2017年12月09日

DESTINY 鎌倉ものがたり〜中原中也終焉の地4

deskama公式サイト。西岸良平原作、山崎貴監督。堺雅人、高畑充希、堤真一、安藤サクラ、田中泯、中村玉緒、市川実日子、ムロツヨシ、要潤、大倉孝二、神戸浩、國村隼、古田新太、鶴田真由、薬師丸ひろ子、吉行和子、橋爪功、三浦友和。英語+日本語のタイトルからして原作者、監督が同じの「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズと似ている。堤真一、薬師丸ひろ子、三浦友和もALWAYS組だ。本作はファンタジーだがALWAYSだってファンタジー色かなりあったし。
現代が舞台の筈なのに昭和初期の詩人中原中也風の出で立ちの堺雅人、何か戦前風で古風だし、原稿用紙丸めて捨てるって、もう完全に昔風の作法。思えば、中原中也も鎌倉駅前の広場で倒れ、そのまま半月後に鎌倉市内の病院で死去している。ある意味、本作そのものが死線を彷徨う闘病中の中也の夢を詠った追悼の詩なのかもしれない。言わば鎌倉は中也が“死神”に遭遇した場所なのだ。まさに「DESTINY=運命」の地だ。
その、「死神で〜す♪」と言う陽気な死神、誰かアイドル系若手男優が演じているのかな、と思ったら、次第に記憶の焦点が合うと安藤サクラだと分かった。役者やのう。スチール写真(↑)を見れば一目瞭然なんだけれど。ちなみに「何千年の妖気がたまっている」とあるけど「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」からまだ千年すら経ってないのになんでやねん。
江ノ電の臨時停車駅、あれ、江ノ島に渡るための連絡駅だろう。つまり、黄泉の国とは江ノ島のこと。線路が空を走るのは海の上にかかる江ノ島大橋に架けられた鉄道大橋の見立てだろうか。これで江ノ島に渡る橋は車道、歩道、鉄道3つそろった(笑)。
それにしても、天空を駆ける江ノ電、その車窓の風景は「千と千尋の神隠し」のようでもあり、実写的には「アバター(AVATAR)」の世界をパクった感じだ。一見、ベトナムのハロン湾ぽいのだけれど、江ノ島だって裏の太平洋に面した側はかなりの断崖絶壁だ。西北部にある海岸には岩屋洞窟(目下、台風の被害で閉洞中)もある。
そもそもミステリー作家・一色正和(堺雅人)に「決して入ってはいけない」と言われた納戸、いともあっけなく亜紀子(高畑充希)が入ってしまい、そ、そんなあ、と思ったのだけれど、このいとも簡単な入りっぷりって後でその理由が分かった。幽霊なんだからそりゃ簡単に入れるよね。
そこには鉄道模型の線路があり、江ノ電とつながる。言わば納戸は江ノ電の黄泉の国行きの臨時停車駅と同じ位相なのだ。とどのつまり岩屋洞窟が黄泉の国に見立てられているのか。
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Posted by y0780121 at 18:53│Comments(1)clip!邦画A-M | ★4
この記事へのコメント
今晩は。
本作で描かれる一色正和の風貌を見て直ちに中原中也を想起されるのは、流石に佐藤秀さんだなと感服いたしました。
それに、「(正和の家の)納戸は江ノ電の黄泉の国行きの臨時停車駅」と同じ位相であり、「黄泉の国とは江ノ島(岩屋洞窟)のこと」とのご指摘も興味深いものがあります。というのも、本作で「現世」「黄泉」と言われているところは、生きている人間一般や死者一般がいるところではなく、数少ない鎌倉市民だけの極々狭いもの、まるで世界に取り残されたガラパゴス日本を象徴しているように思えるからですが。
なお、「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」ですが、下記の記事によれば、現在では、鎌倉幕府の成立は1185年と学校で教えられているようです。でも、その語呂合わせはどう言えばピッタリするのでしょう(「いい箱作ろう、鎌倉幕府」とも言われているようですが)?
https://www.juku.st/info/entry/1246
Posted by クマネズミ at 2017年12月22日 18:29