ドント・ブリーズ〜神なき世の愛

公式サイト。原題：Don't Breathe。サム・ライミ製作、フェデ・アルバレス監督。ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング。この爺ちゃん(スティーヴン・ラング)、退役軍人といえ、もうかなり年老いて盲目なのにやたら強いし、すばしっこい。対する貧困で強盗に入った20代の若者たち、今一つ覚悟ないから勝てない。

オープニングは閑静な住宅地と言うより閑静過ぎる住宅地の俯瞰。最近こういうオープニング多い気がする。寂れたデトロイト郊外という設定は「イット・フォローズ」と同じ。今回のアメリカ大統領選でよく言われた「ラスト・ベルト(Rust Belt)」、ドナルド・トランプを大統領の座に押し上げた地域だ。
イラク戦争帰りで、「リダクテッド 真実の価値」で見られたように屋内戦はむしろ得意らしい。実戦経験者はやっぱ強いわ。
若者3人組で一番強そうなマネー(ダニエル・ゾヴァット)が対峙するのだけれど、びびって引き金引けない。長年の勘で首根っこを捕まえられたと思ったらアッと言う間にのされてしまった。大体マネー(Money)って名前がいかん。いかにも金欲し気で邪気あり過ぎ。もう一人の男子アレックス(ディラン・ミネット)はどちらかと言えば知性派なのだけれど、もう少し何とかできなかったのかとは思う。目が明いている方がオタオタしていて退役軍人は神出鬼没というのはどうなのか。いくらホームとアウェイの差はあってもヒット＆アウェイでじわじわ追い詰められないのか。投げつけられるものはふんだんにあったし。
途中で訳わかんない女性が飛び出して来て、いや、本当にパニックになったんだろう。ああなったら、本当に何が何だか分からんだろうし。一体、このおっさん何なのだと、恐怖が倍増、あの獰猛な番犬加えると3倍増、4倍増だろう。
結局、最後まで根性残したのは女性のロッキー(ジェーン・レヴィ)。彼女には妹に対する愛があった。つまりは退役軍人と同じ愛があったということか。2人の間で交わされる神様お願いと神など存在しないというプチ神学論争が意外とカギなのかも。
カネをふんだくることも忘れず、憧れのカリフォルニアに行った時は思わず「良かったねえ」と呟いてしまった。待合室でテレビニュースが流れあの男と再び目を合わせたけれど、「俺も頑張ったが、お前も頑張ったな」とエールを送っているんじゃないかと。 もはや戦友扱いなのじゃないかと。
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