2016年05月30日

ヒメアノ〜ル〜凶暴と弛緩4

himeanole公式サイト。古谷実原作、吉田恵輔監督。森田剛、佐津川愛美、ムロツヨシ、駒木根隆介、山田真歩、大竹まこと、濱田岳。タイトルは小型のトカゲ、ヒメトカゲのことで強者の餌食になる弱者のたとえという。もう一つ、トカゲの類なので気味悪がられるというニュアンスも込められているみたい。そこから変身して死刑すら織り込み済みで法律が抑止力にならない所謂“無敵の人”を描く。
安藤(ムロツヨシ)はほとんどは「すみません」で済ませようとするヒメアノ〜ル。工事現場でアルバイトしている岡田(濱田岳)を再三、「岡村」と呼び、健忘症と言うより精神が弛緩している感じ。憧れの喫茶店員ユカ(佐津川愛美)目当てに喫茶店に通っているが、自分では告白できず、岡田を使者に頼むが、そこにはもう一人、無敵の人、森田(森田剛)がいて、しかも岡田の高校時代のクラスメートなのだ。
どうでもいいけど、森田と同じV6の岡田准一を岡田役にあてがっていたらギャグにはなると思うのだけれど。実際、本作はシリアスさと裏腹に何か投げ遣り感が横溢していて冗談とガチの区別が失われているのがテーマだろう。
喫茶店でこじんまりまとめ過ぎている感があるし、ユカがあまりに集中攻撃されるきらいがあり、どうなのかとは思ったけれど、そもそも森田の凶暴性をのぞけば実のところこじんまりした世界であることは間違いない。またこじんまりした世界に甘んじざるを得ないからこそ森田が凶暴化したのだからこれでいいのかもしれない。金属バットと“肉のバット”のシンクロも面白いけれどそれ以上ではない。
それにしても高校時代のいじめのエピソードや友達同士だった森田と岡田の回想は少々ありきたりで、むしろヴェールに包んで謎の部分を大きくした方が良かったのかも。実は回想場面で一番良かったのは犬だったりする。
実のところ、使者の筈の岡田にユカを取られ、安藤は電気鋸を買うが、いつ使うのかと思っていた。きっとラストは無敵の人同士の対決になり、安藤が伝家の宝刀、電気鋸で森田をやっつけるのかと予想したがそうでなかった。一体何人殺したか数え切れなくなるくらい(まだ死んでないだけの人もいることだし)森田は殺しまくるのものだから、そうならなくちゃ収まらないと思ったのだけれど、安藤はそぶりを見せたが無敵の人未満だった。やっぱりどこか弛緩していて壊れきっていなかったのだ。結局、“悪”をやっつけるヒーローは出て来ない。みんなヒメアノ〜ルなのだから。
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Posted by y0780121 at 22:21│Comments(0)TrackBack(12)clip!邦画ヒ | ★4

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