者
レヴェナント:蘇えりし者【あーうぃ だにぇっと】at 2016年04月23日 16:36
これは凄い! これでアカデミー賞取らなかったらオカシイよね。
「「レヴェナント:蘇りし者」☆生まれ変わって蘇るレオ様【ノルウェー暮らし・イン・原宿】at 2016年04月23日 17:12
そして彼はクマになった。
レヴェナント 蘇えりし者【Akira's VOICE】at 2016年04月23日 17:12
レオナルド・ディカプリが、アカデミー賞(主演男優賞or助演男優賞)ノミネート5度目にして、初めて主演男優賞を受賞。これで彼も、無冠の帝王を脱したわけですね。 初めてのアカデミー主演男優賞のレオ様の重厚な演技が光っているそんな話題作ですが、同じく今回のアカ...
レヴェナント 蘇えりし者 / The Revenant【勝手に映画評】at 2016年04月23日 17:17
エマニュエル・ルべツキちょっとヤバイだろ!? 才能の溢れ方が半端無い。 3年連続アカデミー賞もむべなるかな。 相変わらずの長回しに自然光撮影にもうクラクラきますわ。 デカ ...
『レヴェナント 蘇りし者』【時間の無駄と言わないで】at 2016年04月23日 22:50
【THE REVENANT】 2016/04/22公開 アメリカ R15+ 156分監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラッグ 復讐の先に、何があるのか。 STORY:アメリカ西部の...
レヴェナント:蘇えりし者【★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★】at 2016年04月23日 23:27
映画『レヴェナント 蘇えりし者』は、明らかに映画史に残る作品。シンプルなサバイバ
「レヴェナント 蘇えりし者」:大自然と激痛サバイバル【大江戸時夫の東京温度】at 2016年04月23日 23:53
当ブログは2年前の年末映画ベスト10で、同スタッフの「バードマン」 を3位にいれていた。 サブタイトル=「中年の悲哀を全面に出しつつ、噂に違わぬ 超・快? 怪作!(12/18アップ)」オフビート系な映画にもかかわらず、ここまで心を掴まされるとは、驚き!と...
映画:レヴェナント: 蘇えりし者 The Revenant イニャリトゥの執念がまたもや結実した傑作。【日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜】at 2016年04月24日 01:33
1823年、アメリカ北西部。 ヘンリー隊長(ドーナル・グリーソン)をリーダーとする狩猟一団は、未開の地で先住民の襲撃を受けて逃走する中、ガイド役のベテラン・ハンター、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)が熊に襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。 手当を
レヴェナント:蘇えりし者【心のままに映画の風景】at 2016年04月24日 15:33
評価:★★★★☆【4.5点】(11) 極限という言葉が最も当てはまる映画。
レヴェナント:蘇えりし者【映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜】at 2016年04月24日 15:49
 入場料金\1100のチネチッタデーと重なった公開2日目、夕方。この映画館で一番大きいチネ8には6割位の客入りだ。上映にはクラブチッタが監修した独自の音響「LIVEサウンド」が導入された。
「レヴェナント 蘇えりし者」@チネチッタ【新・辛口映画館】at 2016年04月24日 19:09
【出演】  レオナルド・ディカプリオ  トム・ハーディ  ドーナル・グリーソン 【ストーリー】 アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラスは狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしま...
レヴェナント:蘇えりし者  監督/アレハンドロ・G・イニャリトゥ【西京極 紫の館】at 2016年04月27日 22:52
レヴェナント: 蘇えりし者The Revenant/監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/2015年/アメリカ 最期に見た、風景は。 TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 F-18で鑑賞。IMAX。伝記映画だそうだが、内容から判断してカテゴリは「アクション、アドベンチャー」に
レヴェナント: 蘇えりし者/生は手段、復讐は目的【映画感想 * FRAGILE】at 2016年04月27日 23:18
監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ 出演 レオナルド・ディカプリオ     トム・ハーディ     ドーナル・グリーソン 狩猟の旅をする一団。 ディカプリオが熊に襲われ瀕死の状態。 息子と見届け人を置かれ、死を待つのみ。 しかし…。 いや〜、重かった。..
レヴェナント:蘇えりし者【本と映画、ときどき日常】at 2016年04月28日 10:54
☆☆☆★− (10段階評価で 7) 4月23日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター7にて 13:30の回を鑑賞。 字幕版。
『レヴェナント 蘇えりし者』('16初鑑賞39・劇場)【みはいる・BのB】at 2016年04月28日 20:55
厳しい極寒の大地でロケーションしたサバイバル劇は人間の存在の小ささと、主人公の壮絶な復讐への執念を浮かび上がらせる。満点の出来栄えだと思う。
レヴェナント: 蘇えりし者【とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver】at 2016年04月28日 23:49
2015年・アメリカ/リージェンシー=ラットパック・エンタティンメント 配給:20世紀フォックス映画 原題:The Revenant 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ原作:マイケル・パンク
「レヴェナント 蘇えりし者」【お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法】at 2016年05月01日 22:11
『レヴェナント : 蘇えりし者』The Revenant監督 :アレハンドロ・G・イニャリトゥ撮影 : エマニュエル・ルベツキ出演 : レオナルド・ディカプリオトム・ハーディドーナル・グリーソン、他
『レヴェナント : 蘇えりし者(The Revenant)』アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、他【映画雑記・COLOR of CINEMA】at 2016年05月03日 04:04
 THE REVENANT  19世紀、雪深いアメリカ北西部。ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は 原住民の妻との間にもうけた息子ホーク(フォレスト・グッドラッグ)と共に、狩猟 団の一員として原野を旅していた。  レオが6度目のノミネートにして、
神の手〜『レヴェナント:蘇えりし者』【真紅のthinkingdays】at 2016年05月06日 12:26
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ 出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラッグ、ドウェイン・ハワード、アーサー・レッドクラウド、グレイス・ドーヴ、ポール・アンダーソン、ルーカス・...
