2017年07月28日

君の膵臓をたべたい〜さよならコロンバス4

kimisui公式サイト。住野よる原作、月川翔監督。浜辺美波、北村匠海、小栗旬、大友花恋、北川景子、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔。よくある余命物と素直に考えられないホラーチックなタイトルではある。
オープニング、実写なのにアニメぽい色調。そのことは本作そのものが二重構造になってはいまいか。
高校の同級生・山内桜良(浜辺美波)は“僕”(北村匠海⇒小栗旬)にだけ余命幾許もない膵臓病であることを告白するが、その割に元気で健康そのもののような顔立ちだ。むしろ、地味な図書館委員の僕の方がビョーキぽい。小栗旬に至っては、頬がこけて生気がなくなっている。
桜良はわざわざ通り魔殺人を大々的に報じる新聞をこれ見よがしに僕に見せ、「人間、いつ死ぬか分からないのよ」と言う。人と交わりたくない僕を励ますかのように。桜良は内気そうで友達のいない人間を見てられない性格のようで、やはり内気で友達のいない女友達恭子(大友花恋⇒北川景子)にも声をかけて唯一の友達になってあげる。
そんな桜良は通り魔に遭い、あっという間にこの世を去る。多分、刃物で膵臓を刺されて。 桜良は病気になったら患部と同じものを食べたら治ると言っていたので僕は「君の膵臓をたべたい」と思う。
kimisui2ということは、時系列が逆転していて桜良が通り魔に殺されてから僕は桜良に膵臓病を告白されると妄想し、桜良が今も生きていることにする。ただし、やがて膵臓病で死ぬという悲劇的シチュエーションを脚色して。そして、その秘密の共有こそ大事なのだ。「仲良し」ではなくそれ以上の関係の証として。
12年経って、教師になった僕は相変わらず内気で桜良が紹介してくれた恭子をも“安全牌”と思っていたガム君⇒宮田一晴(矢本悠馬⇒上地雄輔 )に取られてしまう。思えば、ガム君も僕に声をかける優しい友達だった。
けれど、やっぱり僕が一緒にいるのは桜良である。永遠に高校生のままの桜良である。桜を見るためにわざわざ6月でも咲いている蝦夷桜を見たいと思うのはそのためだろう。そりゃあ、通り魔に突然桜良を奪われたら年中桜が咲いていてほしいと思うだろう。
思えば、元ネタは「さよならコロンバス」のようだ。ここでも「ボク」は安月給の図書館司書。彼女はテニスはプロ級の達人、良家の美人という憧れの存在。桜良だって家を見ればお金持ちの良家の子女ということが分かる。
「コロンバス」では、
“I'm a liver.(ボクは生活者=肝臓だ)
I'm a pancreas!(私は膵臓よ!)”。
というくだりがある。これを意訳すれば、地味な僕は華やかな「君の膵臓をたべたい」ということにならないか。
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Posted by y0780121 at 19:12│Comments(0)clip!邦画キ | ★4