2018年03月06日

ダウンサイズ〜環境版地獄の黙示録?4

downsizing公式サイト。原題:Downsizing。アレクサンダー・ペイン監督。マット・デイモン、クリステン・ウィグ、クリストフ・ヴァルツ、ホン・チャウ、ウド・キア、ジェイソン・サダイキス、ニール・パトリック・ハリス、ローラ・ダーン。何かしら「地獄の黙示録」や、そのベースになったジョセフ・コンラッド「闇の奥」を思わせる。実際、コンラッド(ウド・キア)という名の教祖まで出て来る。
人口過剰対策でノルウェイの科学者が発明した細胞レベルで体をダウンサイズする薬品でポール(マット・デイモン)が身長13センチになる究極の省エネ物語なのになぜ黙示録的なのか。まず共演のタイ人女優ホン・チャウは両親ともベトナム人でベトナム戦争でタイに逃げたという来歴がある。ちなみにこの人、若い頃の中野良子とちょっと似ているかな。
2人がノルウェイの“フィヨルドの奥”にボートで行くシーン(写真↑)などどう見ても「地獄の黙示録」のオマージュぽい。2人ともダウンサイズしているのでちょっとした草むらを歩いてもベトナムのジャングルを歩いているように錯覚する。フィヨルドは氷河が悠久の時間をかけて削った地形であることも意味がある。氷河という巨人の時間と小人化というせこい人間の営為。
おまけにフィヨルドの奥にカルト教団の教祖風のコンラッドはマーロン・ブランド役なのか。ラストに至ってはポールが本当に“闇の奥”に入っていく(笑)。ちなみに“闇の奥”の入口の発破、あまりにしょぼい爆破なので思わず笑ってしまう。ダイナマイトもダウンサイズして計算違いしたのか(笑)。
それにしても南極の氷からメタンガスって何のことだろう。そりゃ、南氷洋にだって海底にはメタンハイドレートが埋まっているだろうし、氷床の下にあるという湖にもメタンぐらいあるだろうけど一気に気象が変わるとは思えない。もっとも教祖によると8000年地下で待機するらしい。
確かにポールが入るトンネルは海面上昇に備えて最初はずっと上り坂になっているのだけれど、南極の氷床は超分厚い2450mなのでそんな簡単に溶け切らないし、本作でも否定する発言があった。そもそもデイモン自身、現実社会で環境活動に熱心だったが本作の中で「もう飽きた」というようなセリフも吐いていた。
そのポールに対し、お隣の相棒、ドゥシャン・ミルコヴィッチ(クリストフ・ヴァルツ)は「やはり挫折したろ」とほざいているが、本作のことなのか現実世界のことなのかよく分からなくなってしまう。まさかトランプ大統領のパリ協定離脱というCO2排出第2の国、アメリカの挫折と絡めているのか。ポール自身、アメリカの擬人ぽい。コンラッド役のウド・キアは環境大国とされるドイツ出身だし、地下のコミュニティのエネルギー源をポールが「原子力?」と尋ねて再エネの「地熱だよ」と答えるのもなかなか味わい深い。
そもそもダウンサイズしたのは世界の人口の3%と言うから、ほぼ挫折に等しい。カネの価値が高まるというのもダウンサイズすれば経済規模もダウンサイズするから結局同じだろう。
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Posted by y0780121 at 21:06│Comments(0)clip!洋画ダ | ★4