2016年12月03日

古都(2016)3

koto公式サイト。川端康成原作、Yuki Saito監督。松雪泰子、橋本愛、成海璃子、蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、迫田孝也、伊原剛志、奥田瑛二。何度も映画化された川端康成の小説の21世紀バージョンで、原作から第2世代にと移ってリブート。
京都の町屋にある呉服屋の千重子(松雪泰子)は里子の双子でもう一方は中川北山町の北山杉の材木屋に住む苗子(同・一人二役)。2人は20年前から音信不通。北山と京都の町は空気で結びついている。よって映像は結びついた空気を巧みに表現している。ストーリーよりもむしろ映像で表現する映画だ。
と言っても、千重子は優しい柔らかい手、苗子は材木作業でゴツゴツした手に変わっている筈だが、その違いが本作では見分けつかない。苗子がパリ留学中の結衣(成海璃子)に会いに行った時、トランクを大儀そうに持っているが、材木を担ぎ上げるような仕事して来たのだからトランクぐらい何でもないと思うのだけれど。CG技術で苗子のいかつさも表現できたのでは。
千重子の娘・舞(橋本愛)は舞に書道とかのお稽古事で嵐山界隈にまで行っている。渡月橋の右岸寄りの二つ目の小橋とか上流の風流な料亭とかさらに野々宮神社の竹林。京都の伝統美をそのまま引き継いだような佇まいなのだけれど、ど真ん中に生きていて心は空虚の中心のような存在。繊維商社の面接試験で「(やりたいことは)特になし」。落ちた筈なのになぜか内定という気配りの世界に埋没しそうになり・・・。
ストーリーはなぜかパリで収斂するのだけれど、京都とパリは姉妹都市。一応、北山杉の模様の帯を締めて舞がパリで舞い、結衣が北山杉にヒントを得て斬新な絵を描く。その前の結衣の描いた北山杉の絵も実家に飾られチラリと出て来るが、いかにも西洋的な油絵の北山杉だ。舞もまた書道で北山杉を思わせる絵のような字を書き、2人は癒合する。舞が鴨川沿いを、結衣がセーヌ川沿いをそれぞれ自転車で走るシーンなどそのプロセスはいい。
しかし、ラストがあっさりし過ぎているような。パリの教会で2人の娘は巡り合うのだけれど、結と舞ではまさか気付かないだろう。こちらは苗子と舞がパリで巡り合いして「ハッ」と舞が気付くシーンで終わるのかと思ったが。逆に結衣と千重子がふとしたところで出会うシーンもあってもよかった。パリに来たのが苗子じゃなくて千重子だったとか。
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Posted by y0780121 at 20:24│Comments(0)TrackBack(2)clip!邦画コ | ★3

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佐田千重子は京都室町に代々続く佐田呉服店を継いで20年。 経営は楽ではないが、夫・竜助共々、ゆくゆくは一人娘・舞に後を継いでもらいたいと思っている。 だが就職活動中の舞は、自分が何をやりたいのかが分からずにいた。 一方、千重子の双子の妹・中田苗子は、京都の
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