2017年04月13日

ねこあつめの家〜成り行きの生き方3

nekoatsume1公式サイト。蔵方政俊監督。伊藤淳史、忽那汐里、木村多江、田口トモロヲ、大久保佳代子。スマートフォン用ゲームアプリ「ねこあつめ」の実写映画化。という訳なのか、本作では原作をリスペクトするようにスマホが民家の奥の部屋の押し入れに神棚代わりのように隠されている。
猫たちが集う民家の庭から縁側のガラス戸、縁側と部屋を仕切る障子戸、奥の部屋を仕切る襖、そして押し入れの戸が一直線に遠近法で描くシーンがあったのは、その象徴のような。どこか小津安二郎的な感じのあるショットだ。
不調が続く小説家佐久本勝(伊藤淳史)が猫に夢中になって現実逃避するという設定はもはや毎度お馴染みで案の定の結末なのだけれど、やはり編集担当者の十和田ミチル(忽那汐里)の存在が気になる。ちなみに忽那汐里は何か別人のように美しくなっている。
猫はどんどん庭に集まり、猫屋敷化するのだが、当然猫同士で愛が生まれ、子供だってできる筈なのに、そんな風ではなく、みんな仲間が寄って来たという感じで、性の営みの描写が皆無。
nekoatsume2一方の人間の方は、勝とミチルがあれほど2人きりで一緒にいる時間があったのに仕事以外何もなかったとは思えない。実際、ミチルは仕事を超えて勝に好意を持っているのはありあり。
で、いつの間にか妊娠して産休を取るとは。相手は出てこず、そもそも結婚していたのかさえ不明。思い切り想像を飛躍させるとミチル自身が猫の化身なのかとさえ思えてしまう。あるいはミチルは勝の妄想で本当の担当者は不動産管理人の猿渡めぐみ(大久保佳代子)だったとか。
けれど、素直に解釈すれば、ミチルの赤ちゃんの父親は勝だろう。父親になると分かってもはや必死に金稼ぐしかなく書いた勝の新しい小説「ねこあつめの家」、すなわち本作の原作なのだろう。出産と新作の完成がほぼ同時なのだからそういうことなんだろう。
あまりにも成り行き任せぽいのだが、そもそも勝が千葉県多古町に引っ越した理由は、街の占い師が留守で関係ないおばちゃんが「タコ」と言ったから。実は本当の占い師がおばちゃんのためにタコ焼き買いに行っており、「(早く)タコ(焼き食べたい)」という意味だった。実のところ、本作の本当の主題は人生の成り行き性についてで、実は猫たちは成り行きで生きているのだ。
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Posted by y0780121 at 18:55│Comments(0)TrackBack(2)clip!邦画ヌーノ | ★3

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若くして新人賞を受賞した小説家・佐久本勝は現在、どうしようもないほどの大スランプ中。 ある夜、不思議な占い師の予言に従って、片田舎の古民家に移り住むことに。 しかし、雑誌連載の評価は下がる一方で、担当編集者のミチルもかける言葉がない。 やがて佐久本は野良
ねこあつめの家【象のロケット】at 2017年04月15日 11:51
☆☆☆−− (10段階評価で 6) 4月8日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター6にて 11:50の回を鑑賞。
『ねこあつめの家』('17初鑑賞33・劇場)【みはいる・BのB】at 2017年04月15日 14:02