2017年02月18日

たかが世界の終わり4

image公式サイト。カナダ=フランス。英題:It's only the end of the world。ジャン=リュック・ラガルス原作、グザヴィエ・ドラン監督。ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイ。地味で陰鬱な家族劇なのに何このオールスターキャスト。それにしても最近やたらコティヤールによく当たってしまう。
34歳になって劇作家として成功したらしいルイ(ギャスパー・ウリエル)は12年ぶりに故郷の実家に帰る。理由はもうすぐ死ぬかららしいが、額面通り受け取っていいのかどうか。
どうもルイはドラン本人を反映させたキャラらしい。彼にとって世界の始まりであるべき実家は世界の終わりでもあるようだ。
驚かされるのは、玄関を開けると、家族が立錐の余地がないかのように居並んで 待ち構えていたこと。その後は延々と顔のドアップが続く。アントワーヌ(カッセル)に至っては後ろ向きや横顔が多く、それだけで不機嫌さが伝わる。
ただでさえ狭苦しいのに余計に狭苦しく見える。2人が会話するシーンの時も他の家族が手前を通り過ぎる。映画カメラ自体が家の中で密着を強いられている感じなのだ。それだけでこの家の中の重苦しさが伝わって来る。息遣いも汗までも共有してしまって暑苦しく逃げ出したいルイの気分まで伝わって来る。
アントワーヌは工作器具を作っているらしく、弟の名声に余計にムカついている感じで、ルイが何か言うたびに悪く取り、言われてもいないのに「お前の事なんて一切興味ないしどうでもいい」と罵り放し。おかげで家族の誰も彼の凱旋を祝う雰囲気で無くなる。
と言うか、12年前余程何かあったのだろう。シュザンヌも心に一物ある風情だし、アントワーヌの嫁のキャサリンもルイに何かおかしい態度を取っている。アントワーヌが「これも劇のネタにするのか」と言っているのを見ると、12年前、さぞや“劇的”なことがあったのだと思われる。
しかも、この状態がラストまで延々と続くのだ。これが「世界の終わり」の実態だった。でもルイに取っては「たかが」なのかもしれない。キツい映画だ。キツいと言えば、時折りの挿入歌の歌詞も相当キツい。
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Posted by y0780121 at 19:36│Comments(0)TrackBack(5)clip!洋画タ-ツ | ★4

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