2017年12月24日

勝手にふるえてろ4

kattefuru公式サイト。綿矢りさ原作、大九明子監督。松岡茉優、北村匠海、渡辺大知、石橋杏奈、趣里、前野朋哉、古舘寛治、片桐はいり。大九監督は「モンスター(2013)」以来か。どちらも女性の世間に対する疎外感を描いているようだ。恋の相手候補一番手、中学の同級生「一」(北村匠海)と二番手の会社の同期「二」(渡辺大知)を巡る経理担当の江藤良香(松岡茉優)の脳内恋争い物語。
良香の空想と現実の境目が実はよく分からない。いつもいつも同じ場所で釣りをしているおじさん(古舘寛治)はいつもいつも同じ調子で出て来るので何かこの人、変と思い、この人は良香の空想の中の人なのかと思ってしまう。案の定そうだった。良香は他人と交わるのが苦手なのだ。
ネットの世界で「自殺したい」と告白したらえらくアクセスを稼ぐ。でもリアル良香は憧れの一にさえいつまでも「君」と呼ばれ、名前忘れられている。こうなると、「火花」同様、世間から取り残された感が横溢する。こちらは1人なのでさらにキツそうだ。
良香が「二」より「一」が良いと思うのは、例えば良香が経理書類の間違いを「1+1=1になっている」と指摘し、「二」は絶対嫌だということを主張している。また良香が大の字に寝転がっている場面で足をそろえて「二」脚から「一」脚にすることからも表現されている。絶滅したアンモナイトの化石もずっと引き延ばしたら縦長の「一」に戻ってしまう。実際には戻らないから困っているのだ。所謂こじらせ女子の象徴。過去の憧れ「一」の象徴。
問題は二番手の「二」さん。この人も実在するのか空想なのかよく分からない。もちろん、同じ会社員だから「実在」していることは疑いないのだけれど、良香の手でどう脳内変換されているのやら。
アパートのお隣さんの岡里奈=オカリナ(片桐はいり)は良香的にはどう考えても恋人などできそうにない安全牌の筈だったが、ある日、隣室から男性の声が。なんとまたいつも通う店の店員だった。ここでも取り残されたを感じる時だろう。
ちなみに岡里奈だからオカリナ吹いているわけだけれど、良香の部屋に入った「ニ」は「良い香りするね」などと言葉遊びしている。こんな駄洒落瞬時に思いつくのも、どうも「二」も良香の空想の産物らしい。
タイトルの「勝手にふるえてろ」は「一」を忘れられない良香1号に対して言い放つ良香2号の捨て台詞だろうか。それにしても玄関の出入り口で抱き合うのも寒くてフルエルだろうなあ。良香2号が1号に勝ったとは最後まで思えないのだけれど。松岡茉優は流石の演技。過去にも主演した作品もあったらしいけれど、本格的(意味不明と言えば不明なのだけれど)な主演で見事。
ちなみにちなみに、良香と「二」が奥多摩に行く場面でロケ現場が分かった。ケーブルカーで登れる御岳山近くのロックガーデン。と言っても岩登り練習場とかではなく岩がたくさんある散策路の整備された渓流だ。良香が座っているのはその中にある四阿で、滝はその四阿からさらに少し上ったところにある綾広の滝だろう。自分も行ったことあるのですぐ分かった。
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Posted by y0780121 at 22:22│Comments(1)clip!邦画カ〜ナ行 | ★4
この記事へのコメント
中盤のミュージカルシーンが空想と現実の分水嶺だそうです。
ロケ現場行ってみたいと思います。
Posted by まっつぁんこ at 2018年01月02日 11:12