レヴェナント:蘇えりし者【タケヤと愉快な仲間達】at 2016年05月06日 17:41
The Revenant(viewing film) 映画を見る醍醐味のひとつは
『レヴェナント 蘇えりし者』 デジタル・シネカメラの進化【Days of Books, Films】at 2016年05月06日 18:50
映画「レヴェナント 蘇えりし者」を鑑賞しました。
映画「レヴェナント 蘇えりし者」【FREE TIME】at 2016年05月09日 22:58
 『レヴェナント 蘇えりし者』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。 (1)主演のディカプリオがアカデミー賞主演男優賞を受けたというので、映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭では、夜、横になっている主人公のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)が、先...
レヴェナント 蘇えりし者【映画的・絵画的・音楽的】at 2016年05月10日 06:52
 マイケル・パンクの小説「蘇った亡霊:ある復讐の物語」を、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のレオナルド・ディカプリオ主演で映画化。西部開拓時代に実在し
[映画][☆☆☆☆★][2016年の映画]「レヴェナント: 蘇えりし者」感想【流浪の狂人ブログ〜旅路より〜】at 2016年05月12日 20:13
レヴェナント 蘇えりし者 実話を基に”復讐のために過酷な状況を生き抜く、決して諦めない男”を描く。(156分) 瀕死の重傷を負いながら生存本能を糧に、追う者と追われる者が交叉する強靭な男のサバイバル・ドラマ。 息遣いが荒くなる。 極寒の未開の地で凍った川に入っ..
レヴェナント【もののはじめblog】at 2016年05月13日 09:31
レオナルド・ディカプリオは年を取ってから(失礼!)の方が好きなので、彼がオスカーを受賞した事は、心からおめでとうを言うよりほかの気持ちは無い。むしろ遅い、遅過ぎた、という気持ちがある程だ。というか、何もこの「レヴェナント〜」で獲る必要があったのか?という
「レヴェナント 蘇えりし者」【ここなつ映画レビュー】at 2016年05月13日 12:59
25日のことですが、映画「レヴェナント:蘇えりし者」を鑑賞しました。 IMAXにて 狩猟中に熊に襲われ瀕死の重傷を負ったヒュー・グラス グラスを足手まといだと狩猟メンバーのフィッツジェラルドは置き去りにし 反抗したグラスの息子も殺害 かろうじて生還したグラス...
大自然の猛威の中に【笑う社会人の生活】at 2016年05月17日 17:26
19世紀のアメリカ開拓地を舞台に一人の男の半生を描いた作品です。 レオナルド・ディカプリオが念願のオスカーを手にした作品だったので観なくちゃと思っていました。 予告編で想像する以上に凄まじい展開に、最後までスクリーンから目が離せませんでした。
レヴェナント:蘇えりし者【とりあえず、コメントです】at 2016年05月19日 21:47
THE REVENANT 2015年 アメリカ 156分 アクション/ドラマ/アドベンチャー R15+ 劇場公開(2016/04/22) 監督: アレハンドロ・G・イニャリトゥ 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 製作: アレハンドロ・G・イニャリトゥ 脚本: アレハ...
レヴェナント:蘇えりし者【銀幕大帝α】at 2016年08月27日 20:27
【概略】 狩猟の旅の途中、ヒュー・グラスは瀕死の重傷を負う。彼は仲間に置き去りにされた上、最愛の息子の命を奪われてしまう。 アクション 復讐の先に、何があるのか。 本作を賞賛されてる方には申し訳ないのですが…。私はあんまり好きじゃなかった。映像は凄
レヴェナント:蘇えりし者【いやいやえん】at 2017年01月14日 10:34
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2015年アメリカ映画 監督アレハンドロ・G・イニャリトゥ ネタバレあり
映画評「レヴェナント:蘇えりし者」【プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]】at 2017年03月04日 09:14
この記事へのコメント
>もうプロレスのノリ。ベアハッグで悶絶、場外に叩き落とされて悶絶、脳天逆落とし喰らって悶絶、それでもなお立ち上がる・・・。
映画ですから、大袈裟に仕立てたのでしょうね。伝説の男の物語りに肉付けしてエンターティメントにしたと申していました。

ディカプリオも若いころの華奢な体つきではこの役に耐えられません。太っていてよかった。身体に貫禄がついてオスカーもゲットでした。^^

Posted by iina at 2016年05月14日 09:54