2018年05月19日

モリのいる場所3

mori公式サイト。沖田修一監督。 山崎努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林与一、三上博史。画壇の仙人と言われた熊谷守一(山崎努)のある一日。東京都豊島区の小さい庭が全ての日々だ。
いきなり昭和天皇(林与一)が出て来るのだけれど、はて何のために唐突に現れ、唐突にフェードアウトしたのやら。単に昭和時代の話ですよ、ということなのか。本作では文化勲章を断った1967年のエピソードと94歳になった頃(1974年)のエピソードの合わせ技ぽい。
庭には草木が雑然と生え、虫のすだきが喧しい。その草むらに窪地があり、守一が30年間こつこつ掘っていたという。名目は魚を生かすためなどと言っているが、そんなこたあないだろ。
実は守一、この30年間、家から一歩も出ていない超ヒキコモリ。実際には30年前、脳卒中にかかって出られなくなったらしい。
そうすると、この穴って実のところ自分の埋葬用、お墓を掘っていたのではと思えて来る。なら未来永劫この庭にいられる。実際にはこの庭は現在ではなくなっているらしいのだが。
こういうのを小宇宙とか、専門的にはビオトープと言うのだけれど、この中で地下に埋まって死ねば、さぞ安楽だろうなあ、とは思う。妻(樹木希林)の方は小鳥を育てており、ちょうど良さそうだが、かと言って放し飼いもできない。
妻はもう長く生き過ぎたから死んでもかまわないと思っているが、守一はまだまだ生きたいと思っている。現に97歳まで生きた。
ラストは庭が俯瞰されるのだけれど、一人の人間が生きるには十分な面積と思えなくもない。そんなところに大勢を集めてすき焼きか何だかを振舞っている風景は、ある意味この世とのお別れパーティーぽくも見える。みんな守一に一筆書を書いてもらうために集まっているのだが、守一にとって人間の騒ぎも虫たちのすだきも同じことなのかもしれない。
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Posted by y0780121 at 22:07│Comments(0)clip!邦画ミ-モ | ★3