2018年09月19日

愛しのアイリーン〜雪も解けてしまう愛4

irine公式サイト。新井英樹原作、吉田恵輔監督。安田顕、ナッツ・シトイ、河井青葉、ディオンヌ・モンサント、福士誠治、品川徹、田中要次、木野花、伊勢谷友介。なんか雪の中をアイリーン(ナッツ・シトイ)が岩男(安田顕)の母ツル(木野花)を担いで行く姿(写真↑)は「楢山節考」で清川虹子を背負って姥捨て山に向かう緒形拳と重なってしまう。違うのはフィリピーナが日本人岩男の代わりをしているということか。
姥捨て山と言えば、「デンデラ」もあった。舞台は庄内平野だが本作は少し南の長岡市。
原作は1995年だが、その頃、フィリピーナと日本男性との結婚は結構話題になっていて、彼ら彼女らを斡旋する業者もいた。実際、裕次郎(伊勢谷友介)はそういう人間だろう。
思えば、岩男は優柔不断な男で42歳まで独身。父親の死すら知らない故郷喪失者のデラシネ男。フィリピンで300万円のお見合いツアーで買ったアイリーンを連れて長岡市の故郷に帰って来る。アイリーンの故郷のフィリピンでは平均月収2万円の世界。仕方なく嫁を調達して帰ってきましたという感じ。
「ハロー。アイム・イワオ」という棒読みの挨拶がそれを象徴する。何か岩男には生きる気力が決定的に欠けていて、アイリーンはそれを補充するような生き生きした存在で、その対照が際立つ。
長岡市らしく花火大会のシーンもあるし、雪も積もる。つまり春夏秋冬が描かれる。それがまたアイリーンには見たことのない世界。同じ長岡市で暮らしても2人の見える光景は最初から違っている。アイリーンの目と岩男の焦点ボケの目。生きる目と死にかかったような目。
雪のシーンで岩男は無気力に死のうとし、実際に死んでしまう。それでもアイリーンは生きようとする。本来、アイリーンには寒くてたまらないのはアイリーンの筈なのに熱いのはいつもアイリーンだ。その違いは何か今の日本の男の無気力も映し出されている感じだ。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ


Posted by y0780121 at 22:03│Comments(0)clip!邦画イ | ★4