2017年02月03日

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち3

Peregrine公式サイト。原題:Miss Peregrine's Home for Peculiar Children。ランサム・リグズ原作、ティム・バートン監督。エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、ルパート・エヴェレット、アリソン・ジャネイ、クリス・オダウド、テレンス・スタンプ、エラ・パーネル、フィンレー・マクミラン、ローレン・マクロスティ、ヘイデン・キーラー=ストーン、ルイス・デイヴィソン、ジュディ・デンチ、キム・ディケンズ。「ペレグリン」とはハヤブサのこと。1943年のナチスドイツの爆撃直前に時間をループさせて1日ずらす物語。
イギリス・ウェールズにある島の中にある隠れ家。爆弾にはナチスのカギ十字マークが歴々とある。さらに見えないモンスター"Hollowgasts"って英語とドイツ語の合わせ技みたいな名称で「うつろな客」っていう意味だろうか。だけど、何となくホロコースト(holocaust)を連想させる。要はナチスに対するレジスタンス映画だ。
それじゃ一体、この隠れ家に住んでいる「奇妙なこどもたち」って一体何なんだ、ということになる。表向きは異能の子供達で気味悪がられて隠れているというけれど、本作で彼らが一人として世間にいじめられた形跡がない。むしろ彼らはアンネ・フランクのようなナチスに迫害されたユダヤ人をも連想させる。彼らの中には有名な科学者たちもいてある意味超能力者たちだ。
それはそうとして、認知症気味の祖父エイブ(テレンス・スタンプ)から延々と御伽噺を聞かされていたジェイク(エイサ・バターフィールド)にはいつの間にか秘密の子供達と同じ超能力がついてしまっている。その超能力とはないものを見る能力って、要するに空想力だろう。
一方で父親のフランク(クリス・オダウド)は作家の癖にいかにも空想力なさげで、しかも最近絶不調で筆が進まない、って洋画、邦画問わずよくあるパターンだ。空想力のある祖父と息子の板挟みにあって結構つらい立場だ。オダウドの冴えなさぶりは目立たないけれど、その意味で名演技なのかもしれない。結局、本作の“原作者”は実はこの冴えない父親で、自分の劣等感から生まれた作品なのかとさえ思えて来る。認知症と子供の空想壁をちゃっかり拝借して作品に変えたのだろう。
それにしても子供たちの超能力にタイムリープと組合せば大体、何でもできてしまう。その意味で超ご都合主義だ。けれど、埠頭にあるお化け屋敷がリープの結節点というのも観客を現実に引き戻す仕掛けにもなっている。結局、あの秘密の隠れ家はお化け屋敷だったのだから。空気より軽いエマ(エラ・パーネル)が鉛の靴やロープで飛んでいかないようにしているのと同様、しっかり地に足を付けた空想物語だ。ちなみにエラ・パーネルは強い個性を持った美人でまだ20歳だが、今後も期待される女優だと思う。
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Posted by y0780121 at 20:55│Comments(0)TrackBack(14)clip!洋画ミ-モ | ★3

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