2019年06月15日

旅のおわり世界のはじまり4

main公式サイト。黒沢清監督。前田敦子、染谷将太、柄本時生、アジズ・ラジャボフ、加瀬亮。テレビ番組「世界不思議発見!」の撮影スタッフの活動をそのまま映画化したような趣。黒沢清と前田敦子は「散歩する侵略者」などで組んでいる。思えば前田敦子はいつの間にか堂々たる名女優になっている。
葉子(前田)が入る中央アジアのウズベキスタンの首都タシュケントにあるナヴォイ劇場は第二次世界大戦でソ連の捕虜となった日本人が建設を仕上げたという。葉子はその中でまるで夢の中に彷徨っているみたいだ。
366324_003劇場だけでない。葉子はウズベキスタン中を走り回っている。ソ連時代の灌漑計画の際に副産物として意図せず出来上がったアイダール湖(↑)でも水除けの長ズボンをはいて湖中に入って頑張る。ヤギさんを見つけて草原に放してあげたりもする。
さらにバザールを求めて一人でバスに乗り、言葉通じないのに何とか分かってもらい、バザールに到着。その行動力は流石だ。そうでもしないと番組としての尺がたりないのだ。美しいモスクのあるサマルカンドにも行っていて、なんだかんだでウズベキスタンの観光案内してしまっている。
恐ろしいことに東京湾で大火災のテレビ中継。まるでシンゴジラだ。東京にいる恋人は消防士ってちょっと飛びぬけてあり得ない設定なのだけれど、葉子が駆けずり回ったまんまなので大して恐ろしくないと思えるのが恐ろしいほど。連絡のつかなかった消防士は無事だった、多分大活躍してたのだけれど、だからと言ってメデタシメデタシじゃない凄い大火の筈なんだが。
366324_008それでも葉子はあれやかれやと駆けずり回って危ない目にも遭うが、挙句は山の頂上からアイダール湖を見下ろすのだ。恋人と同じように駆けずり回って仕事をする。まるでアイダール湖の水を恋人に渡して火を消してと願わんばかりに。
なぜか。恋人に負けず劣らず仕事が命なのだ。実は葉子は最初から最後まで仕事をしていただけなのだ。仕事の果てに「世界」は始まる。
こうして番組という「世界」が始まり、本作という映画の「世界」も始まる。始まるとは「世界」を創造することだ。ちょうど灌漑水の流れの終わりにアイダール湖が創造されるように。
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Posted by y0780121 at 05:35│Comments(0)clip!邦画タ、チ | ★4