2016年09月21日

聲の形〜沈黙の花火3

koenokatachi公式サイト。大今良時原作、山田尚子監督。 (声)入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優。主人公の石田将也の小学生時代の声は松岡茉優なのが乙。
松岡自身が公式サイトで
まわりに聴覚障害者の方がいない方でも「これは私だ」と誰もが誰かに共感できる作品だと思います。
と語っている。「これは私だ」の「私」はいじめる側でもあり、いじめられる側でもありそう。聴覚障碍者で転校してきた小学6年生西宮硝子(しょうこ)は名前通り、硝子(ガラス)のように硬くて脆い心の持ち主。聴覚障害はコミュ障のメタファーでもある。
硝子の心は文字通りガラス張りで他人からは丸分かりで防衛機制が働かない。装うということを知らないから気持ちが顔に出て、文字通り心が見透かされている。小学6年ともなれば、みんなそれぐらい分かるので何となくうざく感じられる。
一方の将也は日頃から退屈していて自己嫌悪感から自殺すら夢想している。そんな硝子をいじりたくなる。補聴器を再三抜いて「本当は俺たちの言っていること分かっているんだろう」と。多分、硝子はある程度分かっていて、それが顔に出るからむかつく。もっとも、分かっても反応する手段がノートだから即座に反応できないし、声と文字では媒体が違うので文字にややこしいこと書くわけにもいかないし、書けば書いたで、「動かぬ証拠」を残すことになり、心の襞まで書けないだろう。手話も試みて実は将也と仲良くなりたいと語るのだが通じない。多分、硝子は硝子で将也の心に自分と同じ孤独を見つけていた。それにしても自殺の予行演習のような川への飛び込み、「四月は君の嘘」でもやってた。
koenokatachi2やがて母親に知れることになり、百万円以上の弁償をすることに。将也は大罪人になり、やがてシカトされて心を閉ざすことに。以来、18歳になるまで周りの人間が×印になったり、×印が取れたり、また×印になったりするの思春期を迎え、より自我が目覚めて自分の居場所をなくしたことを示しているよう。
それは硝子も同じで何も「好き」と言ったのに「月」と将也が取ったからではなさそう。花火大会がクライマックスになるのは硝子には花火大会は沈黙の花火であり、他の人には音付きであること。沈黙の花火って健常者には何か物足りない、気の抜けたビールのようなものだが、自分はそんな沈黙の花火であることを思い知らされる時でもある。
硝子は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の芽衣子(めんま)のキャラに似ている。めんまも花火ロケットでメッセージを送っていた。
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Posted by y0780121 at 21:43│Comments(0)TrackBack(9)clip!アニメ邦画アーサ | ★3

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