2016年09月20日

怒り〜沖縄問題とLGBTごった煮されても2

ikari公式サイト。吉田修一原作、李相日監督、坂本龍一音楽。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、宮崎あおい、妻夫木聡、綾野剛、広瀬すず、佐久本宝、ピエール瀧、三浦貴大、高畑充希、原日出子、池脇千鶴。「悪人」以来の原作者・監督コンビ。2000年に起きた世田谷一家殺害事件と2007年に起きたリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件を合成したような筋立て。と言っても、世田谷事件は単に英国人女性を絡ませるのが面倒だっただけな気がする。
三人の容疑者は市橋達也が整形していたり、女装の手配写真まで出されたことから疑惑の群像劇仕立てにされている。疑惑の3人、田中信吾(森山未來)、田代哲也(松山ケンイチ)、大西直人(綾野剛)の顔のパーツをモンタージュで合成したような手配写真。敢えて言えば綾野剛が市橋に一番似ているかな。
こちらとしては市橋達也が何をしていたか知っているので真犯人はすぐ分かってしまい、泉役の広瀬すずちゃん危ない!と心の中で叫んでしまう、というのは設定としてどうなのか。本作では別の意味で宮崎あおいと広瀬すずが叫ぶのだけれど、いっそタイトルもタイトルも「怒り」と言うより「叫び」の方がいいのじゃないかとも思えるのだけれど。
となると、他の2人は、現実の事件を知っている観る側としては最初からオマケ扱いになってしまう。渡辺謙、松山ケンイチ、宮崎あおい、妻夫木聡、綾野剛と役者を揃えてもご苦労様としか言い様がない。それでも本作は3人のストーリーが目まぐるしく短いカット割りでつながれるのであたかも互いに関係しているというか、影響し合っているかのように錯覚させられる。けれど残念ながら技巧以上のものは出て来ない。同性愛、バイセクシャル、沖縄とかあまりに安易に時事問題をごった煮されても。
ましてやすずちゃんがやられる相手が、今時話題の米兵というのはやり過ぎというか悪乗りが過ぎると思う。事件が起きた那覇での泉、信吾、少年知念辰哉(佐久本宝)の行動が訳わからない。ただ都合よく現実の事件を採り入れれば、無駄に安易な印象を持ってしまう。
実際のところ、米兵レイプ事件というのは政治で脚色されているところがあり、一般の沖縄県民とそれほど犯罪率に大きな差があるとも思えないし、本作では米兵はただの獣扱い。これだって一種のレイシズムじゃないか。
ましてや映画館に誘い、那覇に出かけて辺野古基地反対デモに参加するってのも。辰哉の雰囲気と行動がイマイチ合っていない。「シェル・コレクター」同様、米軍機の飛行音を前奏曲代わりにするなんて、沖縄に対するステレオタイプがあり過ぎないか。
むしろ、泉がやられるなら、あの無人島の隠れ家でやられた方がまだ納得できる。そもそも泉は不自然なほど無防備で警戒心が全くないというのはどうなのか。信吾は見るからに怪しいオーラ最初から発散しているというのに。辰哉が浜で待っているという設定もわざとらしい。まあ、そういうことは別にして、すずちゃんの輝きぷりは本作でも半端じゃなかった。
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Posted by y0780121 at 18:10│Comments(0)TrackBack(20)clip!邦画イーエ | ★2

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