2016年06月15日

教授のおかしな妄想殺人1

と言うかウディ・アレン監督のおかしな耄碌映画
irrationalman公式サイト。原題:Irrational Man。ウディ・アレン監督。ホアキン・フェニックス、エマ・ストーン、パーカー・ポージー、ジェイミー・ブラックリー、ベッツィ・アイデム、イーサン・フィリップス。原題は本作の文脈では「不条理な人間」ぐらいか。本作はアメリカ東部の大学が舞台だが、実はこのタイトルと同じ著書を著した実存主義哲学者ウィリアム・バレット(William Barrett)はニューヨーク大学の哲学教授だったので、多分、この人が哲学教授エイブ(ホアキン・フェニックス)のモデルだろう。
しかし、本作の殺人はどう見ても、言及されているフョードル・ドストエフスキーの「罪と罰」が下敷き。同じアレン作品の「マッチポイント」と同じだ。
これじゃ、ちょっとあんまりじゃないか。たまたまレストランで聞いた会話でサルトル風社会的アンガージュマンを殺人の形でするって、ちょっと哲学教授にあるまじき幼稚さ。大体、ラスコーリニコフって20代の貧乏青年で、地位も名誉もある中年で腹の出たオッサンが真似しても洒落にならない。今更ロシアン・ルーレットされても、やっぱり様にならんだろう。
サスペンスがあるかと思えば、恐ろしく温いサスペンス。「完全犯罪」を嘯いている割に随分杜撰ですがな。よりによって同じ大学の中で材料を仕入れるって。それから犯罪が成功した後、まるで人が変わったように明るく行動的になるって拙いだろう。後々怪しまれるとは思わないのだろうか。本人が「哲学はマスターベーション」と言っているくらいだからこの「完全犯罪」もマスターベーションと言うのなら、ああ、そうですかとしか言いようがない。
「お友達」のジル(エマ・ストーン)が警察に通報するのを躊躇するのもあり得ないし、同じく化学の専門の同僚でセックスフレンド(パーカー・ポージー)が文字通り事件の「カギ」を握っているって、洒落にもならない。おまけに関係者同士で種明かしごっこって。随分とこじんまりまとめすぎている。最後のエレベーターって一体何よと言いたくなる。
アレンさん、もう80歳過ぎたのだから引退しては。思えば、エイブの無気力や妄想はむしろアレン監督の老化と耄碌の反映じゃないだろうか。
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Posted by y0780121 at 21:08│Comments(0)TrackBack(11)clip!洋画キ | ★1

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