上原ひろみ with 新日本フィルハーモニー交響楽団 クリスマス特別公演
2015.12.24 Thu @ すみだトリフォニーホール
指揮:下野竜也

hiromi with orche

 






















今年の聴き納め、そして上原ひろみ祭り2015 冬の陣のラスト。

前回のオケとの共演は2009年のクリスマスイブ。
あれから6年かぁという感慨と共にすみだトリフォニーに向かう。

演奏会が終わった後、SNSでは絶賛の嵐で、
コンサートを聴いた多くの人が感動のコメントをアップしていた。

そんな中、あまのじゃくな自分が嫌になるけれど、
感想は感想なので仕方がない。

僕にとっては「感動的なコンサートではなかった」です。残念ながら。
ピアノの魅力も、オケのそれも、共に半減してしまっていたと思う。


とは言うものの、
素晴らしいなぁと思った瞬間がなかったわけではない。

Brain Training ではオケのプレーヤーのスタンドプレーや
ベースとピアノの掛け合いが楽しかった。
アンコールでのコンマスとピアノの掛け合いも。

ファンの端くれとして、あの場にいられたことは幸せだし、
貴重な時間を共有させていただけたことに感謝している。
何より、チケットが入手できなかった方々が大勢いたというのに
申し訳ない限りだ。




感動という点では、指揮者の下野竜也さんに大きな感銘を受けた。

有名な指揮者で既に国内外で大活躍されているというのに、
生で聴いたのは今回が初めて。

自分のようなアマチュアが生意気なこと言ってるのは百も承知ですが、
複雑な変拍子の箇所は棒がわかりやすく、情熱的で、且つ情感溢れる指揮。

前回の記憶は既に薄れてしまったが、指揮者は別の方だったし、
当時の演奏は、楽曲が複雑なことも手伝って、
全体的に安全運転だったと記憶している。

ところが今回は、演奏が躍動感に溢れ、感情も伝わってきた。
それもこれも指揮者のおかげだと思う。

もしも、こういう指揮者のもとで自分も音楽ができたとしたら、
どんなに楽しく、そして感動するだろう、と分不相応な夢を抱いてしまう。
(クリスマスということで許してください)

近いうちに下野さんの振るオケの演奏会を聴きに行ってみようと思う。



というわけで、
以下、読んで気分を害される方のほうが多いような気がするので
演奏会での感動を大切にされたい場合は、この辺で。










では、ネガティブ感想編。



まず。

開演前、客席に入ったら、ステージ上でクラリネットが指をさらっていた。
しかも「もしや、あの曲のフレーズじゃ?」とわかるようなフレーズを何度も。
音出しの流れのなかで、ちょっと一節吹いてみました、みたいなのはあると思う。
でも、あのクラの人は、間違いなくガッツリさらっていた。

予想的中で「あの曲」は本プロで演奏された。

これ、プロがやることですかね?
指さらうなら控え室でやって欲しい。



で、本題。

最大のがっかりポイント:ピアノの音が聴こえない。

僕の席が3階の真ん中あたり。
ステージから遠いため、仕方ないのかもしれない。

でもむしろ、オーケストレーションによる影響の方が
大きいのではないか、と思った。
管や打楽器と重なると完全にピアノが打ち消されてしまうし、
しかもそういうアレンジの場面が多かった。

ピアノ聴きにきてるのに、オケ伴奏ばっかり聞かされたら、
感動するはずもなく。。。


ひろみさんがオケとの共演を前提に書いた
「STEP FORWARD」という組曲があるのだが、この曲はすごく楽しめた。
ということは、ピアノコンチェルトとして書かれていれば、
きちんと聞こえてきたのではないだろうか?

また、弦だけの「Legend of the Purple Valley」や、
弦とObとピアノの「Place to be」は、新たな世界観が広がっていて、
これぞオケとやる意味があるよなぁと思った。

そう、他の多くの曲の場合、
「これ、オケと一緒にやる意味は何?」と考えてしまうのだ。


オーケストレーションで言えば、トランペットやホルンは
通常あんなに高い音で、しかもあの小さめのダイナミクスレンジで
メロディ吹かされないよなぁ・・・と思う場面がしばしば。
金管は音外してたけど、僕はむしろ奏者に同情してしまう。


ピアノソロも、音の粒が不明瞭で、
薄い壁の向こうから聞こえて来るような感じ。
これも距離のせい、なのかな?

それと「ピアノソロあるある」で、
客が手拍子を煽るのやめて欲しかったし。



とか思いながら、
6年前はどうだったっけ?と自分のブログを読み返してみたら、
ほぼ同じ感想書いてる^^;

選曲も前回とほぼ同じだったことが判明。
新たに加わったのが「Warrior」と「MOVE」。


「MOVE」をオケにアレンジすると思ってなかったので興味深かったが、
オケのアンサンブルが危ういところが多々あって、かなりスリリングだった。
響きは、フーサの「プラハのための音楽」に似ているように思う。
この曲に関しては、オケアレンジにすることで新たな魅力が出ていたと思う。



それと、どうでもいいことながら、客層がちょっと気になった。
というのは「The Tom & Jerry Show」の途中で盛大に拍手が起きたから。
あれはインプロビゼーションに対する拍手ではなく、
曲が終わったと勘違いして起きたものだと思う。
比較的最近ファンになった人が多いということか?
それともオケのファンなのか?
でも、オケのファンが多いとしたら、楽章の途中で拍手しないだろうし、
アンコールの「Seeker」でメロディをハミングしないと思う。
(これ、いつからの風習なんだろう? 個人的に好きじゃない。)

と、また今回も偉そうに書いてしまった。

気分を害された方、ごめんなさい。
バカなド素人が思ったままをかいた個人の感想ですので、どうかご勘弁を。


今後、オケと共演するのであれば、
クラシックのピアノ協奏曲を「ひろみ流」で演奏してくれないかなぁ。
山下洋輔さんのガーシュウィンみたいに。

もしくは、ひろみさんがピアノコンチェルトとして書き下ろした新作祭り。
これはかなり期待してしまうのだが、
あのご多忙なツアー三昧の日々の中では、無理だろうなぁ。。

上原家に負けないよう、がんばって長生きしますので
いつかピアノコンチェルト新作祭りを実現させて欲しいです。

一部
1.Brain Training
2.Reverse
3.Warrior
4.The Tom & Jerry Show
5.Spiral

二部
1.Legend of the Purple Valley (strings)
2.Place to be (strings,ob,piano)
3.Desert on the Moon (piano solo)
4.Choux A La Creme (piano solo)
5.STEP FORWERD

EC
1.Christmas Medley
2.MOVE
3.Seeker (piano solo)